新潟の日本酒『荷札酒黄水仙 しぼりたて新酒』は低アルコールながらピュアな香りと旨みが満載

荷札酒黄水仙
荷札酒黄水 仙純米大吟醸

皆さん、こんにちわ!

今回は、新潟県は加茂錦酒造の『荷札酒黄水仙 しぼりたて新酒』を紹介します。

加茂錦酒造と言えば新潟の若きリーダーと目される田中悠一さん、まだ28歳ながらもその造りは一級品で、多くの呑み人をうならせます。

初見のかたは、時代錯誤ともとれる荷札に目を奪われるばかりで、なかなか『荷札酒(にふだざけ)』というネーミングが覚えられません。 一度口に含めばもう虜となるのですが…

それでは早速ご紹介しましょう。 新潟の『荷札酒黄水仙 しぼりたて新酒』どんな味わいなのでしょうか?

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『荷札酒黄水仙 しぼりたて新酒』は、雄町米を使用した低アルコールで飲みやすいお酒

『荷札酒黄水仙 しぼりたて新酒』は、掛米は雄町で麹米は山田錦の仕立て

『加茂錦酒造』さんの本店があるエリアには名峰栗ヶ岳を源とする加茂川が流れていますが、醸造所は少し北の新潟市秋葉区で、ここはもう加茂川から信濃川流域へと変わっています。 

仕込み水は、いろいろとくぐってみましたが不明です。 


《原料米》雄町80% 

《精米歩合》50%

《酵母》不明

《日本酒度》不明 《酸度》不明

《アルコール度》13度原酒、無濾過火入れ

《お値段》720 ml 1738円

さて、掛米は雄町80%の表示となっていますね。 『荷札酒』の特徴としてまず挙げたいのが、麹米に使われているのは山田錦なんです。 高級酒の常とう手段ですね。

『荷札酒』は全量純米大吟醸造り、ほとんどの麹米は『山田錦』が使用されています。 山田錦は、米粒の中心部に麹菌糸が繁殖していく度合いが高く、質の良い麹が出来上がります。

この辺りは前に紹介した『飛露喜』に倣ったのでしょうか?

他の荷札酒の掛米には東条山田錦、備前雄町、愛山、八反錦、美山錦、出羽燦燦などが使われていますが、麹米の山田錦が酒造りを仕切っていますね

『荷札酒黄水仙 しぼりたて新酒』は低アルコール13%の原酒、飲みやすさと充実した香味のバランスがいい

『荷札酒黄水仙』のもう一つの特徴は、低アルコール13%の原酒だということです。 

まさにあの新政』のような低アルコールの原酒でありながら、飲みやすさをうまく演出していますね。

この新酒は、無濾過・原酒・火入れです。 火入れで酒質を安定させ、無濾過原酒のその味わいはそのままに、しっかり米の旨みと程よいガス感を残して後味を爽快にしています

R1BY(2020/6)製造の『黄水仙 槽場汲み・瓶火入れ』も同じ造り。 7月の夏バージョン、秋上がりと仕上げを変えて続きますが、飲み人にはその味の違いは分かりません。

加茂錦荷札酒『黄水仙 新酒』純米大吟醸
 『荷札酒黄水仙 しぼりたて新酒』の感想と評価
  • 程よい吟醸香に、搾りたての爽やかな甘みと微発泡が喉をくすぐり、終いの切れ味はよし。 爽酒旨口
  • 純米大吟醸1738円はコスパ抜群、涙ものですね。
  • 総合評点 8.7点   ※あくまでも私個人の感想です。

トラマサ
トラマサ

『荷札酒』は世に出て5年程。 酒米にもよるけど『十四代的な華やか甘旨』は定番の山田錦に任せて、この黄水仙は限りなく『新政的なシュワ甘旨』に近い味わいとなってきたね! とにかく、『黒龍』『磯自慢』など有名処をキャッチアップすべく、トライ&エラーを繰り返しながら前進と・・・

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新潟の日本酒『荷札酒黄水仙 しぼりたて新酒』と今夜の肴

今年はクリスマス前の大寒波が、各地に大雪をもたらしています。 コロナ禍の中、水産品や農産品の消費は低迷気味ですが、鰤や蟹漁への影響が心配です。

『荷札酒』はどんな料理にも合うように、食前、食中を問わず酒質を設計してあるみたいですね。 そこで今日は、寒ブリの煮物にしてみました。

寒ブリ
寒ブリの煮物

加茂錦酒造の紹介

『加茂錦酒造』さんは、北越の小京都と呼ばれる新潟県加茂市に本店があります。 この地は京都賀茂神社の所領として米の生産地として発展、また木工技術の粋、桐たんすは伝統工芸品に指定されています。

そんな地域にある加茂川の伏流水で醸したお酒の名も、地元のみなさんからの公募で決めたとか。 その頃は地元でも人気があったんでしょう。 

お定まりの昭和の低迷を経験した加茂錦酒造は、蔵元の親戚であった現当主の田中家に継がれることになります。 当主は、トレンドを探るため全国の有名銘柄を取り寄せ、利き酒を始めます。

そこに息子の悠一さんが、下戸の父親の利き酒に付き合いようになり、いつしか日本酒の魅力にどっぷりとつかることなります。 

修一さんはそこで、大学3年生の時に両親に酒造りの想いを伝えて大学を休学します。 ここは本来なら蔵元の息子として、滝野川へ出向いてお酒造りの基本を学ぶところ。 

天才はどこかが違うんです。 彼は日本中の銘酒を飲みまくり、1000枚を超えるオリジナルチャートを作成。 

自分の頭脳でその造りを想像して、誰にも教わらずに醸造教本のみを先生として、自分のお酒を醸してきたんだそうです

そして2016年には、デビューしたばかりの新ブランド『荷札酒』が早くも大ブレイします。

実は悠一さんが初めて東京の有名地酒専門店を訪ねたときに、無駄になると思いラベルは用意せず、手持ちの荷札ラベルで応急に対応したんだそうです。 

そのユニークさもきっと人気付けに一役買ったのでしょう。 荷札を纏ったラベルは、まさに『荷札酒』のみのオリジナルなデザインですね。

今ではこの荷札や裏書に、原料米別のほか、タンク違い、濾過や火入れの有無による多彩なバージョンが表示されています。

でも、荷札だけではなかなか分かりづらいので、下表に纏めましたのでお酒選びの参考にしてください。 

 荷札酒ラベル名   特 徴
純米大吟醸 火入れ又は生加茂錦の定番酒。香り甘味旨味の主張がよく纏まり、今時のモダン酒。無濾過原酒で定番は火入れも生もでます。
純米大吟醸 雄町定番生詰めの雄町版、備前雄町と雄町50があり果実感が綺麗に感じられます。
純米大吟醸 黄水仙13度原酒の低アルコールもそれを覆す旨味と甘み、とにかく飲み易い仕上がりです。
純米大吟醸 月白山田錦を精米歩合40%で仕上げ、すっきり上品・綺麗でライトな味わいです
純米大吟醸 紅桔梗秋田酒こまちで醸し、生酒を綺麗な酸とガス感で、その甘味を浮き上がらせたお酒
加茂錦『荷札酒』の主要ラベルの特徴

一滴も酒を飲めなかった蔵元杜氏と、鋭い感性で独自の『お酒ワールド』を造りだしている息子杜氏。 勿論、業界の先輩・蔵人・家族のチームワークで、乗り切ってきたに違いありません。

トラマサ
トラマサ

一段上の酒ができたとオタクると、『ver.』が上がるそうだね。 『荷札酒黄水仙』も、なんとver.8.2まで上がっているね! 電子工学専攻だけあって、麹室の温湿度もスマホでコントロールしてるんだって!

 加茂錦酒造の概要
  • 加茂錦酒造は1893年創業。 若き4代目杜氏の田中悠一氏は1992年生まれの28歳。
  • 伝統の酒は『加茂錦』。悠一氏が手掛ける『荷札酒』は全て『純米大吟醸』で、生詰めか生酒。酒米、酵母を上手に使い分け、バリエーションに富んだお酒を造りだしています。
  • 『アルコールを感じさせないスムーズな味わい』が酒造りの方針。旨口でありながらもスッキリした味わいの酒質が特徴です。
  • SAKE COMPETITION 2017純米吟醸の部では、ゴールド9位を受賞。
  • 酒造見学は不可。

まとめ

『荷札酒』を醸す若き杜氏田中悠一さんと、以前に紹介した『赤武』の若き杜氏古舘龍之介さんは同い年。 そしてこのR2BYで、共に8造り目となる若きスター同志。

『赤武NEWBORN』と『荷札酒純米大吟醸雄町』

双方、だんだんと『新政』チックな味に近づきつつあります。 そう、モダンでライトな味わい。 あ、他にもありますよ、『笑四季』『あべ』など・・・ 

若い平成生まれの杜氏の時代、女子ゴルフ宜しく『黄金世代』『プラチナ世代』が果たして来るのでしょうか? 楽しみです。 これからに注目ですね!

それでは皆さん、今回はこれで失礼します。

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