皆さん、こんにちわ!
今回は、佐賀県は富久千代酒造さんの『鍋島 純米吟醸 五百万石』を紹介します。
富久千代酒造さんと言えば、佐賀を代表する全国でも大人気の酒蔵さん。 トラマサの『日本酒相撲番付』でも、西の大関にランクされています。
それでは早速ご紹介しましょう。 佐賀の『鍋島 純米吟醸 五百万石』どんな味わいなのでしょうか?
『鍋島 純米吟醸 五百万石』は甘いメロンのような香りとジューシーな味わい
『鍋島』の仕込み水は、多良岳山系からの豊富な伏流水
焼酎文化の九州にあって、唯一日本酒の生産量が焼酎を上回っているのは佐賀県であること。 皆さんご存知でしょうか?
江戸末期には藩主が日本酒造りを奨励し、明治初期にはなんと700もの酒蔵があったというのも、豊富な伏流水と肥沃な佐賀平野・白石平野で育った酒米があったればこそ。
さて鍋島を醸す『富久千代酒造』さんは、霊峰多良岳山系からの豊富な伏流水に恵まれた立地にあります。 鍋島の仕込み水は軟水。 甘口の酒質は、ここからきているのでしょうか?
『鍋島』のフルーティーな香り、上品な甘みと旨みのバランスのとれた酒質は、とても綺麗な飲み口です。
《原料米》『五百万石』100%
《精米歩合》50%
《酵母》不明
《日本酒度》- 《酸度》-
《アルコール度》純米吟醸生、16度
《お値段》720 ml 1765円(税込)
《製造》2021年1月
酒米は五百万石、甘いメロンの香りとスッキリとしたキレ味
このお酒の酒米は『五百万石』、そのため甘いメロンのような香りとジューシー・フルーティーな味わいに仕上がっています。
実はこのお酒は、中汲みのみを使用した贅沢な日本酒です。 鍋島のラインナップの中では一番のスッキリタイプなお酒。
フレッシュで華やかな香り、そして瑞々しさは抜群。 のど越しが爽やかな清涼感あるお酒に仕上がっています。
参考までに、『鍋島純米吟醸』には3種類の酒米違いがありますので、その味わいを紹介しておきます。 是非いろいろと試してみてください。
銘柄 | 酒米 | 酒 質 |
鍋島純米吟醸生 | 山田錦 | おだやかで上品な香りと、生酒らしいしっかりとした甘み苦み凝縮した旨味を感じます。 後味には優しい甘さが余韻を引き立ててくれます。 |
鍋島純米吟醸生 | 雄町 | ふくよかでリッチな香りと、甘みたっぷりなジューシー感漂うお酒です。 雄町特有の旨味を存分に味わえます。 |
鍋島純米吟醸生 | 五百万石 | 甘いメロンのような香りとジューシー・フルーティーな味わい。五百万石ならではの、すっきりとしたキレ。 |
佐賀の日本酒『鍋島 純米吟醸 五百万石』と今夜の肴
佐賀のグルメと言えば、あの有名な『呼子のイカ』。 しかしながら、地球温暖化の影響などから十数年前から不漁続き。
他国の乱獲もあり、イカよお前もかと言いたくなります。
スッキリ旨口の酒に、今日は大事に大事に、透き通ったコリコリのイカを美味しく有難く頂きました。
富久千代酒造の紹介
富久千代酒造さんの創業は大正末期。 社名は『盛寿』だったそうですが、戦後に『千代に栄えて福きたる』の思いを込めて『富久千代酒造』に変更されたとか。
蔵の看板『鍋島』は、1998年(平成10年)に現蔵元飯盛直喜さんが『佐賀・九州を代表する地酒』を目指し、酒蔵の生き残りをかけて誕生させたブランドです。
さかのぼること10年前、蔵に戻った飯盛直喜さんが地元が誇れる拘りの日本酒を模索し、わずか4軒の地元の酒販店と協力して始めた酒造り。
試行錯誤の結果、誕生したのが五感をやさしく刺激するような「自然体」の日本酒。 ようやくたどり着いた納得のいく日本酒の命名は、公募で『鍋島』に決めたたんだとか。
勿論、佐賀の元の殿様の了解を得て、商標登録してあるそうですよ。
モデルチェンジの危機を乗り越え新ブランドを立ち上げてから4年目、2002年『国際酒祭りin TOKYO』の純米酒部門で日本一に輝きます。
そしてこの年直喜さんが杜氏に就任し、05年からは7年連続新酒鑑評会金賞と実績を積み上げていきます。 ついには2011年IWCにて、『鍋島 大吟醸』が最高位チャンピオンサケに輝き、世界にその名を轟かせたのです。
富久千代酒造さんの酒造りのキーワードは『自然体の酒』。 単に香りが高い、辛い、ということではなく、やさしく五感を刺激し包み込む。 そんな日本酒を目指しているそうです。
最近、肥前浜宿の酒蔵通りにある旧商家を改装し、2021年3月中旬に食事メインの宿泊施設「オーベルジュ」を開業するらしいよ。 宿泊は1日1組に限定、レストランは1日限定6人を受け入れる予定だそうで、コロナ禍でも大丈夫そう!
まとめ
焼酎文化が色濃い九州の中では、唯一日本酒文化が根付いているのが佐賀県といっていいでしょう。
2013年に全国初の『佐賀県日本酒で乾杯を推進する条例』が制定されたことは、日本酒フアンの度肝を抜きました。
現在でも『佐賀県1万人で乾杯プロジェクト』が毎年行われているそうで、県をあげて日本酒を推奨するスタンスは力強く、並々ならぬ思いを感じます。
そして、『肥前浜宿』を中心に市内で今も醸造を続ける酒蔵6軒が中心となる『鹿島酒蔵ツーリズム』は、2019年3月はなんと99000人が訪れたビッグイベントに成長。
ちなみに鹿島酒蔵ツーリズム推進協議会はこの地域活性化活動により、2019年度『ふるさとづくり大賞』最優秀賞(内閣総理大臣賞)を受賞しています。
間もなく春。 この辺りの有明海でとれる絶品のワタリガニを肴に、美味しい日本酒を頂きに出かけてみてはどうでしょうか?
それでは、今日はこの辺で失礼します。