トラマサの日本酒番付巡業レポート:R3BY-2H(夏秋)

トラマサの日本酒番付巡業レポート:R3BY2H(夏秋)
R3BY-2H(夏秋)の日本酒

日本酒フアンの皆さん、こんにちわ!

秋も深まり山には新雪が積もり、ようやく新酒の季節となりました。 

そんな状況なので、今年もR3BY夏秋の味のりした酒呑みの概況を整理してみました。 

そしてトラマサの『日本酒番付』も冬には改訂の予定ですので、 ご期待くださいね!

スポンサーリンク

R3BY-2H(夏秋)巡業の総括

R3BY-2H(夏秋)で呑んだ日本酒は57本 !

さて、R3BY-2Hの夏から秋にかけて飲んだ日本酒を表にまとめてみました。 

R2BY-2H(夏秋)が58本、R3BY-1H(冬春)が56本で、今回は57本になりました。 

ほぼ同数ですが、今年は3年ぶりに開催された全国日本酒フェアでもたくさん飲んでいますが、それらはカウントしていません。

ですので実質的には昨年を上回っています。 やはり4合瓶が増えたせいでしょうか。 また地域的な偏りは、旅行や帰省時の買い込みが理由です。

さて表の黄色マーカーは、酒米違いや種別違いです。 青色マーカーは全くの初飲みです。

R3BY-2H(夏秋)の日本酒2
 年月   酒名(県名)
2022/5
(8)
孝の司(愛知)、新政ラピス2020(秋田)、玉川(京都)、天美(山口)、
初孫(山形)、船中八策(高知)、わかむすめ(山口)〇嘉大山(山形)
2022/6
(8)
新亀(埼玉)、 寒菊(千葉)、シンタカチヨ(新潟) 、吉田蔵(石川)、
アイスブレーカー(京都)、木戸泉(千葉) 、不動(千葉)、七ロ万(福島)、
2022/7
(9)
男山(北海道)、上川大雪(北海道)、国稀(北海道)、上喜元(山形)、
錦世界(山口)、金雀(山口)、麒麟山(新潟)、悦凱陣(香川)笹政宗(福島)
2022/8
(12)
勝山(宮城)、伯楽星(宮城)、秩父錦(埼玉)、月山(島根)、宮寒梅(宮城)、武勇(茨城)
田酒(青森)、藍の(埼玉)、陽之鳥(秋田)、寒菊(千葉)、加茂鶴(新潟)、篠峯(奈良)
2022/9
(11)
花邑(秋田)、住吉(山形)、山本(秋田)、寒菊(千葉)、(栃木)、写楽(福島)
雁木(山口)鍋島(佐賀)、金冠黒松(山口)、五橋(山口)、錦世界(山口)
2022/10
(9)
産土(熊本)、大嶺(山口)、阿武の鶴(山口)、獺祭(山口)、まつもと(京都)
東洋美人(山口)、若波(福岡)、楽器政宗(福島)、月不見の池(新潟)
R3BY2Hエントリーシート

初飲みは17本、注目銘柄は 新トレンド・長期熟成酒の『木戸泉』『錦世界』

今期の初飲みは17本、酒米やブランド違いが21本。 新酒チャレンジ率は67%と、前期に比べて6%アップしていますよ!

さてそんな中でも『木戸泉』『上川大雪』『勝山』『伯楽星』『望』の5つに注目です。

6月の全国日本酒フェアで注目したのは、千葉の『木戸泉afs』。 長期熟成酒の酸味にハマってしまいましたが、山口の『錦世界』もシブいです。

いつまでも、無濾過生原酒では飽きてしまいますね。 新政酒造さんも長期熟成酒に力を入れ始めており、これからのトレンドとなることに期待して推奨します。

移転蔵の『上川大雪』『伯楽星』『勝山』、観光蔵の『望』に注目!

6月末の北海道旅行で飲んだのは増毛の『国稀』、旭川の『男山』、そして買収移転で話題となった上川大雪』。 綺麗で飲みやすい酒質に驚かされました

8月は甥っ子の結婚式で仙台へ。 東京では入手しにくい銘柄が多く、ついつい買い込んでしまいます。

勝山』は水を求めて郊外へ移転し、高級路線へと転換して綺麗な味を追求しています。

一方伯楽星』は、東北大震災で移転。 良水と人に恵まれて復活を果たし、酒質も経営も近代的に作り上げています

そして栃木県の『』は、ご当地の益子焼とのコラボで積極的なマーケティングを展開し、観光酒蔵の名に恥じぬ銘酒を作り出しています

リボーン蔵(復活蔵)にもいろんなパターンがありますが、やはり基本的には経営資源の『人』『モノ(水・米・設備)』『金』『Iot』が大事ですね。

スポンサーリンク

『R1BY日本酒番付』にもとづく幕内銘柄の今回評価

三役・上位陣の安定した酒質は健在もウカウカできない!

さて、新型コロナは依然として流行を繰り返しており、国内消費は低迷しているようです。

国税庁の酒レポート(令和4年3月)によれば、令和3年の酒消費(家庭消費+飲食店消費)は、前年比ー10.2%。

一方酒類全体の輸出は前年比+61.4%で、日本酒は+66.4%と大きく伸びています。 輸出に力を入れている酒蔵はいいとしても、国内中心の中小はまだ苦しい状況でしょう。

さて、それでは上位陣の味わいはどうだったのでしょうか。

R3BY-2H(夏秋)の日本酒3
東横綱 新政・ラピス、陽乃鳥

陽乃鳥は少し寝かせて飲みましたが、生酛・木桶・槽絞りで深い味わいは磨きがかかってきました。ラピスも寝かせていい出来でした。でも蔵元HPを見ますとラピスは消失、時は移ろいでいるのでしょうか。

東大関 写楽・純米

定番の純米ですが、フルーティな含み香に米のうま味が口の中でほどけます。いつもながらの飲み飽きしない会津酒の大看板ですね。

西大関 鍋島/ハーベストムーン

ハーベストムーンとは中秋の名月。 開けたては微発泡で、フルーティな酸味が効いてスッキリ甘味です。 酒米は愛山らしいですが、いい意味で裏切っています。 

西関脇 獺祭・純米大吟醸45

膨らみのある甘い香りと、透明感のあるのど越しは秀逸。思わずもう一杯と手が出ますね。 日本のスタンダードは、世界のスタンダード!!

西関脇 金雀・伝承山廃造、

今回は『山廃』と『生酛』の飲み比べ、どちらも旨いです。 一段と増した艶やかな味わいは、もう一段のランクアップを果たしそうです

東小結 楽器政宗/fp

いつもながらのモダンでフレッシュな味わい。 軽やかな柑橘系の香りで瑞々しくジューシー、柔らかな甘みを感じさせるお得意の低アル本醸造酒です。

西小結 悦凱陣/雄町

酒米は讃州雄町で、赤磐雄町よりはスッキリ目。とは言え、濃密な味わいは変わらず。1年以上寝かせ、芳醇でスムースな喉ごしはの味わいは堪りませんね。

前頭で上位を狙う注目銘柄は『花陽浴』『田酒』『シンタカチヨ』『寒菊』『若波』『産土』

お酒の供給が減る8月・9月にかけては、前頭銘柄を少し多くして味わいを確認しました。

なかでも、次の銘柄はランクアップを果たすような見事な酒質を感じさせてくれました。

東前頭1枚目 花陽浴、藍の郷 

花陽浴の兄弟ブランド『藍の郷』は、花陽浴シリーズに比べて香り旨味とも穏やか。 でも造りはしっかりしており、コスパもいいですね

東前頭4枚目 田酒 純米吟醸/古城之錦

以前に飲んだ純吟/秋田酒こまちはスッキリ仕上げでしたが、こちら古城錦は希少米ながら膨らみのある芳醇な味わい。酒質が上がっていますね。 

東前頭5枚目 シン・タカチヨ/G

高千代酒造の若手蔵人が中心となり立ち上げた「シン」シリーズ。扁平精米の無濾過生原酒/12度のライトな仕上げは、果実感のある甘酸が爽快感を演出しています。 

東前頭13枚目 寒菊トルーレッド、オーシャン99青海、橙海

寒菊の季節限定シリーを今回はナント3本。レッドの雄町50%のリッチな甘み、そして青海のみずみずしい果実感。橙海の火入れの落ち着いた味わい。 2年前の番付から進境著しく、そのどれもが素晴らしく感動しました。

西前頭3枚目 若波73・100周年記念酒

柳川産山田錦を扁平精米の磨き73%として、雑味なくとても綺麗に仕上がっています。上品な酸と旨味、渋みのバランスがとてもいいです。

西前頭12枚目 花の香、産土 

前期に続いて、22/8蔵出しの生酒は少し熟成感があって、ライトなワインのようなボディながらもガス感満載。開栓後も、ガスで栓が緩むほど。爽やかで軽快なスタイルは大人気となる予感です。

まとめ

皆さん、いかがでしたでしょうか?

さて、R3BY鑑評会金賞数1位となったのは福島県、なんと9連覇の金字塔です。『写楽』『楽器政宗』など、キレイで透明感のある酒質にゆるぎない王道のすごみを感じました。 

また同じく金賞数上位となった新潟酒『シン・タカチヨ』などに、新しい変化を予感させる驚きがありました

ところで半期ごとの巡業レポートをもとに、いよいよ『日本酒番付』の改訂をまもなく迎えます。 皆様どうぞご期待ください。

それでは今回はこれで失礼します。 最後までお読みいただきありがとうございました。

タイトルとURLをコピーしました