皆さん、こんにちわ!
今回は、大分県は中野酒造の『ちえびじん純米酒』を紹介します。
中野酒造さんと言えば、大分国東半島の城下町、杵築市にある唯一の酒蔵さん。
大分の焼酎文化圏にあって、高品質の日本酒造りに邁進している酒蔵さんで、近年は海外のコンクールでも高い評価を受けています。
それでは早速ご紹介しましょう。 中野酒造さんの『ちえびじん純米酒』どんな味わいなのでしょうか?
『ちえびじん純米酒しぼりたて生』は、爽やかな香りと円やかな味わい
『ちえびじん純米酒しぼりたて生』は、しぼりたて生の豊かなお香りと滑らかな味わい
中野酒造さんの仕込み水は、地下200mより湧き出した六郷満山の御霊水を使用。 仏教文化の里・国東半島の麓に位置する大分杵築にあって、豊かに湧出する円やかで甘みのある軟水です。
無料の汲み放題ということで、毎日多くの地元の皆さんが訪れるそうです。
この軟水は長く地中にあるそうで、『ちえびじん』が滑らかで品のいい酒質である一番の理由と言っていいでしょうか。 仕込み水で「モンドセレクション」3年連続最高金賞は伊達ではありません。
精米歩合は70%ながら雑味は全くなく、香り・ボディ・キレのバランスが抜群にいい綺麗なお酒に仕上がっていますね。 仏クラマスターで650ものお酒の頂点に選ばれたのが、本当に納得できます。
《原料米》麹米:山田錦、掛米:ひのひかり
《精米歩合》65%、70%
《酵母》不明
《日本酒度》不明 《酸度》1.8
《アルコール度》16度生原酒
《お値段》720 ml 1430円(税込)
『ちえびじん純米酒しぼりたて生』は大分産酒米に切り替えをすすめ、地域農業の振興に貢献
『中野酒造』さんのもう一つの特徴は、大分産の酒米への切り替えをすすめていることです。
杵築市のふるさと納税返礼品に指定を受けての注文が増え、さらには海外のコンクールで最高賞を受賞したことから輸出も増加中。 そのため、より地元色を意識したブランド構築の観点から、大分産酒米の購入を増やしているそうです。
使う酒米は仕込み水との相性から、大分産の山田錦とひのひかりに絞り込み、R2BYでは、地元産比率は山田錦で4割、ひのひかりで8割まで高めたそうです。
この『ちえびじん純米酒』は、麹米を山田錦、掛米をひのひかりで醸し、爽やかな果実の香りから始まり、飲みすすむほどに香りも旨みも深まっていきます。
精米歩合70%でこの美味しさ。 強い主張はないのだけど、城下町の美人の甘いささやきに酔いどれて、瓶はすぐに空。 1800mlの方を買った方がいいかな!
キャップもしっかり、鮮度や酒質に気を遣っているね!
大分の日本酒『ちえびじん純米酒しぼりたて生』と今夜の肴
『ちえびじん』を醸す中野酒造さんがある杵築の海辺は、東に向けて遠浅の海となっており、特に日の出がとても綺麗な地域です。
国東半島は円形の山地を形成して、小さな河川が海を豊かに育てています。 この辺りの海の中には湧水が湧き、『城下かれい』や『はも』が名産。 日本酒とピッタリ合うのではないでしょうか。
残念ながら、かれいは前回青森の豊盃のお伴となりましたので、今回は『さざえ』と『ツブ貝』にしてみました。 さざえのコリコリ感と肝の苦味が、『ちえびじん』の甘い酒質によく合います。
中野酒造の紹介
『中野酒造』さんは、世界農業遺産に指定されている大分国東半島の南部に位置し、江戸時代は杵築藩松平氏の城下町として栄えた街にあります。
現在も海に臨む杵築城を中心に、南北の高台に武家屋敷が残り、その谷間には商人の街並が立ち並び多くの観光客を引き付けています。
6代目蔵元の中野淳之さんは2002年に東京農業大学を卒業、大阪の大手酒類卸売会社へ就職します。 大分は麦焼酎の一大産地。 その実家に戻ってみると、焼酎ブームも去って蔵の経営は芳しくありません。
そこで、まずは地元大分の名杜氏小野東一さんに師事し酒造りを学び、高品質の日本酒にシフトすべく『ちえびじん』を立ち上げます。 従来の看板は『智恵美人』、創業者の女将さんの名前に由来しているそうです。
そして酒質向上のため、ジェット気泡洗米機、高圧洗浄機、中空糸膜濾過器の導入や麹室・冷蔵倉庫の新設などの設備投資を積極的に進めます。
造りの面では、1回で洗う米洗いの量を少なくして糠切れを良くしたり、出麹棚を杉からプラスチックに変えたり、床面の塗装など衛生面の改善などを進め、酒質はどんどんと向上します。
そうした努力がついに実を結び、KURA MASTER2018ではなんと『ちえびじん純米酒』が650もの並いるお酒を押しのけ、最高位のプレジデント賞を受賞しました。
大分は麦焼酎日本一、と言っても生産地は少ないか。 夏季に蔵が造る『ちえびじん紅茶梅酒』が大人気で、海外からも注文が殺到してるんだって!
まとめ
地元大分で流通する『智恵美人』のラベルは、高島田の結髪の美人が描かれています。 一方、特約店向けの『ちえびじん』はシンプルにひらかな表示のみ。
昨今、海外志向の酒蔵さんが増える中で、フランスでは酒質と合わせて『ちえびじん』のひらかなの日本語ラベルが受けたのでしょうか?
フランスのワインには、シャトーが描かれているラベルをよく見かけますが、日本をイメージする浮世絵ラベルも中々いい感じだと思うのですが・・・
それでは皆さん、今回はこれで失礼します。