美味しすぎてセレクトに悩む山口県の日本酒、おすすめ8選!

皆さんこんにちは!

さあいよいよ『都道府県別のおすすめ日本酒』シリーズを執筆しますよ。 『日本酒レビュー』シリーズは飲みながらの感想評価なので、記事を起こすのに時間がかかりますよね。

そこでこれまで飲んできた日本酒を各県ごとに紹介し、トラマサが選ぶおすすめの日本酒を紹介していきます。 

基本は5~8つで、甲乙つけがたき時は次点候補も書いていきますので、お手柔らかにお願いします。

このシリーズは ①各県の水系や酒米などからの酒質の特長 ②主要な酒蔵と銘柄の紹介 ③郷土食と名産品 ④トラマサが選ぶおすすめ日本酒 の構成で進めてまいります。

第1回目は山口県。 なぜかって? 私の故郷なので敬意を表しての幕開けです。

スポンサーリンク

三方が海、地味豊かな風土が育てる山口県の日本酒

瀬戸内海、内陸、日本海地域に分かれ、水系で酒質が変わる

本州の最西端に位置する山口県は、三方を海に囲まれ中心を中国山地が東西に伸びています。

県内の地域は大きく分けると、島根・広島両県から西へのびてきた西中国山地、岩国から徳山にかけての後背地の周南丘陵、秋吉台を中心とする長門山地・丘陵に分けられます。

西中国山地の山間部は標高1000mを超え、そこから南に清流錦川が流れています。 岩国市は軟水系のおいしい水質で、日本酒造りに最適な土地といえます。 周南市あたりにかけての水も軟水系です。

北部方面には長門峡をへて萩に下る阿武川が、また中央部には佐波川が流れています。 

一方県の中央部には日本最大のカルスト台地(石灰岩でできた台地)が広がり、その湧水群の清水は宇部の厚東川へ下っています。 

この地区の水はカルシウムなどのミネラルを含む「中硬水」で、辛口の酒となっています。

山口県の日本酒の酒質は、これらの水系から様々な味わいの日本酒が生まれていますが、『淡麗旨口』系のお酒と昔ながらの『濃淳甘口系』が混在しています。

山口県の酒米は山田錦が主力、注目の『白鶴錦』も栽培

山口県の気候は、中央から東部にかけては瀬戸内海式気候に属し温暖な気候です。 一方、西北部の日本海側から内陸部の山間地では日本海側気候が混じります。 

中山間地の寒暖差の大きい地域の田圃は優良な酒米栽培に適しています。

一方山口県オリジナル酒米品種である「西都の雫」は、主に長門丘陵辺りで栽培されています。 

「西都の雫」は幻の米「穀良都(こくりょうみやこ)」を母方に「西海222号(親:山田錦)」を父方に交配・選抜して生まれたものです。 

また、白鶴酒造さんが心血を注いで開発した山田錦の兄弟米「白鶴錦」が県内で契約栽培されています。 

山口県の令和2年度酒米生産量は1,805トンであり、前年の2,564トンから−29.6%と大幅に減少しています。 

特に主力の『山田錦』は全国第3位の生産量を誇っているものの、1,558トンと前年比−33.3%の大幅な減少となっています。

全国生産量の前年対比はー15%なので、山口県は主力の山田錦の減産の影響がおおきく響いていますね。

これも、コロナ禍の影響による酒類提供禁止の影響であり、酒造業ともども酒米農家に大きな打撃を与えています。

酒米 生産量 シェアー 特上特等 1~3級  規格外 
山田錦   1,55886.3%8.486.05.6
西都の雫20511.4%080.719.3
白鶴錦392.2%0100.00
その他30.2%87.013.0
合計1,805100%7.385.77.0
山口県の酒米生産2020:農水省「米穀の農産物検査結果」より抜粋
スポンサーリンク

山口県の酒蔵と銘柄の紹介

山口県の日本酒出荷の状況

山口県酒造組合がまとめた2019酒造年度(19年7月~20年6月)の日本酒出荷量は、前年度比78.4%の671万8582リットルにとどまり、12年連続で伸び続けた記録もストップとなりました。 

消費税が10%に増税された昨年10月に前年比68.9%となり、その後も前年よりやや少ない状態が続き、そこへ新型コロナ感染が追い打ちをかけ国内出荷、海外出荷とも大幅減少となりました。

山口県の酒蔵と主要銘柄の特徴

山口県の酒蔵は24、酒造組合未加盟の蔵が3つあります。(2020/7調べ) 

個性豊かな酒蔵が多いのですが、首都圏や関西圏でも購入できるお気に入りの酒蔵の概要とその代表銘柄の酒質を紹介します。

No所在地 蔵元名  主要銘柄
  酒 質          
岩国市堀江酒場金雀香り高く淡麗な現代の酒造りに、奥深い古法の酒造りが味を引きだされています。
岩国市酒井酒造五橋軟水仕込み特有のソフトで香り高い酒質を特徴。
岩国市八百新酒造雁木ラインナップは純米酒のみ。気品ある穏やかな香り、しなやかで風格ある味わい。
岩国市旭酒造獺祭出荷量の全てが精白50%以下の純米大吟醸で、すっきりとした淡麗なうまくちで、華やかな香気を帯びている。
周南市山縣本店毛利公柔らかな水を使い、透きとおる華やかな香り、繊細な味わい
周南市中島屋酒造場カネ中きもとに起因する香り、味わいが個性豊かで、旨みとふくらみのある酸味と腰の強さが特徴
周南市はつもみぢ原田甘い香りのするやわらかい口当たりで、女性にお勧め
萩市澄川酒造場東洋美人山田錦に由来する程よい米の旨味を感じさせ、尚かつ上品で透明感も感じさせます。バランス絶妙。
萩市岡崎酒造場長門峡水質に恵まれ、米の旨みを十分に飲み飽きのこない良質なお酒を目指すしてます。
10宇部市永山本家酒造場冬は酒造り、夏は米作りと一貫造りを行う。優しい米の味と体にスッと入っていくやさしい消え方が特徴です。
11美祢市大嶺酒造Ohmine Junmai Daiginjo2010年に50年以上休眠状態だった蔵を復活。湧水仕込み、白桃の様な芳醇な香りの中に、お米の艶やかな甘みが一筋の線を引く様な味わい。
12小野田市永山酒造山猿地域の自慢の種の創造を目指します。圧倒的な存在感と独特の味を持ちながらキレが抜群に良い。
13下関市長州酒蔵天美口に含んでからのフレッシュな酸味と甘旨味が増し、余韻が素晴らしい。
14山口市新谷酒造わかむすめ全量を純米、原酒とする酒造り。上品な華やかさ、味わい深さがありつつもきれいでキレの良い酒。

山口県の美味しいご当地グルメとお土産

山口県の美味しいご当地グルメはこれ!

山口県は三方向が海に面しているので海の食材、つまり魚介に関する特産品や絶品料理が多いですね。 そんな訳で、山口県の日本酒にあうのはやっぱり海の食材ですね!

ベスト1下関のフグ 

下関はフグの集積地。 唐津市場でお得に食べるのもいいでしょう。下関でなくとも、県内ならどこのホテル・旅館でも食事の選択ができます。 ひれ酒は堪りませんよ!

俵山温泉 リーズナブルなフグ料理(1人前他に鍋あり)
ベスト2防府の鱧

西中国山地や国東半島から流れ出る川の養分が集まる周防灘。 そこは天然鱧(はも)の好漁場、防府市は全国屈指の水揚げを誇ります。夏が旬です。

ベスト3萩・仙崎のイカ

最近は水揚げが少なくなっているイカですが、剣先イカがお勧めです。「須佐男命いか」が有名ですね。仙崎や角島あたりのイカも大変美味しいですよ。 

長門油谷の活きイカ料理(2人前、日帰り温泉)

山口県の美味しいお土産は『蒲鉾』 電車や飛行機でパクパク 追加で『フグひれ』!

山口県のお土産と言えば『蒲鉾』で決まりでしょう。 産地には萩、長門、防府、宇部があります。 

萩長門のお買い物なら、萩の焼抜きかまぼこ「村四朗」。 瀬戸内側では、防府の『岡虎の竹輪』がいいですね。 

おすすめの地酒ともども求めておけば、直ぐに始められますしね。 オッと、もう始めますか? 電車や飛行機に乗り遅れないようにご注意を!

そうそう、もう一つ追加しておきましょう。 駅や空港でも売っている『フグひれ』は帰ってからのお楽しみなので、友人や上司のお土産にピッタリですね!

岡虎 ちくわ

トラマサが選ぶ山口県の日本酒ベスト8は『獺祭』『五橋』『金雀』『東洋美人』『貴』『雁木』『天美』『わかむすめ』

山口県の酒都は岩国なり? いや宇部、萩も侮れない

さあお待たせしました。 山口県の日本酒ベスト8は次のとおり、お勧め理由も合わせて紹介します。

獺祭

もはや説明なくとも日本の地酒メーカートップ、輸出でNO1。 国内では直営店の展開により、国内及び訪日観光客向けの情報発信を展開する一方で、米国ではNY州で醸造を開始。 精米技術や搾りの技術研鑽など酒造りにも油断がありません。 昔は負け組とうそぶく蔵元の経営方針は、今や他社のベンチマーク。

東洋美人

プーチンさんに阿部首相が地元で振舞った綺麗な日本酒、甘口とも辛口とも言えない全体のバランスが絶妙。 香り高く上品なのに後味もスッキリで、「東洋美人」は初心者に最もおすすめです。

金雀

ようやく知名度もあがり、酒質が評価されてきた。 2016,17のIWC純米大吟醸部門・金賞トロフィーを連続受賞。 ドバイの高級ホテルでは60万円のSAKEを売り切る実力があります。

日本酒レビュー:山口の秘蔵酒から世界に飛び出した『金雀』!

五橋

山口県の代表銘柄も、ようやく目覚めたかのように『Five』では様々な酒にチャレンジ。 生酛・木桶づくりは新政も取り入れている温故知新の手練れ。 丁寧な王道の酒造りで生まれるお酒は秀逸です。

日本酒レビュー:『五(five)イエロー』は濃淳なお米の旨みとスッキリした酸味

ワインの製造・商品管理の手法をお手本に、ドメーヌ蔵を目指す。「世界を見据え、地に根差し個を磨く」をブランドコンセプトに、日本酒の価値や美味しさ、背景にある文化を伝えることを目指しています。 まさに『お酒は食中酒』のお手本。

雁木

最近は山口県のJRや空港のターミナルに獺祭などと同列で並べられており、知名度も向上。 ANAの国際線でも機内販売され、ブランドが確立。 旨みたっぷりも上品でお淑やかな城下町の良酒です。

女性杜氏が4人もいる山口は、丁寧な仕込で綺麗な旨みを引き出している

最近山口には、4人の女性杜氏がいるとか。 人材不足、後継者問題などがからんでいるのでしょうか。

確かに昔の蔵の仕事は設備の不足もあり、深夜仕事や力仕事に女性は不向きということがありました。 でも今は、小仕込み、冷蔵設備、四季醸造などによって解消されつつありますね。

女性ならではの緻密な酒質設計、造りの精緻な管理、ラベルデザインなど長所は沢山ありますね! そんなポイントから次のお酒をおすすめします!

天美

事業承継でできた女性杜氏が醸す新蔵。 甘味と酸味のバランスのよい、キレのいいお酒。 アルコールを感じさせない寄り添う味わいが特徴です。

山口の新蔵『天美』は設備も新しければ、味わいもラベルもお洒落でスマート

わかむすめ

ご夫婦2人で醸す、小仕込みの純米酒・無濾過原酒は海外コンテストで上位入賞を果たしています。 味わいは濃淳旨口で香り華やか、旨味とキレ、甘味と酸味のバランスがいいのが特徴です。 こちらの蔵も女性杜氏、酒質に劣らずお洒落なデザインが人気です。

夫婦二人で醸す山口の日本酒『わかむすめ牡丹』はふくよかで上品な味わい

何故か日本酒ではなくて、『酒蔵評価』みたいになってますね。 『酒質評価』は上の銘柄紹介を参照してください。 なんたって日本酒は『水』『米』そして『人(技術)』で出来てますからね・・・

まとめ

いやはや、『故郷は遠きにありて思うもの』とは昔のこと。 今や近くの酒販店には先にあげた山口県の日本酒がずらりと並んでいます。 『故郷は近くにありて呑むもの』・・・? 

やっぱり、恋人と日本酒は遠くにあった方がいいのかもね。

え? なぜかって。 その心は、べったりになります。

それでは皆さん、今日はこの辺で失礼します。

タイトルとURLをコピーしました