皆さん、こんにちわ!
今回は、富山県は富美菊酒造さんの『羽根屋 吟醸しぼりたて生』を紹介します。
富美菊(ふみぎく)酒造さんと言えば、最近海外のコンテストで上位入賞するなど、富山を代表する大人気の酒蔵さん。
その造りと言えば、なんと大吟醸造りゆえの少量生産、そのため四季醸造をされています。
それでは早速ご紹介しましょう。 富山の『羽根屋 吟醸しぼりたて生』どんな味わいなのでしょうか?
『羽根屋 吟醸しぼりたて生』は吟醸つくりで香り高く、きれのよい味わい
立山連峰の清冽な伏流水で仕込んだ、柔らかで優しさのある旨みと甘み
羽根屋の仕込み水は、日本の名水百選にも選ばれている富山の名水・常願寺川水系の天然水が使われています。
富山県の地形は、立山連峰から富山湾に一気に流れ下る特徴が一般的に言われていますが、実は富山と高山の間に『呉羽丘陵』があり、これを境に水質が違うんだそうです。
その東側は軟水、西側は硬水となるそうで、『羽根屋』は軟水仕込み。 柔らかい旨みが感じられます。
そして、少量単位で手間のかかる限定吸水による原料処理に加えて、箱麹・蓋麹による丁寧な麹処理をされています。
なんと大吟醸で用いられる手法を、全ての酒で実施しているんだって!
近年の高温の影響で酒米の五百万石が硬いため、しっかりと溶かすために麹もシッカリと菌を突き込んでいるらしい。
《原料米》『山田錦』
《精米歩合》60%
《酵母》 -
《日本酒度》- 《酸度》-
《アルコール度》吟醸生酒、16度
《お値段》720 ml 1890円 (税込)
《製造》2021年2月
『羽根屋 吟醸しぼりたて生』は全量が、お酒の最良部分の中汲みで仕込まれる
『富美菊酒造』さんの商品ラインは生酒が多いのですが、これは空調設備を完備した四季醸造のたまものなんです。
というか、少人数による大吟醸造りゆえ四季醸造でこそ、たゆまぬ酒造りの技が磨き抜かれている酒蔵さんと言っていいでしょう。
外気に影響されない低温管理によって、冬の寒い時期と変わらない酒造り、酒米の管理が可能となっていますが、富美菊さんでは2012年から四季醸造をスタートさせています。
今時の酒造りで『ドメーヌ化』が一つのトレンドならば、もう一つは『四季醸造』による安定した酒造りとなるのではないでしょうか。
それからしぼりの工程では、『中汲み(中取り』という最良の部分のみが羽根屋で使われていますが、これも低温管理された設備があってこそできる贅沢な仕様ですね。
そして搾った後の貯蔵は、普通酒以外はすべて『瓶囲い』で冷蔵保管されるそうです。
富山の日本酒『羽根屋 吟醸しぼりたて生』と今夜の肴
近くの呉羽山公園の桜も、そろそろ終わりでしょうか。 今年はあっけなく桜前線が通り過ぎてしまい、そしてコロナ禍で花見酒は盛り上がりに欠けていますね。
富山の春のグルメと言えば『ほたるいか』、もうこちらも終わりでしょうか。
富美菊酒造の紹介
4代目蔵元羽根敬喜(はね けいき)氏は、東京の大手発酵メーカーに3年間勤めたのち、実家の『富美菊酒造』を継ぐため富山に戻られたそうです。
当時の蔵は鑑評会受賞歴も多いベテラン杜氏が酒造りされるも、品評会用と市販酒の造り方に大きな違いがあって、自らが酒造りをすることを決意します。
そして、大反対を受けながらも『全ての酒を大吟醸と同じ造りで』をモットーとして、ベテラン杜氏から見様見真似で造りを学び、やがて全行程を引き継ぎます。
現在は自らが蔵元杜氏として、地元の蔵人とともに羽根屋の酒造りを指揮されています。
使用される酒米は『五百万石』が大半、そして新しい酒米『富の香』。 敢えて酒米に依存したラインナップはせず、酒の味わいで選ばれる酒をめざしているとか。
そして、営業担当は奥様の出番です。全国のイベントに出かけたり、商品企画やラベルデザインまで手掛けられているそうです。
獅子奮迅の努力は、ここ2年のIWCではトロフィーを受賞。 さらにKURA MASTERではプラチナのトップ賞受賞など、コンテスト成績は目をみはるばかりです。
最近、羽根屋のデザインが綺麗だなと思ってたら、やっぱりそうか・・・ 酒造りからデザインまで、今の酒蔵で女性の活躍は止まることがないなあ。 エライ!
まとめ
屋号の『富美菊』は創業時、菩提寺住職が『菊のように香しく、美しい富山の代表酒たれ』との意をこめて命名されたそうです。
富山を代表する酒をめざして、蔵元は奥様ともども日夜切磋琢磨されていますが、いまや海外からも注目されるブランドに成長してます。
それにしても、小仕込みとはいえ四季醸造は休む暇もなく体力が求められます。 本当にエライと思います。
そうそう、富美菊酒造さんのホームページは富山湾の名勝『雨晴海岸』。 なんとトラマサの『日本酒探訪』のトップ画像と一緒で、とても親近感がわきます!!
それでは皆さん、今回はこの辺で失礼します。