山口防府の日本酒『錦世界熟成純米吟醸』は風格ある酸味とキレが素晴らしい!

錦世界/熟成純米吟醸

日本酒ファンの皆さんこんにちは!

今回は、山口県防府市の唯一の酒蔵『竹内酒造場』さんが醸す『錦世界 熟成純米吟醸』を紹介します。

熟成酒と言えば、埼玉の『神亀』を最近紹介しましたが、山口県下では『金雀』『五橋』など、いずれも歴史ある酒蔵さんが造られています。

さて『錦世界 熟成純米吟醸』、一体どんな味わいなんでしょうか?

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『錦世界 熟成純米吟醸』は熟成感のある酸味とキレがある

防府平野を潤す柔らかな軟水で、スッキリとした飲み口を生む

『竹内酒造場』さんがある防府市には、中国山地を源として県中央部を貫く『佐波川』が流れています。

仕込み水は、その佐波川の伏流水を地下より汲み上げています。 温度は四季を通じて一定で、円やかな軟水は、変わらぬ水質を保っているそうです。


《原料米》山口県産米『穀良都』

《精米歩合》60%

《酵母》-

《日本酒度》- 《酸度》-

《アルコール度》17度

《造り》熟成純米吟醸酒

《お値段》720 ml  1700円  

《製造》2021年9月

酵母は『蔵付き酵母』で、昔ながらの天然蔵で伝統的な手法と槽搾りをで酒づくりをされています。

『穀良都』は幻の酒米で、堂々たる風格を感じさせる味わい

さて商品ラインをみますと、純米吟醸は山田錦に加えて、19年にラインナップされた『穀良都』で醸されています。 製造は21年9月ですので、1年前の造りでしょうか。

『穀良都』は、明治時代に山口市小鯖地区の伊藤音市さんという方が品種改良で生みだした米です。

この酒米は、昭和天皇即位の際には献穀米になった由緒ある品種でしたが、栽培の難しさもあって戦後には次第に消えていきます。

平成の時代に入り、この米の優秀さがあらためて着目され、山口と福岡で独自に復活をしています。(※農産物検査では、数量が少ないのか統計種目になっていません)

重厚さのある上質な旨味は堂々たる風格を感じる味わいで、お米の特徴である自活力が独特のコクを生み出しています。

口に含むと酸が来て白ワインの様な感じです。 色も熟成によってやや黄色がかっており、ずっしりとした飲み口で、熟成の芳醇なコク、キレが堪らないですね。

トラマサ
トラマサ

復活したかに見える『穀良都』も、倒伏性が課題でまたもや栽培が進まず。 一方倒伏性に優れる『西都の雫』が山口県下では多く栽培され、鑑評会でも金賞を受賞している

 『錦世界 熟成純米吟醸』の感想と評価
  • 熟成による酸味と旨みはワインのような味わいで食中酒に最適。 ずっしりとした飲み口で、熟成の芳醇なコク、そしてキレが堪りません。 濃厚辛口タイプ
  • 720ml  1700円は、酒米のコストを考えれば十分納得のお値段です。 
  • 総合評点 8.0  ※あくまでも私個人の感想です。

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『錦世界 熟成純米吟醸』と今夜の肴

防府の初夏のグルメは『鱧』。 残念ながら、東京ではなかなか手に入りません。 

ならばと、今夜は脂ののったカツオと三陸のホヤで、海の香り満載の肴と熟成酒の思いっきりの酸味を楽しみました。

錦世界/熟成純米吟醸とほや

『竹内酒造場』の紹介

山口県防府市は、周国の国が置かれた処。 防府の名前の由来はそこから来ています。 

そして菅原道真公が大宰府に左遷された時の最後の寄港地であり、慰霊をするために社が建立されたのが防府天満宮です。

防府天満宮

日本最古の天満宮のある天神山は元々酒垂山と呼ばれており、1000年以上前からお酒と縁のある土地柄なのです。

そんな歴史の街防府にはかって15もの酒蔵があったそうですが、今残るのは『竹内醸造場』さんのみとなりました。

酒蔵は、防府天満宮の参道まで続く旧山陽道の通りにあり、防府天満宮の御神酒も作っているそうです。

2022日本酒フェア 錦世界純米吟醸『穀良都』

さて創業は1909年(明治42年)で、先代の竹内寛氏は東京農大醸造科卒と当時は出色のキャリア。 

ユニークなのが、先代と地元の酒販店さんとのコラボ。 無農薬栽培の山田錦を酒販店さんが造り、その酒米で醸したPBブランド『周防美人』を発売しています。 

また先代はご当地カクテル『ほうふハイボール』に使う日本酒を造り、地元の飲食店でも飲むことが出来ます。 なかなかのアイデア、いや一本気ぶりが伺えます。

現在は篤子さんが経営を継がれていますが、酒造りは昔ながらの船搾りなどのやり方で丁寧な酒造りを続けているそうです。

若い世代へのバトンタッチで、県酒造組合への加盟や店頭をリニューアル。 『さとふる』でもトップテンに入るなど、販売面での好調さが見られるこの頃です。

トラマサ
トラマサ

トラマサの実家防府に、酒蔵があるのを知ったのはつい最近で、このブログを始めたころ。 その時は酒造組合にも未加盟で、最近加盟されたようだ。 

 『竹内酒造場』の概要
  • 1909年(明治42年)創業、蔵元竹内篤子氏。 長男・次男が酒造りを手伝う家族経営で、造りは150石程度と地元中心の流通。
  • 山口市徳佐や鋳銭司の篤農家と酒米を契約栽培する。『穀良都』『山田錦』や食用米の『日本晴れ』を使い、手作りによる味わいのある日本酒を醸す
  • 組合未加盟だった昔ながらの酒蔵も、加盟後は斬新な新酒ラベルへの刷新や、ANA機関紙への掲載など、若い世代の息吹が感じられる。 
  • 720mlゃ300ml瓶を揃え、2021年に店舗をリニューアル。 HP開設やSNS発信、オンライン販売も開始された。

まとめ

ふるさとで醸される『錦世界』を始めて飲んだのが、先に3年ぶりに催された2022日本酒フェア。

飲んだのは『純米吟醸/穀良都』で色浅く、味わいも当年の醸しで熟成タイプではないようでした。 しかも舌の上に載ったのは僅か一口。

1週間後果たして願いがかなったのか、わが姉上から夏野菜と共に『熟成純米吟醸』が届いたではありませんか! これでブログが書ける!!

口に含めば、ふるさとの天神山と天満宮の風景が瞼に浮かび、飲み干せば、ふるさとの味が思い出されます。 

わが姉上と故郷の地酒のありがたさが、心に沁みてきます

それでは皆さん、今回はこれで失礼します。  今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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