日本酒の基本:しぼりたて、おりがらみ、にごり酒ってどう違うの!

2020しぼりたて

日本酒フアンの皆さん こんにちわ!

日本酒の四季。 ようやく朝冷えとなり、まずは冬酒としてフレッシュな『しぼり立て』が酒販店に所狭しと並んでいる状況なのでは。 

そんな訳で、今日は皆さんに美味しい『しぼりたて』や『おりがらみ』などのお酒を買う際の基礎知識として、その意味と造りについて紹介します。

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新酒の『しぼりたて』ってどんな意味?

『しぼりたて』や『初しぼり』も新酒なんだけど意味はチョットだけ違う

皆さん、『しぼりたて』の意味って解りますか? 何となくイメージされていると思いますが。

『しぼりたて』とは、出来立ての新酒を貯蔵をせずに、絞ってすぐに出荷された日本酒です。

一方『初しぼり』は、秋に収穫されたお米を初めて仕込んで、初めて絞った日本酒の事を言います。

何方も新酒なんですが、前者はフレッシュさを強調し、後者は希少性を訴えた呼び方なのでしょうか。 『初しぼり』を使えるのは初回のみ、『しぼりたて』は2月頃まで使えそうですね。

それから酒蔵さんによっては、単に『新酒』だけとか、製造年月のみで何も表示しなかったりとしています。 

ですから新酒のフレッシュさを味わうには、『製造年月』『無濾過』『生』『原酒』の違いにも注意して、ラベル表示をよく確認してみましょう。

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『あらばしり』や『直汲み』などもよく理解して購入しましょう!

一方で、『搾り』の仕方で区分けした呼び名があります。

醪を絞りますと、お酒(清酒)と酒粕に分離されますね。 

その最初に出てくるのが『あらばしり』、続いて中ほどが『中取り(中汲み、中垂れ)』、そして最後に圧力をかけて『責め』が搾られます

また『垂れ口』や『ふなくち』などは搾り口の箇所を表したもので、よりフレッシュ感を強調したいネーミングです。

それから、『直汲み』『槽場汲み』と呼ばれているお酒は、搾りたてのお酒をその場で瓶に詰めたものです。

出来る限り空気に触れさせないために、手間暇かけてその場で瓶に詰める製法・工程なので、『垂れ口』同様フレッシュ感を強調したお酒と言えます。

『斗壜取り』『袋吊り』ってどんな意味?

『斗壜取り』とは一般的に酒袋に醪を入れて吊るされ、醪そのものの重みによって事前と滴り落ちるお酒を大きなガラスの『斗壜』に集める方法です。

その特徴は、斗壜ごとに少しずつ異なる酒質となること、つまり特に美味しいところだけを取り分けることができるんです。

ただしこの方法でとれるお酒は少量のため、高級酒や鑑評酒に用いられことが多くなります

『斗壜囲い』『袋吊り』『吊るし酒』『雫酒』『雫取り』などは同義語となりますので、これらのラベルのお酒には要注目ですね!

上槽・搾りの方法は『ヤブタ』と『槽』が主流

さて、ここで『上槽』の方法について整理してみましょう。

上槽は、主に次の4つの方法で行われています。

1. 『薮田式濾過圧縮機(通称:ヤブタ)』という機械を使う方法で、搾るタイミングでの味の違いを少なく、安定した酒質が得られます。

2. 『佐瀬式圧縮濾過機(通称:槽)』という伝統的な搾り機を使う方法で、丁寧に時間をかけて搾るため、お酒の特徴がよく出たり、搾ったタイミングによって『荒走り』『中取り』『責め』などと味わいが変わってきます。

3. 『遠心分離機』を使う方法で、密閉されるので香りが飛びにくく、高価な機械なのでそのコストが掛かり、販売価格を押し上げます。

4. 『酒袋の吊るし』は文字通り酒袋に醪を入れて吊るす方法で、華やかな繊細な味わいが得られます。

『おりがらみ』や『にごり酒』ってどんなお酒?

そして、醪を搾った後の工程は『澱引き』『濾過』『火入れ』となりますが、ここでも色々な名称が使われています。

まず『澱引き』とは、搾ったお酒を数日静置することで滓をタンクの底に沈め、その上澄みだけを他のタンクや瓶に詰める工程です。

『おりがらみ』『かすみ酒』とは、この『澱引き』をしないお酒のこと。 細かい米の破片や酵母などが含まれて、旨味成分もたくさんあります。

またこのお酒は『どぶろく』『にごり酒』に比べるとスッキリし、炭酸なども残りますので濃厚なな香りや旨みとピチピチした泡のフレッシュ感が楽しめます。

一方『にごり酒』とは、醪を濾過する際に粗い布などで濾すことで、あえて澱を残したお酒です。

生きたままの酵母を残して瓶内で発酵させる『活性にごり』や、加熱処理で酵母の働きを止めた『火入れ』タイプもあります。

さらには白濁の度合いが少ない『うすにごり』『ささにごり』もあり、こちらは初心者向けとなります。

さてここで、醪の搾りとお酒の分類を整理しておきましょう。 なお『どぶろく』は酒税法上の清酒ではなく、その他の醸造酒となります。

『無濾過』の意味や使われ方にも注意しましょう!

次に工程の『濾過』は、さらに残っている細かい粒子や雑味の成分、お酒の劣化の原因となる物質などを取り除くための作業です。

その方法には、珪藻土やフィルター等を通して滓を取り除く『素濾過』と、お酒に活性炭を入れて色や香りを吸着させる『炭素濾過』があります。

一方『無濾過』とは、文字通り『濾過』をしないことなのですが、最近は『素濾過』のお酒を『無濾過』と呼んでいることが多いそうです。

トラマサ
トラマサ

全く濾過しないことを『完全無濾過』っていうらしいけど、見たことないね。 無濾過+原酒(又は無加水)+生(又は火入れ)っていうパターンが多いけど、裏書をよく読まないと勘違いしそうだね・・・

まとめ

『しぼりたて』『あらばしり』などは、新酒シーズンの晩秋から2月頃までの時期に出荷される特別なお酒です。 ですから新鮮なうちに早めに飲みましょう。

また最近はお花見に合わせて、春先に『にごり酒』が多いように感じますね。

最後に今回のおさらいで表にまとめましたので購入の際に参考になさって下さい。

キーワード   意  味
しぼりたてもろみをしぼった後、火入れ無し、無加水のまま瓶詰めしたお酒。できたてのフレッシュな味が楽しめます。
あらばしりモロミを搾る際最初に出てくる液体を「あらばしり」と呼びます。 おり(浮遊物)が混じっており、香りが強く、やや荒っぽさを残しながらもピリッと濃厚な味わいが楽しめます。
無濾過生原酒搾った後で、濾過や加水や火入れといった通常行われる工程を行っていないお酒です。このまま貯蔵したりすることもあります。濾過をしていないので、お酒本来の香味をダイレクトに感じる事ができます。
おりがらみ搾ったお酒を濾過したあと細かい浮遊物を沈殿させる『おりびき』を敢えてしないで、沈殿物を混ぜて商品化したものです。コクのある味わいを楽しめ、若干の微発泡感があります。
活性にごり火入れをせず、酵母が生きたままの状態で瓶詰めしたにごり酒を「活性にごり酒」といい、酵母が瓶内に生きたまま詰められているため、その発酵による発泡感がたのしめるのが特徴です。
  

それでは皆さん、今回はこれで失礼します。 最後までご覧いただきありがとうございました。

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