皆さん、こんにちわ!
今回は、新潟県の『Tkachiyo 純米吟醸 一本〆』を紹介します。
高千代酒造さんと言えば、雪深い新潟県魚沼にある酒蔵さん、日本百名山の一つである巻機山の麓に蔵を構えます。
それでは早速ご紹介しましょう。 新潟県の『Tkachiyo 純米吟醸 一本〆』はどんな味わいなのでしょうか?
『Takachiyo 純米吟醸 一本〆』は扁平精米により、上質でスッキリした旨口の仕上がり
フルーティーで質感の高い香りで、口に含めば透明感のある米の旨みが程よい
高千代酒造さんは、『一本〆』という、1993年に新潟の奨励品種となった酒米を多く使用しています。 このお米は『五百万石』を母に、『豊盃』を父として育成され品種です。
その性質は『五百万石』の端麗辛口な味わいとは違って、米の旨みが強く出るお酒に仕上がるそうで、純米酒造りに適したお米だとか。
米に力があるのでしょうか? 実は冷蔵庫内で蓋が取れてしまい空気に晒してしまったのですが、瓶内の生酒の力で、翌日には力強く酒質が戻ったのには驚きでした。
さて味わいですが、新酒らしい爽やかな果実の香りで、口に含めば透明感のある米の旨みが程よく膨らみます。
ひらかなシリーズの『たかちよ』の濃淳甘口と違って、こちらは『やや甘口』ですね。 そしてスッと心地よくキレていきます。 盃がスイスイと進んでしまいますね。
《原料米》新潟県産一本〆100%
《精米歩合》59%(扁平精米)
《酵母》協会1801号
《日本酒度》不明 《酸度》不明
《アルコール度》16度、生酒
《お値段》1800 ml 3080円308(税込)
《製造年月》2020年11月
また使用される酒米は、自家栽培米か、信頼のおける契約農家の栽培米に限定され、より安心安全な酒造りに取り組まれています。
仕込み水は100年の歳月をかけた巻機山からの伏流水、蔵の井戸から湧き出る水は極軟水の名水なんだそうです。
実は、この仕込み水と原種管理を押し付けられた『一本〆』との相性がよくて、米の旨みがよく出る酒に仕上がり、平成21年、22年と連続で全国新酒鑑評会金賞を受賞しています。
俺は、社長さんは偉いと思う。 ものすごい開発期間とお金を掛けた、ある意味失敗作を拾ってあげたんだと思うよ。他はもう扱ってないんだから。 でも、それが隠れたダイヤモンドだってこと、誰もが解って無かったのかな?
扁平精米により、大吟醸に見まがうほどの滑らかで綺麗な味わい
そして、高千代酒造さんの特長である酒米『一本〆』とのこだわりは、自社精米に向かいます。
まずは、精米を丁寧に行う為に、削る時間を一番遅く設定。 さらに精米量を機械の最大容量にまで入れるのではなく、余裕を持った分量で精米しているそうです。
また『一本〆』の特性から、扁平精米(等圧+扁平精米)を導入されています。 これにより、純米吟醸が純米大吟醸なみのすっきりした味わいになるんですね。
『扁平精米』は、コメの長軸の両脇に多くついているタンパク質を、より効率的に除去できるんだね。 60パーセントのコメでも、タンパク質の量が従来の40パーセントと同等なんだって! 『新政』や『大七』『冨久長』なども導入しているね。
新潟の日本酒『Takachiyo 純米吟醸 一本〆』と今夜の肴
魚沼の天井、巻機山にはもう雪が積もっているのでしょうか? 去年は雪が少なくて、2月になってやっと積雪。 酒米の出来はどうだったでしょうか?
もっとも今年はコロナ禍の影響で、全国で2割近い酒米の需要減退が見込まれていますが、契約農家さんの事業継続性が心配になります。
そんなことを心配しながらの今夜は、久しぶりに『舞茸』で楽しみます。 そうそう、新潟は雪国舞茸の発祥の地でしたね!
高千代酒造の紹介
『高千代酒造』さんのお酒の特徴と言えばズバリ『濃淳甘口』。 従来の新潟の淡麗辛口ではなく、芳醇で旨みがいっぱいに詰まった味わいなので、注目を浴びるのも当然です。
そして同じ高千代でも3つのラインがあり、また酒米ごとに『オリ』の量を微妙に変化させるなど多彩なので、自分の好みを探してみる楽しみがありますね。
又英文字の『Takachiyo』のラインは酒米違いで10種類あり、愛山、雄町や美山錦、森のくまさんや華吹雪などで醸されていますから、追っかけしてみるのもいいでしょう。
とにかく酔う前に頭がぐちゃぐちゃになりそうですが、まずは下記を参考にして飲み比べてみて下さい。
ライン | 造りの特徴 |
『高千代』 | 「高千代」は、新潟県産米と、近隣5県の米を使用して造られます。地元で愛さている銘柄で、柔らかい旨みを持ちます。 |
『たかちよ』 | 酸度やアミノ酸度、原料米、日本酒度などの固定概念に縛られることなく、自由に味わおうことに重きをおいたシリーズ。原料などはすべて非公開ですが、「果実」のようなジューシーかつ濃醇な味わいで、開栓後も味の変化が楽しめます。 |
『Takachiyo』 | H26BYから発売され、精米歩合を扁平精米59%で統一、酵母は協会1801で醸す無調整生原酒のシリーズです。毎月違った酒米で醸され、フルーティーながらも食に合う酒質を目指して造られています。 |
まとめ
越後新潟の酒は『淡麗辛口』。 最近の酒コンテストは色々ありますが、総じて新潟のお酒は審査員の受けが悪いのか、蔵の数に比して入賞数が少ないように感じています。
でも、最近は『Takachiyo』のお酒のように甘口のお酒も見受けられ、ようやく地元から全国へ、そして海外を見据えて、酒質やボトルデザインをリメークしつつあるように思います。
最近多い『英文字』表記。 このお酒は国内流通の生原酒シリーズなのに一目で判別しずらいですね。 それに『2021』はちょっと違うのでは? 製造年月とも違うし....
単なるオシャレなジャケ買い狙いなのか、ちょっと疑問です。 別ブランドを立ち上げて整理した方がいいのかもね。
それでは皆さん、今回はこれで失礼します。