皆さん、こんにちわ!
今回は、栃木県は小山市小林酒造さんの『鳳凰美田 純米吟醸 無濾過生』を紹介します。
小林酒造さんと言えば、美酒の誉れ高い今や全国でも大人気の酒蔵さん。
それでは早速ご紹介しましょう。 小林酒造さんの『鳳凰美田 純米吟醸無濾過生』どんな味わいなのでしょうか?
『鳳凰美田 純米吟醸 無濾過生』はマスカットを思わせる爽やかな吟醸香
『鳳凰美田 純米吟醸 』は五百万石らしい綺麗でさらりとした飲み心地
小林酒造さんの本社蔵は栃木県南部の良質米が取れる地域にあり、またこの辺りは日光山地の伏流水が湧きだす地でもあり、まさに酒造りに適した地と言えるでしょう。
酒名の由来となっている、旧村名の『美田(みた)』をいただいているのも頷けますね。
定番酒であるこのお酒の酒米は、富山県南砺市で育てられた『五百万石』。 鳳凰美田らしい華やかでフルーティな香りは健在ながら、五百万石らしい軽快でさらりとした飲み心地。
マスカットを思わせる爽やかな吟醸香が鼻腔をくすぐり、綺麗で程良い甘みと酸を舌に感じます。 本当に香味のバランスがいいですね。
また酵母は、他の銘柄も含め『栃木酵母』を使っているそうです。
《原料米》麹米『山田錦』、掛米『五百万石』
《精米歩合》55%
《酵母》栃木酵母
《日本酒度》- 《酸度》-
《アルコール度》純米吟醸 無濾過生 16度
《お値段》720 ml 1760円(税込)
《製造》2021年2月
『鳳凰美田 純米吟醸』は、手間をかけた八重垣式で絞られる
『鳳凰美田』の造りの一番の特徴は、『八重垣式』という方法で搾っていることでしょう。
厚さ5センチほどの板状の袋にもろみを詰め、ステンレスの板をはさんで積み上げていきます。 そしてその雫を酒槽で受けて、丁寧に絞られているのです。
『佐瀬式』との違いは、槽の中で絞られるのではないためと袋が大きくなりより空気に触れることから、酸化が進む点にあります。
酸化を抑制するよりも酸化を開放することで、程よい甘味と酸が渾然一体となり高品質のお酒に仕上げる手法は、『飲みやすさ』を追及する5代目のセンスなのでしょうか。
硬い酒質になりがちな新酒を淡麗酒質の五百万石で醸して、古くて新しい手法『八重垣』で搾り、高貴な香りはそのままに、まろやかな口当たりに仕上げられています。
『八重垣式』の搾り、調べてみたら奈良の『花巴』も取り入れていた。 なかなかやるなあ。
栃木の日本酒『鳳凰美田 純米吟醸 無濾過生』と今夜の肴
『鳳凰美田 純米吟醸 』は五百万石らしい綺麗でさらりとした飲み心地、中口系の味わいなので、料理も合わせやすいですね。
今日は、雪中軟白ねぎとカワハギのお吸い物に合わせてみました。 『雪中軟白ねぎ』は山形県鶴岡のブランド長ネギで、寒さが増すにつれて甘みが強くなるんだそうです。
しゃぶしゃぶ風の『ねぎ鍋』もいいですね。 シンプルに豆腐と肉や魚をいれてパラパラとネギ、そしてグラスにさっとお酒を注げばもう大満足になります。
小林酒造の紹介
5代目の杜氏兼専務である小林正樹氏が、東京農業大学を卒業して蔵に戻られたのは1990年。 まさにその頃は日本酒低迷期であり、造りも減少し経営は苦しい状況だったとか。
正樹さんは、蔵元から酒蔵を継がなくともいいと言われていたそうですが、大学に入り全国の跡取り達から刺激を受けたそうです。
そこで蔵の存亡をかけて、普通酒や本醸造酒を止めることを決意します。 まだ未経験であった吟醸造りへの挑戦が始まります。
酒造技術指導研究員だった奥様や蔵人さんと力を合わせ、苦労の末ようやく雑味のない究極の搾りの『大吟醸鳳凰美田』を誕生させたのだそうです。
その酒造りで拘ったのは酒米。 地元の米作農家さんと粘り強く交渉して酒米の契約栽培を開始します。
そして今では、地元益子町で有機農法に取り組む篤農家さんとタッグを組み、米の旨みがギュッと凝縮した味わいのお酒も作り出していますよ。
また酒米に拘る一方で、吟醸造りを極めるためサーマルタンクの増設など設備投資も積極的に行われています。
『鳳凰美田』はとにかく多彩なラインナップなので、最近の人気どころを少し整理してみたよ。 まずは、五百万石の定番酒から攻めてみてね!
銘柄 | 酒米/造り | 味わい |
鳳凰美田 吟醸 | 五百万石 | 髭文字版の精米歩合55%、無濾過生と瓶燗火入れあり。お手頃価格で気軽に楽しめる吟醸酒として、人気が高い。¥2420(税込) |
鳳凰美田 辛口純米 剱 | 五百万石 | 定番の純米です。精米歩合55%まで高精白、瓶燗火入。爽やかな吟醸香、軽やかな米の旨みとすっきりと切れの良い辛口。¥2750(税込) |
鳳凰美田 純米吟醸 | 五百万石 | 精米歩合55%の純米吟醸無濾過生、定番酒。本生ならではの青いメロンを思わせるフレッシュな香り、飽きずに飲める旨酒。¥3080(税込) |
鳳凰美田 純米吟醸 生原酒 碧判 | 五百万石 | 精米歩合55%の純米吟醸無濾過生原酒で看板銘柄。みずみずしいメロンのようなフレッシュでインパクトのある吟醸香。¥3520(税込) |
鳳凰美田 純米大吟醸磨き50 | 山田錦 | 山田錦50%精米の定番純米大吟醸で、無濾過生と瓶燗火入れあり。瑞々しい吟醸香と、山田錦ならではのふくよかな旨みが感じられます。¥3300(税込) |
鳳凰美田 純米吟醸 芳 | 雄山錦 | 有機栽培雄山錦で磨き55%、瑞々しい吟醸香と、山田錦ならではのふくよかな旨みが感じられ野性的で力強くて濃い味わい、食中酒として楽しめる。¥3960(税込) |
鳳凰美田 Black Phoenix | 愛山 | 愛山(精米歩合55%)を全量使用、無濾過生と瓶燗火入れあり。厚みのある酸味と柔らかで芳醇な口当たり、酒温帯の変化で味わい変化が楽しめる。¥3960(税込) |
鳳凰美田 WINE CELL | ワイン用酵母 | ワイン醸造用酵母と山田錦で磨き55%、無濾過生と瓶燗火入れあり。爽やかな酸味、果実のような熟した甘み、絶妙なバランスの吟醸香。¥3740(税込) |
まとめ
栃木県は今や献上米を生産する地。 『鳳凰美田』はその地の水や米、そして造りに拘った上質で美味なお酒でありながら、求めやすい価格で提供されている日本酒です。
『鳳凰美田』の酒名は、古い酒銘の『鳳凰』と蔵のある美田(みた)村からの命名だとか。 美田(びでん)の空を翔ぶ鳳、とてもいいネーミングですね。
若き蔵人が誇りをもって日本酒を作り上げている姿を見みますと、SAKEの伝道師として世界に羽ばたく日は近いと感じるのは私だけではないでしょう。
それでは皆さん、今日はこの辺で失礼します。