金魚ラベルの秋田の日本酒『天花 夏酒』は甘口のチャーミングな味わい

天花 夏酒

皆さん、こんにちは!

今回は、秋田県は横手市、大納川さんの『天花 夏酒』を紹介します。

『天花』と言えば秋田の復活蔵ながら、無濾過原酒のピュアな味わいとお洒落なラベルでめきめき人気が出ているお酒。

さて、『天花 夏酒』一体どんな味わいのなのでしょうか? 

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『天花 夏酒』は心地よい華やかでフローラルな香り

『天花 夏酒』は、AKITA雪国酵母(UT-1)仕様で甘口な味わいに仕上がる

『天花』は、軟水系の出羽丘陵伏流水を使用し、地元産米『秋田酒こまち』を100%使用して醸されています。


《原料米》『秋田酒こまち』

《精米歩合》60%

《酵母》AKITA雪国酵母(UT-1)

《日本酒度》-3 《酸度》2.4

《アルコール度》16度

《造り》特別純米/生詰め原酒

《お値段》180 ml  3080円(税込)  

《製造》2021年5月

使用される酵母はAKITA雪国酵母(UT-1)が用いられ、華やかな香りと甘口のチャーミングな味わいを生み出しています

伝統の『低温長期醗酵法』で醸された、綺麗な秋田酒こまちの味のりした旨味

日本を代表する杜氏集団のひとつ、『山内杜氏(さんないとうじ)』は横手市の山内集落が発祥です。 当蔵の杜氏佐藤好直氏は『備前酒造本店』からの大ベテラン。

伝統の『低温長期醗酵法』で醸される酒は、喉越し良く程良い酸味と柔らかな口あたりが特徴と言われています。 

そんな三内杜氏の技がさえるお酒は、心地よい華やかでフローラルな香り。 綺麗な秋田酒こまちの味のりした旨味が口の中に広がります。 

このお酒は生詰原酒でアル度16%とやや低め、爽快のうたい文句がありますが、意外にも味わいは濃い口に感じますね。 

天花 夏酒
トラマサ
トラマサ

夏酒は冷やして飲むので、15度の原酒だけど濃淳に仕上げてある感じ。 でもとても綺麗な甘口なので、氷を一つガラスの酒杯に入れて呑むと、金魚と一緒にとても美味しく飲めたよ!

 『天花 夏酒』感想と評価
  • 心地よい華やかでフローラルな香り、口当たりは綺麗な米の旨みが広がります。 濃淳旨口系
  • 特別純米 1800ml 3080円はまずまずのコスパ。
  • 総合評点 8.2点  ※あくまでも、私個人の感想です。
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秋田の日本酒『天花 夏酒』と今夜の肴

涼しげな金魚のラベル、思わずジャケ買いしそうですね。 

横手と言えば『横手焼きそば』が有名ですが、さすがにこれは日本酒ではなくビールでしょう。

そこで、今夜は茹でツブ貝と合わせてみました。

『天花 夏酒』とツブ貝

『(株)大納川』の紹介

横手盆地の北西、霊峰保呂羽山(ほろわさん)の麓に位置する当蔵は、もともとは『備前酒造本店』として1914年(大正3年)に創業。 純米の大納川と言われるほどの老舗酒蔵でした。

そんな古い歴史のある酒蔵も、2016年より酒造りを休止。 免許返上となるところを、地元銀行から再生を頼まれた田中文悟さんは、町唯一の蔵を絶やしてはならないと引き受けます。

じつは、田中さんはこれまでに13もの酒蔵を再生してきた実績があります。 アサヒビールを7年勤めた後『阪神酒販』に入社、そして2010年3月に『田中文吾商店』を設立します。

2010年には『阿櫻』『千代菊』『富士高砂』、2012年には『舞姫』『三千櫻』の代表取締役となり多くの酒蔵の再建を手掛けます

その後富山の『銀盤』などを再建していた田中文吾さんは2018年2月に、これまでの酒蔵経営から退き、一旦の仕切り直しとなります。 

そして2019年4月、『大納川』の事業譲渡を受けるために『BOON』を新たに設立して、文悟さんを含めた5人の蔵人による新体制が始動します。 

まずは、すべて純米酒造りへと舵を切り、10キロ単位の洗米、少量仕込みの造り。 搾った後には直ぐに瓶詰し、瓶燗火入れ後に冷蔵と、丁寧な大吟醸仕様の造りに大きく変えたのです。

もちろん老朽化した設備は、ウッドソンの洗米機や充てん室のクリーンルーム化などの設備を導入して、そして何よりも蔵の清掃が徹底されます。

その成果は、早くも2年目の2020年に表れます。 全国新酒鑑評会で入賞、秋田県清酒品評会で知事賞首席、そして強豪が多い東北清酒鑑評会で優等賞受賞など、見事な成績に輝いたのです。

秋田 永楽食堂 壁貼メニュー
トラマサ
トラマサ

なんでも2年前の再出発の時、新ブランド『天花』のお披露目のときは、第65代横綱貴乃花関が応援団長として、駆け付けてくれたそうだよ! この前、秋田駅前の永楽食堂で呑んだ限定品『大納川 朝詰直送便』だけど、他のどれよりも旨かった!

 (株)大納川の概要
  • 1914年に創業した備前酒造本店が前身。 新生『大納川』の社長田中文悟さんは多くの酒蔵再建を手掛けたプロ、副社長稲上さんは『阿櫻』の元営業。 杜氏は三内杜氏の佐藤好直氏。 再生3期目は450石を造る。
  • 飲んで酔うだけでなく、心を酔わす酒を醸したい』がモットー 全量純米造り、瓶貯蔵で高品質の日本酒を目指しています
  • 『天花』は無濾過原酒、数量限定の特約店限定の商品。『大納川』は地元流通銘柄。
  • 令和2年度全国新酒鑑評会で入賞、秋田県清酒品評会で知事賞首席、そして強豪が多い東北清酒鑑評会で優等賞を受賞する。

まとめ

『天花』とは、雪国のくらしと文化を育んできた雪の別名だとか。 豪雪に悩まされる雪国に暮らす人々の繊細な表現は、なかなか都会人には分かりにくいですね。

雪は春になれば、清流となって田圃や川を潤し酒米を育て、そして柔らかな伏流水は仕込み水となり、酒造りにとってまさに天からの贈り物・・・

昨今事業の不採算や後継者不在などから廃業にいたる酒蔵が多い中で、山口の『天美』に続いて事業譲渡で蘇る酒蔵『大納川』の『天花』を取り上げてみました。

日本酒の酒蔵も、1975年をピークに2019年には1563場と半減。 酒蔵の再生は蔵人さんや地域の皆さんにとって、まさに双方とも天から降ってきた贈り物になったことでしょう。

それでは皆さん、今回はこれで失礼します。

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