皆さん、こんにちわ!
今回は、三重県は鈴鹿市の『作 雅の智 雄町』を紹介します。
『作』と言えば、2016伊勢志摩サミットの乾杯酒に使用されたことで一躍有名になりましたね。 近年の並み居る日本酒コンテストでは、上位入賞の常連と言うよりもタイトルハンター。
勿論いろんなタイプのお酒が出品されていますが、この『作 雅の智 雄町』も入賞していますよ。
それでは早速ご紹介しましょう。 鈴鹿の『作 雅の智 雄町』どんな味わいなのでしょうか?
『作 雅の智 雄町』は、美しく華やかな香りが口の中で豊かに広がる
冬は雪をいただく鈴鹿山脈からの伏流水を使用、軟水仕込み
《原料米》岡山雄町100%
《酵母》自社保存酵母
《精米歩合》55%
《日本酒度》表示なし
《アルコール度》16度、火入れ酒
《お値段》 720ml 2035円(税込)
清水清三郎商店さんは徒歩5分で伊勢湾の海岸という立地にあります。
そこで、酒造りにおける仕込み水の確保が心配になりますね。 実は仕込み水は、自家井戸ではなく鈴鹿市の水道を使用しているそうです。
鈴鹿市の水道は鈴鹿川の河川敷の伏流水を使用しているそうで、軟水なんだとか。 これで一安心ですね。
そう言えば、前に紹介した『山本酒造』も、海に近いので3キロ離れた白神山地の自然水を導水してたね。
直ぐ海がある境港の『千代むすび酒造』も、中国山地の奥出雲まで毎日汲みに行ってるって言ってたなあ。 水は大事だね。
酒米は岡山雄町、優しく綺麗な甘みが魅了します
『作』シリーズは地元伊勢平野で収穫された米のみを使用とのことですが、酒米名を表示することは敢えてしないんだそうです。
清水社長の考えは、使用されるお米が仕込みの度に変わることもあるとの理由から。
実は三重県で作られている酒米は、山田錦、神の穂、五百万石ですが生産量は少なく、バラエティーさを出すためにこの『岡山雄町』みたいに酒米が表示されるのは稀みたいですね。
そんな『岡山雄町』のお酒の味わいは、雄町の溶けやすい性質からお米の甘みと旨味がたっぷりですね。 そして優しくきれいな甘味が舌の上を転がって、綺麗にすとんと収まります。 参りました!
『作ひやおろし』を、次の記事で紹介しています。
三重県の日本酒『作 雅の智 雄町』と今夜の肴
『作』はほとんどが火入れ酒なのに香り高く、ジューシーな味わいを残しており、この岡山雄町の味わいは食中酒にピッタリ。
このお酒を立ち上げる前に、東京の酒販店さんから生酒を造るよう進言されたそうですが、巌と火入れ酒に固執したそうですね。
偉いなあ! あくまでも癖のない高次元の品質のお酒を求め続けていたんですね。
今日の肴は、鰤の照り焼きです。 孫たちもお魚大好き、ともに美味しく頂きました。
清水清三郎商店の紹介
三重県の『鈴鹿』という地名は、天照大神の鎮座場所を伊勢神宮に定めるまでを記した書物に登場し、『うまさけの鈴鹿国』と記され酒造りが古より行われていたと伝わります。
そんな鈴鹿の今は自動車工業の街、市内では唯一の酒蔵となっていますね。
元は網元を経営されていたそうですが、伊勢平野の良米や鈴鹿山脈の銘水など酒造りに恵まれた地の利を活かしての酒造業への進出だったとか。
そんな清水清三郎商店さんですが、全盛期は灘への桶売りで6000石はあったそうです。 その後需要減退の波には抗うこともできず、300石程度までに落ち込みます。
蔵元の清水慎一郎さんは、前杜氏の退職を機に『社員杜氏の時代』とばかりに通年雇用に切り替え、内山智広さんを25歳で杜氏に抜擢します。
これまで多くの酒蔵で見聞してきたパターンですが、蔵の危機とばかりに生き残りを賭けて1999年新ブランドをデビューさせたのが特約店向けの『作』。
そこですべての酒を、鑑評会出品酒と同じ小仕込みの造りにすることで作業を統一化し、突き破精の麹と低温長期醪によって、高品質のお酒を目指します。
そして通年雇用の社員を休ませる訳にもいきませんから空調冷蔵等の設備を強化して、約一週間をサイクルとした仕込みを行う体制を構築します。
季節杜氏制度が確立する明治の後期までは、伊勢杜氏が酒造りを担っていたそうですが、それ以降は越後杜氏や能登杜氏らによる酒造り。
そして見事に復活した伊勢杜氏の伝統を引継ぐ内山杜氏の美酒への求道は、後進の指導や更なる技の磨きに余念がありません。
それにしても、近年のコンテストでの成績は圧巻の一言。 まさに横綱相撲の様相となってきてましたが、そんな状況の中で清水清三郎商店さんが堂々の第一位に輝いた栄誉があります。
それは2019世界酒蔵ランキング一位の称号です。
このランキングは、その年に開催された有力な日本酒コンテストの受賞実績をポイント化して酒蔵ごとに集計し、スコアの上位50位の酒蔵が格付けされます。 2019年にランキングの対象となった酒蔵は654蔵で、商品数は1917でした。
まとめ
実はアニメ「機動戦士ガンダム」の中で、ザクと呼ばれるモビルスーツが同名であったことから、落語家、漫画家であった雷門獅篭氏が、自身の漫画で日本酒の『作』を紹介します。
するとガンダムファンの間で知名度が向上し、徐々に首都圏を中心に人気を集め看板ブランドへと成長したとか。
そう言えば、三重には漫画で紹介されて大人気になった『るみ子のお酒』もありましたね。 三重のお酒って、漫画家を強く惹きつける味やストーリーがあるのかしらね?
『作』の意味合いは、酒の価値は、酒蔵・酒販店・料飲店などの関係者みんなで作るものという思いからだそうです。 正に、みんなから支持されるいい名前じゃありませんか!
それでは皆さん、今回はこれで失礼します。