皆さん こんにちわ!
前回は『しぼりたて』『おりがらみ』など、この時期に並ぶお酒の名称の意味を解説しました。
そこで今回は、トラマサが飲んで美味しかった冬限定のフレッシュ感満載のお酒を紹介します。
銘柄によっては『初しぼり』が終わり、2番手・3番手の搾りがお店に並んでいるかも知れませんが、それでも美味しさは変わりませんので、迷わず買いです。
『しぼりたて』とか『初しぼり』って、どんな意味?
『しぼりたて』とは、出来立ての新酒を貯蔵をせずに、絞ってすぐに出荷されたお酒のこと。
一方『初しぼり』は、秋に収穫されたお米を初めて仕込んで、初めて絞った日本酒の事を言います。
また、搾り工程で最初に出てくるのが『あらばしり』、続いて中ほどが『中取り(中汲み、中垂れ)』などと表示されます。
上槽、濾過の工程の違いで様々なお酒が造られますが、詳しい説明は以下の記事を参照ください。
冬限定のフレッシュ感満載の『しぼりたて』ベスト12はこれ!
さあ皆さん、お待たせしました。 トラマサがおすすめする冬限定の『しぼりたて』ベスト12は以下の銘柄です。
しぼりたてのフレッシュ感を味わうのなら、無濾過生原酒タイプ!
まずは、『しぼりたて』ならではの、フレッシュ感のあるお酒から紹介しましょう。
酒蔵の槽口から、こんこんと流れる本醸造のうすにごり新酒を生のまま瓶詰したお酒です。 開栓時は甘口の新鮮な味わいですが、徐々に辛みがでて変化を楽しめます。 この後『純吟垂れ口』が出ます。
■原料米:五百万石 ■精米歩合:65% ■アル度数:18度 ■本醸造:薄濁り生原酒
美山錦らしいシャープな味わいと、発酵由来の微炭酸が仄かに感じられるます。 味わいは米の旨みが感じられ、やや甘口のお酒です。 1月は出羽燦燦、2月は山田錦で発売されます。
■原料米:美山錦 ■精米歩合:50% ■アル度数:16度 ■純米大吟醸 ■酵母:K601
爽やかな果実の香り、透明感のある米の旨みが程よく膨らみ、そして心地よくキレます。扁平精米59%で大吟醸並みのやや甘の酒質で、毎月酒米違いで10種類が発売されます。
■原料米:一本〆 ■精米歩合:59% ■アル度数:16度 ■純米吟醸 ■酵母:協会1801号
とても飲みやすく、フレッシュな香りと深い味わいの低アルコール酒はこれ!
続いては、お酒初心者や女性にもおすすめの低アルコールのお酒です。 低アルコールと言っても13~14度の原酒ですから、フレッシュな香りと深い味わいは失われていません。
低アルコール酒は技術的にも大変難しいお酒で、また手間とコストも掛かる希少な存在なんです。
程よい吟醸香に、搾りたての爽やかな甘みと微発泡が喉をくすぐり、終いの切れ味は爽快です。 飲みやすさをうまく演出したモダンなお酒ですね。
■原料米:雄町 ■精米歩合:50% ■アル度数:13度 ■純米大吟醸:無濾過原酒
香りが強く立ち、酵母由来の酸味と甘味の絶妙なバランスが、まるで熟成した白ワインのような味わいです。 辛口の土佐にあって、甘美な低アルコール原酒は希少なお酒です。
■原料米:八反錦 ■精米歩合:50% ■アル度数:14度 ■純米吟醸 ■酵母:CEL-24
果汁のようなジューシーさ、膨よかな甘味と旨味、酸がキリッと効いていて余韻もキレイです。 広島らしいやや甘辛の味わい、この時期ならではの瑞々しい生酒です。
■原料米:雄町/八反錦 ■精米歩合:50/60% ■アル度数:13度 ■特別純米/生原酒
和らかなお米の旨みを感じさせてくれる甘口系の『しぼりたて』はこれ!
さあ、今度は甘口系のお酒を紹介します。 甘口と言っても、色々ありますね。 淳旨系、辛旨系に淡旨系など色々ありますが、キリがないのでトラマサの『銘酒番付』上位から紹介します。
ぶどうやマスカットを思わせる甘みと旨味を兼ね備え、軽快な酸が引き締めてくれます。 槽場汲みのフレッシュ感もありますが、ほのかな海のミネラル感もアクセントです。
■原料米:ふさこがね ■精米歩合:60% ■アル度数:16度 ■純米吟醸:無濾過生原酒
掛米を『ひとめぼれ』から『ひのひかり』に変更し、含み香もよりクリアーになり、酸の美しさも加わって、柔らかさやお米の甘味が増しました。 女性に贈って喜ばれるお酒ですね。
■原料米:山田錦/ひのひかり ■精米歩合:65/70% ■アル度数:16度 ■純米酒:生酒
豊潤でインパクトのある辛口系の『しぼりたて』ならこれ!
最後に、お定まりの辛口系のお酒を紹介しましょう。 やっぱり、ここはガツーンと行きますか。
フルーティーで芳醇な香りとふくらみのある豊かな味わい、後味はキレの良い爽やかな美味しさです。 ひと頃前より辛口で軽快な味わいが増し、辛口フアンには堪らないでしょう。
■原料米:華吹雪 ■精米歩合:55/60% ■アル度数:16度 ■純米:無濾過生原酒
芳醇でインパクトの強い、はっきりとした深みがある輪郭のお酒です。 塩干系や鍋物など、味の濃い料理に合う、米本来の旨味を引き出した濃厚旨辛の味わいです。
■原料米:美山錦 ■精米歩合:55% ■アル度数:17度 ■特別純米:無濾過生原酒
最後に、お口直しの爽快な『しぼりたて』ならこれ!
おっと、早々と11月に飲んだヌーボーと、年越し用に求めてきたお酒にフレッシュな味わいがあったの忘れてました。 お口直しに、もう一杯!
爽やかな香りで、うま味とミネラル感のあるコクがありバランスの良い仕上がり。 心地良い酸が終盤のキレを爽やかにしています。
■原料米:吟ぎんが ■精米歩合:60% ■アル度数:16度 ■純米酒:生
低温発酵させたもろみを搾り、そのまま直詰めした原酒は飲み応えがあり、開栓後のピチピチしたガス感や、2日目以降の微妙な酒質変化が楽しめます。
■原料米:華吹雪 ■精米歩合:55% ■アル度数:17度 ■特別純米:生原酒
まだ、レビュー記事がアップできていないものもありますが、取りあえず時期を逃さないよう簡単な紹介にとどめましたが、その味わいは伝わったでしょうか?
『しぼりたて』の飲み方とお酒に合わせる料理
『しぼりたて』の日本酒は、貯蔵期間が短いためフレッシュな風味が特長ですね。
そこで『しぼりたて』の新酒は、もちろんお燗でも飲めますが、ここは搾りたての躍動感が味わえる『冷や』で頂きましょう。
さて新酒に合わせる料理ですが、若々しくみずみずしい味わいのお酒なので、素材の味を生かした料理、旬の食材を選びたいですね。
例えば、魚介類であれば冬に脂がのる寒ブリやマグロなどは、爽やかな味わいの新酒とベストマッチでしょう。
それから注意したいことがあります。 新酒は、飲み口が軽いので『飲み過ぎ』てしまうこと。 そのためには、『和らぎ水』が効果的です。
『和らぎ水』とは、お酒の合間に飲む水のことで、理想はお酒1合にコップ一杯。 合間に水を飲むことで体内にゆっくりとアルコールが吸収され、料理の口直し効果もあります。
楽しく、健康的な飲酒をしたいところですが、皆さんちゃんと出来てますか?
まとめ
皆さん、いかでしたか?
前回は、『しぼりたて』『あらばしり』などこの時期ならではの用語を解説しましたが、今回はドストライクに出来立ての新酒を紹介しました。
これからいよいよクリスマス、年の瀬、お正月と行事がつづきますが、お酒選びに迷ったら是非この記事を思い出してくださいね。
今年は雪が多くなりそうですから、年が明けたら『燗酒特集』などになりそうですね。
それでは、今回はこの辺で失礼します。