皆さん、こんにちわ!
今回は、千葉県の『電照菊純米大吟醸』を紹介します。
千葉県と言えば九十九里浜、どこまでも続く砂浜と青い海。 その温暖な地域にあって、日本酒以外にもクラフトビールや焼酎も作る『寒菊銘醸』さんです。
昨年は『無濾過生原酒』を紹介しましたが、今年は同銘柄の『おりがらみ無濾過生原酒』を紹介します。(2021.11.9記事及び写真を追加編集しました)
それでは早速ご紹介しましょう。 千葉の『電照菊』どんな味わいなのでしょうか?
『電照菊純米大吟醸無濾過生』は、熟成で角が取れたジューシーな旨味のお酒
海のミネラルを一杯に含んだ仕込み水ながら、甘旨い味わいに仕上がっている
《原料米》山田錦50%
《酵母》 M310酵母
《日本酒度》-1 《酸度》1.6
《アミノ酸度》1.0
《アルコール度》16度
《造り》純米大吟醸/無濾過生原酒
《お値段》720 ml 1860円
《製造年月》2020年10月
『電照菊』の仕込み水は、醸造所内の樹齢200年を超える柿の大木の根元から湧き出る清水を使用。
海からは少し離れていますが、この水はミネラル分の多い硬水なので、発酵力が強く味のあるお酒になるそうです。
山田錦の芳醇な香りとジューシーな口当たりがスイスイと杯をすすめる
この『電照菊』は、一杯の満足感を追い求めた、年に一度のみ出荷の超限定の純米大吟醸無濾過生原酒。 長期低温発酵で造られています。
そして山田錦の持つ旨味を存分に引き出すべく、瓶詰め後無濾過生原酒のまま一定期間の氷温貯蔵を経て、秋に出荷されます。
『電照菊』の酵母は、小川酵母を改良したM310酵母を使って仕込んでいますので、香りは高めです。
その味わいは、山田錦の魅力が最大限引き出されて、華やかジューシーながらも心地良い酸で切れていきます。 爽やかな酸と旨味、そして僅かなガス感でバランスよく整っていますね。
小川酵母の使い手『くどき上手』とは仕込み水が違うけど、『電照菊』の華やかな香りはいい感じに出てるね!
『電照菊純米大吟醸おりがらみ無濾過生原酒』は、おりがらみらしいフレッシュでジューシーな飲み口
《原料米》山田錦50%
《酵母》 M310酵母
《日本酒度》-4 《酸度》1.6
《アルコール度》15度
《造り》純米大吟醸/おりがらみ無濾過生原酒
《お値段》1800 ml 3410円
《製造年月》2021年10月
さて、今年は昨年とほぼ同じスペックで年一度の限定『おりがらみ無濾過生原酒』を味わいました。 アルコール度が16度から15度になって少し飲みやすくなっていますね。
もちろんこの一年間に、『ROCシリーズ』の『ふさこがね60』や『コシヒカリ90』、限定酒『白菊の真実/雄町50』を飲んできました。
やはりこの『電照菊』は年一度の無濾過生原酒の造りゆえ、格別な味わいですね!
上品で華やかな香り、そして口に含むと優しい甘みと酸が広がり、果実感のあるジューシーな味わいは、どこか南国風なワイルドな仕上がりではないでしょうか。
イヤー! 今年の電照菊の人気は凄いねー 馴染みの酒店によれば、売れに売れているらしい。 トラマサの記事もここ1ヶ月のアクセスは、十四代、金雀を抜いてTOPに躍り出たから、超驚きだね!
昨年と比べますと、ラベルの色合いが少し変わったでしょうか?
『赤色LED』は植物の光合成を促し甘みを増す効果があるそうで、おりがらみの甘みと重ね合わせたそうです。
道理で昨年の色合いに比べて、スマートで色鮮やかな『赤い電照菊』のラベルがショウケースでよく目立ちます。
千葉の日本酒『電照菊純米大吟醸』と今夜の肴
『電照菊純米大吟醸』は甘旨系なので、味のしっかりした食材や料理と相性が良いのではないでしょうか。
そこで今夜は、ピザとハムでいただきました。
濃淳旨口系のお酒には、意外と合うんですね! 皆さんも是非試してみてください。
『寒菊銘醸』の紹介
『寒菊』とは、この温暖な房総の地に咲く、12月から1月にかけての黄色い花を咲かせる冬菊のこと。
この地は冬でも高貴な香りの菊が咲く、なんとも桃源郷ならぬ菊源郷の地なのでしょうか?
『寒菊銘醸』の4代目当主佐瀬光久さんはビール醸造を始めるなど才覚のある方で、蔵の杜氏として定着した人がいないことを問題視、杜氏補佐をしていた高橋さんを抜擢して専属の杜氏に育て上げます。
高橋杜氏はその後、2009年から4年連続のモンドセレクション最高金賞受賞、新酒鑑評会は10年連続金賞受賞するなどの名杜氏となります。
ところがその杜氏が引退宣言したため、ビール部門に入社した元航空整備士の柳下祐亮さんが抜擢されます。 高橋杜氏のもとで4年間修業を積み、2017BYより杜氏として腕を振るうことになります。
そしてこれを境に、5代目佐瀬建一社長が今度は地元中心であった日本酒事業の強化に乗り出します。
氷温冷蔵庫や低温冷蔵庫の新設、パストライザーの導入などの酒質改善の手立てや、ラベルなどのデザインが一新されます。
『寒菊銘醸』の特約店向けブランドは、甘口のジューシーな味わいとモダンなイメージのお酒に仕立てられて、今や大人気となっています。
さらに、2019年の台風被災もあって2020年は酒蔵内の改装が進み、R2醸造年度は全量を冷蔵庫内で三季に渡る仕込みとなるそうです。
寒菊銘醸のラインナップ
『寒菊銘醸』さんの味わいの特徴は、上品で華やかな香りと、口に含んだ時の優しく広がる甘味がポイントとなります。
商品ラインは4つあり、代表銘柄である『総乃寒菊』のほか、『総乃九十九里』』という地元銘柄があります。
ここでは人気のある『総乃寒菊』『OCEAN99』『Occasionalシリーズ』の紹介をします。
これまでブログで紹介してきたお酒は『Occasionalシリーズ』の『電照菊』。 ナント当ブログでは累計で4位のアクセス数を誇り、とても人気があります。
冷房設備の完備した仕込み・貯蔵施設で3季醸造の小仕込みの強みを生かし、フレッシュな甘旨味をバランスよくすっきりとした飲み口にまとめていますね。
(2022.9.2追記)
まとめ
『電照菊』、星空のようなラベルから九十九里のイメージを皆さん想像できましたでしょうか?
『電照菊』とは、夏から秋に咲く品種を、ビニールハウスで出荷時期を遅らせるため電照栽培される秋菊のこと。 一番の産地は愛知県、千葉県は2番手となっています。
夜半まで照らされる幻想的な風景への着想、農業王国千葉ならではのネーミングですね。
日本酒は、お米、水、造り、自然環境、そしてストーリー。 これからも台風来るかもしれませんけど、吞むことでしっかり応援したいと思います。
それでは皆さん、今回はこれで失礼します。