リッチな春の銘酒呑み比べ『而今』『花陽浴』『わかむすめ』『彩來』

『而今』と『わかむすめ』

日本酒ファンの皆様、こんにちわ!

トラマサの日本酒レビューですが、最近は新規呑みが少なくて既知の銘酒に手が伸びてしまい、なかなかレポートできていません。

ならば、今回は寿司店にリッチ&ゴージャスな銘酒を持ち込んでの、呑み比べレポートをお届けしたいと思います。

まずは、山田錦で醸した『而今 純米吟醸生』と、美山錦で醸した『花陽浴 純米大吟醸』。

続いては、双方うすにごりの『わかむすめ 十二秘色』と『彩來 花澄み』を紹介します。

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ゴージャスな甘旨味で迫る『而今』と『花陽浴』

『而今 純米吟醸生山田錦』は芳醇な香りに、奥行きのある甘旨味が溢れる

まずは、『而今 純米吟醸生山田錦』からいただきます。 

名張市は、大阪と県庁のある津市からそれぞれ約1時間の距離にあって、伊賀盆地の山々に囲まれた自然豊かな地です。

仕込み水は中軟水の、奥宇陀山地から流れてくる名張川の伏流水を使用しています。

さて而今と言えば、これまで『八反錦』『千本錦』『酒未来』『愛山』『吉川山田錦』と酒米違いで、毎年飲み継いできました。 

以前の紹介記事はこちらです。 『而今 特別純米生

このお酒の酒米は、地元伊賀産の山田錦。 大西社長の『次世代に農業の未来、田んぼの風景を残したい』との想いから、『伊賀産』の使用が増えているそうです。

トラマサ
トラマサ

三重県の令和3年日本酒製造量は全国13位ながら、15年前に比較して28%増加している。 他県に比べて純米酒比率が78%と高い。 酒米は伊賀地域で山田錦、次いで県全域で神の穂が多く生産されている

さて造りは無濾過生でうっすらと濁っており、ガス感はホンノリ。 芳醇な香りが長く鼻腔を擽り、奥行きのある甘旨味が溢れてきます。

そして酸味を織り交ぜながら、最後はキレよくスッキリ。 相変わらず抜群のバランスで、とても飲みやすいお酒です。

《原料米》伊賀産『山田錦』100%

《精米歩合》50%

《酵母》 ー

《日本酒度》+1 《酸度》1.6

《アルコール度》15.5度

《造り》 純米吟醸生(無濾過)

《お値段》1800 ml  4,180円  

《製造年月》2024年1月

《製造者》木屋正酒造(株)

熟れた果実の香りの『花陽浴』は、繊細なとろみが喉元を唸らす

続いては、埼玉県北東部にある南陽醸造さんが醸す『花陽浴 純米大吟醸美山錦』です。

羽生市は藍染めが有名な町で、当蔵も地元向けの『藍の郷』という純米酒を出しています。

言い換えれば水の豊富なところであり、利根川と荒川双方の水が混ざった軟水の伏流水を使用し、口当たりの柔らかい酒質を生んでいます。

そして『而今』と同様、『花陽浴』も山田錦、雄町、八反錦、五百万石、吟風など酒米違いの味わいを強調していますね!!

以前紹介した記事はこちらです。『花陽浴純米吟醸美山錦』 『花陽浴純米吟醸山田錦

ご存じのように南陽醸造さんのお酒を造っているのは5代目蔵元と姉さん夫婦の3人。 なので、造るお酒が少なく幻のお酒となっています。

トラマサ
トラマサ

数年前は、酒米によっては濃淳過ぎてちょっと引いてしまうところがあった。最近は、ギュッと濃縮した中にも深みが感じられる、、、 トラマサは美山錦がベストかな?

そしてこのお酒は手間のかかる伝統的な袋吊り雫酒なんです。 果実のような熟れた匂い、フレッシュ感満載の芳醇な味わいは、ますます人気に拍車がかかってきました

『美山錦おりがらみ』は純米吟醸55もありますが、この純米大吟醸48はより繊細なとろみ感があって深みのある味わいでした

《原料米》『美山錦』100%

《精米歩合》48%

《酵母》 ー

《日本酒度》ー 《酸度》ー

《アルコール度》16度

《造り》 純米大吟醸生原酒(おりがらみ)

《お値段》720 ml  2,000円  

《製造》 2023年11月 

《製造者》南陽醸造(株)

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うすにごりの『わかむすめ 十二秘色』と『彩來 花澄み』

『わかむすめ 十二秘色』はフルーティで上品な甘み

さあ、トラマサの田舎山口にある新谷醸造さんが醸す『わかむすめ 十二秘色』は、大人気だった市松模様から3年越しで復活したお酒です。

山口県最初の女性杜氏である新谷文子さんは元ナースながら、商品のネーミングやデザインがうまいですね。

この『秘色』とは青磁の肌の色のような浅い緑色のことで、十二単のかさねの色目から名付けられています。 

以前紹介した記事はこちらです。『わかむすめ牡丹

さて酒米は地元徳地町の農家さんが作る山田錦。 そして新谷酒造さんの搾りは伝統的な槽搾りなので、柔らかくまろやかな味わいに仕上がります。

爽やかな香りがふわりと立ち、にごりを伴ったジューシーな旨味に綺麗な酸味、絶妙なバランスの心地良い味わいが優しく広がります

トラマサ
トラマサ

ほとんど手作業で小仕込みの丁寧な造り、、 令和3、4年度山口県新酒鑑評会で連続最優秀賞(1位)と、四季醸造の造りは磨きがかかってきた!!

《原料米》『山田錦』100%

《精米歩合》60%

《酵母》 ー

《日本酒度》ー 《酸度》ー

《アルコール度》15.5度

《造り》純米吟醸無濾過生原酒 うすにごり

《お値段》720 ml  2,360円  

《製造》2024年4月

《製造者》新谷酒造(株)

『彩來 花澄み』は透明感のある綺麗な口当たり

埼玉県は上尾市の駅前にある『北西酒造』の5代目蔵元北西隆一郎さんは、元証券マン。 入社前に、新潟の酒蔵や広島の酒類総合研究所で研修して様々なノウハウを学びました。

そして『彩來 sara』のブランド立ち上げでは、従来の日本酒の軸である『甘み』と『香味』に加えて『酸』を加味し、立体的な味わいを目指したそうです。

特に造りの段階では、麹室の内部はステンレス製として、蓋麴法で良質な麹を作っています。 また酵母は、多酸系酵母と酢イソ系酵母がブレンドされています

そんな造りが果汁のような甘みを生み、うすにごりならではの躍動感やガス感を伴いながら酸味の効いたキレよい仕上がりは、お値段を相当上回っています

トラマサ
トラマサ

酒米は不明だけど、気品のある香りに透明感のある綺麗な口当たりで、お米の旨味と酸味のバランスがよくて、食中酒にピッタリだね。 IWC2019で大吟醸がトロフィー受賞しており納得!

《原料米》非公開

《精米歩合》55%

《酵母》 ー

《日本酒度》ー 《酸度》ー

《アルコール度》16度

《造り》特別純米無濾過生原酒 うすにごり

《お値段》720 ml  1,485円  

《製造》2024年2月

《製造者》北西酒造(株)

まとめ

今回紹介したお酒のラベルを調べれば、すべて無濾過生酒です。 而今のみ原酒ではありません。

最近の情報を織り交ぜながら紹介してきましたが、それぞれに特徴があり、その味わいは甲乙つけがたしと言ったところでしょうか?

酒味の判定や好みは皆さんにお任せして、今回は以下の点に注目してみました。 

まず『入手し易さ』については人気と供給量の綱引きとなりますが、 彩來>而今>わかむすめ>花陽浴 でしょうか。

また『コスパ』(720㎖換算/直営店価格)では、 酒米コストや精米歩合などから 彩來>而今>花陽浴>わかむすめ でした。

と言うことで、今回のトラマサの一押しは『彩來』! いつまでも親しまれるお酒でありたいですね。

トラマサなりに特徴を纏めてみましたが、ご参考になれば幸いです。 今回も最後までお読みいただき有難うございます。

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