
日本酒フアンの皆さん、こんにちわ!
今年の桜は昨年よりも早く咲き、もうすっかり新緑の季節を迎えましたね! 酒屋さんの店頭を見れば夏酒が並び始めました。
なので、恒例のトラマサの『日本酒番付・巡業レポート』を作成してみました。
R4BY1H(冬春)巡業の総括
R4BY1H(冬春)で呑んだ日本酒は全部で66本、初飲みは11本
長かった新型コロナもようやく終息を迎えて、やっと自由に行動できるようになりました。
ホテル旅館業界は人手不足で対応が追い付かない状況ですが、飲食業界はどうなのでしょうか?
トラマサの家飲みは相変わらずで、今年前半2022年11月から2023年4月までに飲んだお酒は全部でナント66本ありました。
一年前は56本、半年前は57本ですから、ちょっと飲み過ぎたでしょうか?
実は年末に家族が怪しい発熱となり、今年は忘新年会はなし。 買い込んだお酒は、1月と2月でようやく飲み切りました。
3月にはようやくコロナ規制も解禁となり、早めのお花見は絶好調! 飲みすぎました・・・


さて例によって、黄色マーカーは銘柄違い(酒米違い)、青色マーカーは全くの初飲みです。
年月 | 酒名(県名) |
2022/11 (11) | みむろ杉(奈良)、電照菊(千葉)、紀土(和歌山)、宮寒梅(宮城)、天美(山口)、蓬莱泉(愛知)、奥播磨(兵庫)、楽器政宗(福島)、大雪渓(長野)、鍋島(佐賀)、花陽浴(埼玉) |
2022/12 (10) | わかむすめ(山口)、奈良萬(福島)、手取川(石川)、賀茂金秀(広島)、船尾瀧(群馬)、射美(岐阜)、鳴門鯛(徳島)、総の寒菊(千葉)、赤武(岩手)、鼎(長野) |
2023/1 (8) | 仙禽(福島)、くどき上手(山形)、南部美人(岩手)、ちえびじん(大分)、天美(山口)、黒龍(福井)、荷札酒(新潟)、幻舞(長野)、 |
2023/2 (12) | 瀧嵐(高知)、八仙(青森)、原田(山口)、金雀(山口)、十四代(山形)、わかむすめ(山口)、五橋(山口)、仙禽(栃木)、上喜元(山形)梅錦(愛媛)、幻舞(長野)、写楽(福島) |
2023/3 (15) | 廣戸川(福島)、天美(山口)、黒龍(福井)、会津娘(福島)、守破離(京都)、射美(岐阜)、七本槍(滋賀)、大嶺(山口)、紀土(和歌山)、飛鸞(長崎)、而今(三重)、醸し人九平治(愛知)、秩父錦(埼玉)、宮寒梅(宮城)、産土(熊本) |
2023/4 (10) | 信州亀齢(長野)、美丈夫(高知)、村祐(新潟)、飛良泉(秋田)、大嶺(山口)、シンタカチヨ(新潟)、吉田蔵U(石川)、初孫(山形)、土田(群馬)、荷札酒(新潟) |
初呑みでは『飛覧』『紀土』『原田』『土田』が秀逸
さて、今年は昨年に比べて初飲みは少なくて、既存の定番酒が多くなりました。
全くの初飲みは11、銘柄・酒米違いが多くて32。 全体が66本なので、新酒チャレンジ率は17%、R3BY2Hに比べ44%ダウンでした。
さて最近の日本酒業界は、danchu誌によれば『ほとばしる日本酒!』って状況で、若い後継者の才気あふれる活躍が目立ちます。
世に出て間もない珠玉の生酛あり、モダンなお酒が目白押しと、変化の兆しにみちた空気感は今までになかったかも。
中でも、最近人気がでている長崎平戸の『飛鸞』は、フレッシュ・低アル・生酛・甘口でとても飲みやすいです。
山口県は『天美』や『わかむすめ』などの女性杜氏が活躍する中で、『原田』も女性杜氏が頑張って、酒質がめきめき向上していますね。


『土田』は、若手蔵元と杜氏が実験酒などチャレンジ精神が旺盛で楽しみですが、どっこい90磨き・生酛のクラシックな造りも堪りません。
そして、若手というよりももう業界の旗頭的な存在の『紀土』。 様々なイベント開催にも力を入れる中で、高コスパの酒造りにも磨きがかかっています。


うならせる伝統の熟成酒の味わいが五臓六腑に染み渡る
トラマサは、次に来ると考えているのが熟成酒。 今回『上嬉元』『梅錦』と飲んで、代表格の『奥播磨』と飲み継ぎました。
フルーティなお酒全盛の時代に逆行するけど、熟成酒はしっかりと完熟させて強いお酒を造る必要があり、ワイン並みに3・4年以上寝かせて欲しいです。
日本酒蔵の多くは、キャッシュ不足や冷温貯蔵設備が狭いためか、熟成酒に取り組む酒蔵は少数です。 ワインと張り合うくらいの気構えで頑張ってもらいたいですね。


日本酒銘酒番付・上位陣、初飲み・下位陣の個別レビュー
三役・上位陣はさすがの酒質も、だんだん入手困難に
さて、今回もトラマサの『日本酒銘酒番付』の上位から、巡業飲みの評価をしていきましょう。
まず、昨年飲んでいなかった『而今』と『醸し人九平治』ですが、今年はちゃんとゲットしましたよ。
勿論王者『十四代』は今年もゲットできましたが、残念ながら『新政』は熟成中保管中もありますが、入手は限界に近いですね。
アクセス人気もトップクラスながら上位陣で入手できなかったのが『ソガペールエフィス』。 趣味でなく本格的に供給が増えればよいのですが・・・

今回の『十四代』は、『秘伝玉返し・角新本丸生』。 十四代の看板は、華やかな香りと旨味の抜群のバランスは、相も変わらずの天下一の酒質です。
『醸し人』とあわせて飲んだ『而今酒未来』は、ジューシーな果実感に華やかな酸味と旨味の調和。薄濁りの醸し人が水音のフルートなら、こちら而今は絹音のバイオリンだね。
千葉房総は寒菊銘醸の『電照菊』。日本酒探訪のアクセス数は常にトップ3! 『おりがらみ無濾過生』は上品で華やかな香りとジューシーな味わい。オーシャン99はキレ良い味わい!
『金雀』は今年出足が早く、瑞々しく爽やかな香りと軽やかな酸と甘みのバランスは、相変わらずの出来栄えです。 アクセスは相変わらずのトップクラスですね。


今年の『宮泉/純米吟醸にごり生』は、友人にプレゼント。ならばと、『写楽/純米吟醸無濾過生』に『純米吟醸/赤磐雄町生』で決めまくり。フレッシュ感満載のコク旨・酸の切れと抜群のバランスでした。
例年どおりに『赤武ニューボーンF本醸造生』を10月、『ニューボーン純米生』を12月にいただきました。純吟よりも、本醸造生や純米生のすっきりしたキレとフレッシュな味わいの方が、とてもお得感があります。
『鍋島ニュームーン』の酒米は雄山錦50%、新酒ながら妖艶な甘旨みがのっており、素晴らしい仕上がりですね!!10月の『ハーベストムーン』はひやおろしで、綺麗な甘旨味の味わいでした。

最近人気銘柄ゆえ入手しにくい『信州亀齢』、今回は山恵錦/無濾過生原酒。程よいジューシー感もややすっきり系で、さっぱりとした酸の切れ味が秀逸。ひとごこち火入れの方がスッキリした味わいで、高コスパかな。
『荷札酒』の『黄水仙搾りたて生』は雄町13度・低アル・無濾過生原酒で飲みやすさ抜群ですね。一方『槽場汲み生』は、五百万石15度でやや濃いめ。相変らずアクセスも多いですね。
新ブランド『産土』は、相変わらずの人気。2022は裏ラベルのデザインが変更。発泡性の13度低アルで、ワインのような柔らかな風味のチャーミングな旨みは、磨きがかかってきました。
2年ぶりの『醸し人九平次/純米吟醸/うすにごり』は、いつもながらとてもクリーミーな味わい。このお酒、北海道の酒屋さん1軒だけで予約販売は1500本とのこと。全国規模で何本になるのか想像もできないお化け商品!


前頭の元気のいい注目銘柄はこれ!『あべ』『上川大雪』『吉田蔵U』『天美』『せんきん』
さて大相撲でも前頭が優勝するご時世で、日本酒の世界でも下位でも大関を負かすほどの実力蔵がひしめいています。
『日本酒探訪』ブログでもアクセスが多く、そして味わい深い銘柄をご紹介します。
また4月8,9日に開催された渋谷の『SAKE PARK』での試飲評価とも合わせて紹介しますね。


『あべ』のテロワールは本物。 アル度13ながら、『REGULUS』の酸味全開の飲み口はもう完全にワイン。 SAKE PARKでは一番の味わいで、酒造りも、酒注ぎも大忙しの阿部ちゃん、頑張ってます!
今回のSAKE PARKで飲んだのは『上川大雪/純米吟醸彗星/白麹』で、爽やかな柑橘系の酸味にスッキリとした爽快な飲み心地。 とてもいいですね大雪のワイン? 北海道の風を感じました。


『手取川』『吉田蔵U』の独自のモダン山廃の味わいは、優しい甘みと爽やかな旨みが一体化。 低アル・モダンジャンルのトップランナーは、SAKE PARKでは一味違ってました。
リボーン蔵『天美』もはや3季目の造り。 『黒』『白』に加えて『桃(うすにごり)』と色とりどりのラインナップは今や大人気。 柔らかな飲みやすい味わいは、大進化しています!
栃木の『仙禽』は、冬の名物詩となっている『雪だるま』『グリーンナチュール』をいただきました。 透明感のある滑らかな口当たり、柔らかな甘みはお正月料理にもぴったりでした!


未格付けのお酒『幻舞』『大嶺』、番付落ちとなった『にいだ』『賀茂金秀』も素晴らしい!
ところで、トラマサの『日本酒銘酒番付』R3BYは、昨冬ようやく2年ぶりの改訂となりました。
まだ飲んでいないお酒もあり、なんだあの銘柄がないじゃないかとのご意見もお在りかと思います。 そこで補完しているのがこの巡業レポートなんです。
まずは、未格付けで気になった今季のお酒を紹介します。
やっと念願叶った『幻舞』は、ナント3本も。 特別本醸造は新潟酒のような淡麗な味わいで、吟醸火入れはするりとした飲み口。しぼりたて無濾過生は、華やかでトロピカルな味わい。 堪能しました!
2022湯田温泉酒祭りで、一番印象に残ったお酒! 春先の『三粒/出羽燦々』は、まろやかで膨らみがあり、ゆっくりと酸味が盛り上がってきます。 お洒落なお酒ですね!


それから幕内の番付数が足りないので今回落ちてしましましたが、『にいだ・おだやか』『賀茂金秀』もいい味出していました。
少しずつ設備も改良とかで、より綺麗な味わいに仕上がった『賀茂金秀』。 フレッシュで柔らかい甘みと力強い旨味がうまく合わさり、素晴らしいです。
今期が初めての木桶生酛仕込みの『おだやか』、毎年違いが生まれるテロワールの思想で仕込まれています。ジューシーで、口中に奥深い味わいが広がります。


まとめ
皆さん、いかがでしたでしょうか?
今年は冬に『日本酒銘酒番付』を改定したこともあり、上位陣も酒米別の飲み比べもしました。 改めてほんとに各酒蔵さんの技術力の高さ、努力にはただただ敬意を表するばかりです。
先週、山形庄内迄出かけてきました。 すっかり桜も散り、酒蔵さんも甑倒しでもう蔵仕舞いの季節を迎えていました。
いよいよ夏酒ですね。 これからも、頑張ってレビューや特集記事を書きますので、引き続きトラマサの『日本酒探訪』をよろしくです!