日本酒ファンの皆さん、こんにちわ!
まだコロナも完全に収束していない状況ですが、ようやく移動解除になってきましたね。
さて、今日は私の故郷山口県の地酒を紹介します。 山口県にはあの有名な獺祭がありますね。 他にも東洋美人、貴、五橋、雁木など銘酒揃いなんですが、『金雀』をご存知でしょうか?
その『金雀』、初夏になってようやく火入れ酒シリーズが店頭に並びました。
それでは早速ご紹介しましょう。 山口県の『金雀』どんな味わいなのでしょうか?
『金雀 伝承山廃造』は上品な香りと芳醇な旨みのある味わい!
《原料米》国産米
《精米歩合》表示なし
《日本酒度・酸度》表示なし
《アルコール度》 16度
《値段》 1800m l 3630円(税込)
特長 『金雀』火入れシリーズは円やかで芳醇な旨み
IWC審査での『金雀』純米大吟醸は「きれいでジューシー。フルーツのような華やかさがあり酸味とキレの均整がとれている」と言われたように、この『金雀』純米吟醸クラスもバランスのいい上品さを纏っています。
この金雀、昔ながらの生酛づくりの技術に長けているのか熟成酒のような深い味わいが際立ち、そこにまろやかさが加わるというお酒です。
金雀の火入れは3種類ありますが、1日目は爽やかなフルーツの香りと少しの微炭酸があり、2日目以降も尚上品な香りを保ち、芳醇な旨みとのバランスが抜群でとても美味しく呑めます。
以下の表は金雀の作り別酒質の感想です。
ラベル銘 | 酒質コメント |
---|---|
金雀純米吟醸50 | 生酒に近いフレッシュな香りとまろやかな旨み |
金雀秘伝隠生酛 | 若干の微炭酸があり、のど越しよい仕上がり |
金雀伝承山廃造 | より熟成酒のような深い味わいが際立ちます |
金雀はみんな美味しく飲めますが、金雀伝承山廃造が一番気に入ったかな。他では味わえないワインのような深い味わいですね!
『金雀 純米吟醸しぼりたて生』は瑞々しい香りとジューシーな吞み口
《原料米》国産米
《精米歩合》55%
《日本酒度・酸度》表示なし
《アルコール度》 16度
《値段》 1800m l 3630円(税込)
特長 金雀生酒は瑞々しい香り微炭酸のプチプチが心地いい
2020年春コロナ騒動の中、桜を愛でながら家飲みで『金雀 純米吟醸しぼりたて生』を頂きました。 あまりに旨いので、2週連続で2本も飲んでしまいました。
『金雀 純米吟醸しぼりたて生』は開栓後の香りは瑞々しいです。 スーとした果実の香りは上質そのものです。 軽やかな酸味と甘みがまさに濃淳さを纏いつつもさっと引けていきます。
口に含みますと、軽く微炭酸がプチプチと舌をくすぐります。
酒米は非表示ですが、地元産の山田錦なのでしょうか。 香りが際立ってます。 麹米と掛米の組み合わせや造りなど色々変えているのでしょうか。
『金雀秋上がり』は、こちらの記事で紹介しています。
『金雀』と今夜の肴
金雀を呑む今夜の肴は、『くちぼそカレイの唐揚げ』です。
本当はアユの塩焼きかなんかにしたかったのですが、まだ手に入りません。 私が高校時代まで育った山口県では、春は鯛にメバル、夏は鱚にクロダイ、秋は鯵、冬は鰤。
そんなお魚の中で、カレイはいつの季節も塩焼きや煮付けで頂いていました。 白身魚の料理は、香り高いお酒によく合いますね。
堀江酒場の紹介
金雀を醸す堀江酒場さんは、日本有数の清流錦川をのぼっていった山口県岩国市錦町にあります。 岩国駅からローカル鉄道の錦川清流線にのって約1時間近く川沿いを走り、終点駅の近くにあります。
すぐそばには銘水百選に選ばれている良質で豊富な水源があり、中国山地の1000メートル級の山々に囲まれたこの地は盆地特有の昼夜の寒暖差が大きな場所。
酒米づくり、酒造りには最適な土地なんですね。
ここまで書くと、何だ金雀はそんな山奥で醸されているのかと思われる読者も多いでしょう。 電車にコトコト揺られていくと、誰もが本当にそう思ってしまいます。
でも違うんです! 失礼ながら山口県の秘境から、世界の酒コンテスト「IWC」で2017、2018年の純米大吟醸のトロフィー(世界一)を授かる美酒を醸し出した実力のある酒蔵さんなんです。
もちろん全国新酒鑑評会でも毎年のように金賞を受賞されているんです。
銘柄は「清流錦川(金賞受賞酒:大吟醸)」「堀仙江輪(自家熟成タイプ)」「黒まいん(古代米微発砲酒)」、そしてメインブランドである「金雀」となっています。 様々な種類の日本酒を醸されていますね。
さらに驚くことがあります。 堀江酒場の若き杜氏堀江計全(かずまさ)さんは東京農大卒、大学時代から熟成酒の研究をしてきたそうです。
2016年に地縁の企業と共同開発した『夢雀』という長期熟成酒を、なんと750ミリリットルで8万8,000円という超高額な値段で世に送り出したのです。
ドバイのホテルではなんと60万円、香港では20万円の値が付きビンテージ分を除いて実際に売り切っているそうです。 日本でも熟成を重ねる年度ごとに金額が高くなっています。
ワインのように年を経るごとにうま味が増すように仕込んだ日本酒は、黒龍酒造の蔵元さんも目指されている道。 よく見ると道理でラベルには英語表記があるではありませんか。 参りました!
まとめ
世界が認めた『金雀』も、少量生産ゆえに日本での知名度、人気はまだこれから。 はたして超高級酒路線で走りだした山口の維新力パワーが炸裂することになるのでしょうか。
また共同開発のパートナーの方も波瀾万丈、長州の女傑といいますかイケイケマーケッターと見えますが、実像は天然アユか?。
詳しい紹介は他に多くありますので譲りますが、佳い日本酒にはサイドストーリーが必ずあり、呑み人の味わいを濃くしてくれますね。
清流錦川の山奥に、まさか近隣にあるような高層階建ての酒蔵が建つとは直ぐには考えられませんが、作り手の技と真心をいつまでも大事にして欲しいですね。
田圃の水面に映る青々とした山々、そして大事に手植えされた稲穂がこれからどれだけ成長するのか、秋がそしてこれからがとても楽しみです。
『夢は 今もめぐりて 忘れがたき 故郷』・・・
それでは皆さん、今日はこれで失礼します。