日本酒ファンの皆さんこんにちは!
今回は、石川県は『吉田酒造店』さんの『吉田蔵U百万石乃白』を紹介します。
吉田酒造店さんのメインブランドは『手取川』、2021年8月にレビューしたばかりなのでまだご記憶にあるでしょうか?
前回記事で『吉田蔵』シリーズは終売とお伝えしていましたが、R3BYでは『 吉田蔵U 』として新ラベルで登場しました。
さて『吉田蔵U百万石乃白』、一体どんな味わいなんでしょうか?
『吉田蔵U百万石乃白』 は穏やかなお香りと爽やかな酸味
『百万石乃白』 は石川オリジナルの新しい酒米
《原料米》石川県産『百万石乃白』100%
《精米歩合》60%
《酵母》自社培養金沢酵母
《日本酒度》- 《酸度》-
《アルコール度》13度
《造り》山廃純米/原酒/火入れ
《お値段》1800 ml 3520円
《製造》2021年10月
酒米『百万石乃白』は、石川県農林総合研究センターが11年の歳月をかけて開発した、2020年にデビューしたばかりの酒米です。
ちなみに、百万石は加賀百万石にあやかり、白は混じりけのないことやスッキリした味わいを表現したそうです。
その特徴は、割れにくくて低タンパクであるため作業性もよく、透明感のあるスッキリした味わいに仕上がるとか。
蔵元によれば『ダイヤの原石』のような酒米だそうで、搾りたては荒々しい味で、熟成とともに唯一無二の魅力的なお酒になるそうです。
確かに『吉田蔵U百万石乃白』は穏やかな香りに加え透明感のある味わい。 微発泡のガス感をまといながら、米の旨味と酸味のバランス感が抜群ですね。
またアルコール度数は13度の原酒ながらも、山廃独特の酸味は少し強めで、苦味もしっかりあります。
新シリーズのコンセプトは『食・人・自然に寄り添う ナチュラルで優しいお酒』
新しい『吉田蔵U』のコンセプトは『食・人・自然に寄り添う ナチュラルで優しいお酒』。 その構成要素は次の3つからなるそうです。
一つ目は『徹底的なテロワール』で、蔵のある手取川扇状地を表すべく、地元の酒米・白山百年水・自社培養酵母が使われています。
二つ目は『独自の製法・モダン山廃』で、米と水だけのナチュラルなお酒で乳酸や発酵助剤、酵素剤など表示義務のない添加物は一切不使用とか。
そして三つ目が『持続可能性』で、100年先・1000年先をも見据えた酒造りのための環境保全なんだそうです。
さてルニューアルされた『吉田蔵U』には、旨みと酸味のバランスがいい『百万石乃白』と、自然で優しい甘みの『石川門』が使われています。
つまり、吉田蔵Uは『テロワール・モダン山廃・環境保全』といったコンセプトで、地元石川に拘った酒造りと言うことなんでしょう!
昨年までの『U yoshidagura』からほぼ同じスペックだけど、味わいは新政に似てきた! でもリニューアルで大幅な値上がり。 今までが安過ぎたとはいえ、さてユーザーがどう評価するか!
『吉田蔵U百万石乃白』と今夜の肴
もう秋はすっかり通り越して、北陸の山々は真っ白に雪化粧。 そんな山々を遠くに眺めながら、新酒はもうすぐ出来上がるのでしょうか。
優しい味わいの山廃のお酒に合わせて、今日は脂乗りしたノドグロと鰈の干物で頂きます。
『吉田酒造店』の紹介
『吉田酒造店』さんは霊峰白山の麓手取川扇状地の中央にあり、古来より銘醸地と知られた地ながら、いまや地域唯一の酒蔵。
暴れ川の異名を取った手取川を酒名に頂き、白山からの清澄な水と寒冷な空気で、この地ならではの山廃造りの酒を醸してきました。
蔵の酒造りを担うのは、7代目蔵元兼杜氏の吉田泰之さん。 2020年に先代の吉田隆一さんから経営を引き継ぎます。
泰之さんが目指すのは、原点回帰をしながら地域に根差した酒蔵のあるべき姿。
暴れ川が岩石を運んだ扇状地に流れるミネラル豊富な地下水。 この命の水を守るための森と田圃。 それゆえに酒米は積極的に地元米を使います。
現在酒米の契約農家さんは30ほど。 新しい酒米『百万石乃白』の栽培をより増やしてもらうのが課題だとか。
そして温暖化が進む中の省エネ対策は、貯蔵庫などには冷たい地下水を利用した井水式クーラーを導入して、極力電力を使わない操業を追求しているそうです。
また酒造りで使う電力を、未来も使える環境負荷の少ない再生可能エネルギーに全て変えたそうです。
新しき酒造りのリーダーは『水、米を見つめ直し、持続可能な酒造り』を目指していきたいそうです。
まとめ
酒名の『U』は優しさの優、そしてあなたの『you』なんだとか。
赤武の『F』はfor youの『F』で、同じような発想ですね。
ラベルは前の漢字表示から、お米の苗からたわわに実った稲穂までのストーリを描いたモダンなデザインにチェンジ。
そのモダンなデザインに合わせたかのように、白ワインのような繊細で優しい味わいは、多くの飲み人に至福の時間をもたらすでしょう。
それでは皆さん、今回はこれで失礼します。