三重の日本酒『作 雄町 純米吟醸』はフレッシュ感ある芳醇で丸みのある味わい

作 雄町 純米吟醸

皆さんこんにちは! 

今回は、三重県は鈴鹿市の『作 雄町 純米吟醸』を紹介します。

以前に『作 雅の智 雄町』を紹介しましたが、こちらの商品はそのリニューアル版なんです。

そんな訳で再紹介となりますが、前回記事『作 雅の智 雄町』を参照しながらご覧ください。 さて味わいはどう進化しているのでしょうか?

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『作 雄町 純米吟醸』は雄町米の芳醇で丸みのある味わい

雄町ならではの旨みとバランスの取れた丸みのある味わいは秀逸

この『作 雄町 純米吟醸』の仕込水は、鈴鹿山脈の清冽な伏流水をつかった水道水が使われ、また原料米には岡山雄町を100%使った仕込みとなっています。

『清水清三郎商店』さんでは、前にも紹介しましたように酒米の表示は原則的にしないそうです。 雄町の産地は赤磐市と備前市が有名ですが、単に岡山としていますね。

酒蔵さんに代って少し説明すれば、その雄町米は岡山県で92%が生産されており、穂が重くて背丈が長いため、台風などの影響が少ない岡山に集中するのは必然なのでしょう。

さらに雄町米の特徴といえば、心白が大きくて醪に溶けやすく、とろりとした深いコクが感じられることです。

その雄町米の味わいは、口に含み舌の上で転がし、そして喉元を過ぎお腹に収まるまでの過程で、それぞれに多彩に変化するのです。

そしてスッキリデザインに合わせたのでしょうか、お味もメロンや葡萄を想わせる酸の効いたやや辛口な味わいに。 滑らかで芳醇な『雄町』の味わいはそのままに、少し後口が変化したでしょうか。


《原料米》『岡山・雄町』100%

《精米歩合》55%

《酵母》-

《日本酒度》- 《酸度》-

《アルコール度》16度

《造り》火入れ

《お値段》750 ml  2,090円  

《製造》2021年6月

2021『作 雄町 純米吟醸』はスッキリデザインに変更

『作』フアンの皆さんならよくご存じかと思いますが、『作 雄町 純米吟醸』は『作 雅乃智 純米吟醸』の酒米違い雄町バージョンのお酒。

2020までは写真のとおりラベル張りされていましたが、今年はブラックボトルに白と青のインクで直接印字、英語表記もされています。

毎年6月年一度の出荷なので、印字の年度や製造月も決め打ち。 この時期は冷蔵庫から出すと紙ラベルだとインク汚れがあったので、スッキリデザインとなりました。

実は『清水清三郎商店』さんは、2019年に創業150年を迎えられました。 社屋の改築計画に加え、ラベルデザインの刷新が進められおり、この10月から発売されるそうです。

トラマサ
トラマサ

最近甘口の酒を多く飲んだので、久しぶりに透明感のあるお酒で舌が締まったね。 一杯目の引きにすこし辛みを感じたけど、3日目にはバランスよくなった。 相変らずのグッドバランスだね!

作のシリーズを整理してみました

ところで皆さん、『作』は従来より酒名のみで、種別が分かりづらいですよね。 そこで潜って調べてみました。

まず『○乃智』の『智』は、内山杜氏の名前の広から来ているんだそうです。 そして○の部分の『穂』は当初は酒米をイメージしてつけたとか。

同じ純米でもあとの『玄』や『恵』は、お酒のキャラクターの味わいを表現したのだそうです。 イメージできますでしょうか?

もちろん、裏ラベルの精米歩合をみれば純米酒とわかるのですが、敢えて純米酒や純米吟醸の表示は避けてきたそうです。

銘柄分類 酵母   特徴
穂乃智純米酒14号系口中で甘いフルーツの香りを感じますが、喉越しが良く後味はすっきりとキレが良い純米酒です。
玄乃智 〃7号系青リンゴのようなフレッシュな香りがありながら香りを主張せず、少しの酸味を感じながらも米の味わいの豊かな純米酒です。
恵乃智 〃自社酵母カプチル系洋ナシの香りとしっかりとした味わいが特徴です。
雅乃智純米吟醸自社酵母カプチル系口中に含んだときの花の香りは喉でバニラの香りとなり、味わいは絹のようななめらかさが特徴です。
奏乃智 〃14号系爽やかですっきりとした香り、硝子細工のような透明感のある味わいが特徴です。
中取り雅乃智 〃自社酵母カプチル系中取り部分のみを瓶詰。雅乃智の特徴が更に極まったデリケートでエレガントな味わいが特徴です。
槐山一滴水純米大吟醸精米歩合40%の酒造好適米山田錦を、低温でゆっくりと醸した気高く上品な味わいと、心地よい余韻を持つ純米大吟醸です。
智・滴取り 〃滴取り。精米歩合40%の酒造好適米山田錦を、低温でゆっくりと醸されたふくよかで、透明感のある純米大吟醸です。
トラマサ
トラマサ

最近はちゃんと純米吟醸と表示してあるね。 酒米も雄町以外にも、山田錦、愛山などが最近表示されてきて、ようやく分かりやすくなった! 

 『作 雄町 純米吟醸』の感想と評価
  • 上品でフルーティ、そしてジューシーな酸味とが絡んで得も言われぬハーモニーはエクセレントです。  淳酒旨口タイプ
  • 純米吟醸750ml  \2,090円。 限定品なのでちょっと高めも、華やかな雄町の味わいは格別。 納得です! 
  • 総合評点 9.0  ※あくまでも私個人の感想です。

『作』の造りの特徴

さてここで『作』の造りの特徴を見てみましょう。

麹は『突き破精』で、造り置きの冷蔵保存をしているそうです。 また、麹室はオールステンレスで温度管理された清潔な環境が保たれています。

そして仕込みは、出品酒並の600~900キログラム程度の小仕込みによる丁寧な造りとなっています。 なんでも、醗酵タンクの中での麹と蒸米の状態や酵母の働きがちょうど良いサイズなんだとか。

さらに安定した品質を保つために、生酒でなくすべて火入れ処理となっています。 火入れは、瓶燗火入れではなく、熱交換機による火入れだそうです。

火入れながらも卓越した技術によって、生酒のようなフレッシュな酒質が見事に作り込まれ、華やかさと上品な旨みが、喉を唸らせますね。

また、全ての工程で冷却設備を用いて適切な温度管理を行い、季節や天候に合わせた細かな管理がなされています。

こうして見事な『味酒』が生み出されているのです。

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三重の日本酒『作 雄町 純米吟醸』と今夜の肴

『作 雄町 純米吟醸』のような、透明感のある切れ味のお酒には、あまりこってりした料理は向かないかもしれませんね。

そんなわけで、今夜は旅先で仕入れたカナガシラの干物の優しい甘みの味と合わせてみました。

作 雄町 純米吟醸とカナガシラの一夜干し

『清水清三郎商店』の紹介

もう言うまでもなく、近年の清水清三郎商店さんの受賞歴は見事の一言。 列挙しますととても紙面が足りません。

なかでも特筆できるのが、2020年酒蔵ランキングです。 2019年に続き連続1位かと思いきや堂々の第3位となりました。 ランキングの対象となった酒蔵は659蔵、商品数は1835。

そしてさらに2021IWCでは、見事に栄えある『Sake Brewer of the Year』を受賞しました。 

タイトルハンターの面目躍如といったところでしょうか。 取りあえず、ここ1年の受賞歴を表にしてみました。

  コンテスト 部門 受賞酒銘と順位 ※ゴールド以上を表示
2020KURA MASTER純米酒玄乃智(金)、恵乃智(金)
   〃純米大吟醸酒智・滴取り(プレジデント)、槐山一滴水(金)
   〃雄町雅乃智・岡山雄町(金
2021IWC純米酒玄乃智(金)
   〃純米大吟醸酒槐山一滴水(金)、なぐわし東条山田錦(金)
   〃Sake Brewer of the Year
 清水清三郎商店の概要
  • 1869年(明治二年)に大黒屋清水清三郎商店として創業。 2019年で操業150年を迎えました。 空調冷蔵等の設備による四季醸造体制。 社員17名、売上 479百万円(2016/9期)
  • 令和2年度全国新酒鑑評会金賞受賞。
  • 2019世界酒蔵ランキング1位、2020世界酒蔵ランキングは3位。
  • 2020KURA MASTERでは、純米大吟醸でプレジデント賞受賞。 2021IWCでは、『Sake Brewer of the Year』を受賞。
  • 酒造見学は不可。

まとめ

『作』はスッキリとした味わいを基本にして、たくさんの方に楽しんで貰っていますね。

飲む人やそれを提供する人たち、出会った皆で作り上げる酒という願いを込めて『 作(ざく)』と名付けられて、今やその歩みは止まることを知りません。

しかしながら『作』も世に出てはや20年。 今年ようやくデザインも一新され、新しいステージを迎えることになります。

筆者も『うまし酒』をいつまでも飲み続けるには限界があるでしょう。 それでも『作』は、三重の『うまし酒』として、日本を代表する『うまし酒』として進化し続けることでしょう。 

それでは皆さん、今日はこれで失礼します。

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