皆さん、こんばんわ!
ここのところ、グリーンメンテナンスで忙しく、投稿が遅れていました。 まもなく梅雨入り、新型コロナとの共存生活も孫たちの学校再開でリスタートしました。
さて、家飲み酒の写真ストックもたまってしまい、記事の一気書きをしなければなりません。 爽やかな夏酒かと思いきや、クラシックフルボディなお酒など怒涛の5連載とかいってみますか!
さて、今夜はその第1弾ですが、『悦凱陣 赤磐雄町 純米酒』どんな味わいなのでしょうか?
『悦凱陣 赤磐雄町 純米酒』は、ボリュームのある味わい!
《原料米》赤磐雄町100%
《精米歩合》68%
《日本酒度》+7度
《酸度》2.2
《アルコール度》17~18度
《酵母》熊本9号
《お値段》 1800m 3905円(税込)
特徴1 『悦凱陣 赤磐雄町 純米酒』は赤磐雄町を100%使った特別なお酒!
日本酒ファンの方なら、純血系の酒米『雄町』の栄枯盛衰をよくご存じかと思われますが、先ずは簡単にご紹介しましょう。
戦前は、日本酒鑑評会の金賞は『雄町』で醸すとまで言われたそうですが、栽培の難しさからその子孫の山田錦や五百万石にとって代わられました。
絶滅の危機を救ったのは岡山県の蔵元『利守酒造』さんを中心にしたグループです。
利守酒造さんは、本物の何の混りものもない酒を造りたいとの思いで、篤農家の皆さんに栽培をお願いに回られたそうです。
そして幻の酒米から『雄町』は復活を果たし、平成30年度生産量は全国で4番目に多く、岡山県で95%が生産されています。(農林水産省:「平成30年産酒造好適米の生産状況等」より)
岡山県で栽培されたものは『備前雄町』と呼ばれていますが、中でも旧赤磐郡産雄町のものは『赤磐雄町』として商標登録され、特別な存在なのです。 地元の酒蔵との契約栽培が多く、他県には余り供給されていないようですね。
蔵元さんの本物志向の熱い思いが、よーく分かるなあ! ありがたや ありがたや
特長2 オマチって しっかり旨みが広がりもう逃げられない
私のひいきのお店の棚から、達筆な文字が目に飛び込んできました。 なんと三列で並んでいるではありませんか。 『赤磐雄町』『山田錦』。。。スペック満載のラベルが強烈に誘ってきます。
雄町は山田錦よりも芳醇でコクのある味わいの酒が出来上がります。 私は香りよりもコクなので、迷わずに手が伸びます。 しかも『山廃 無濾過生』ではありませんか。 もう、めったに手に入らないお酒が目の前にありました。
『悦凱陣 赤磐雄町 純米酒』開栓しますと、少しモルトのような香りがしますが穏やか。 口に含みますと、やや甘めのエキスが感じられ、かと言ってべたべたではありません。
温度が上がり3口目くらいになると、酸味とともにふくよかな旨み感じられます。
2日目には、香りは少し落ち着き、酸味が特徴的に感じられ、新政のようなリッチな奥行きのある味わいがありました。
3日目にはこの傾向がより強く、初日とは全く変わってきました。 以外にも、ガツンとした重いイメージは覆され、これが雄町の深い味わいなんだと、もうすっかり虜でオマチストです。
『悦凱陣 赤磐雄町純米酒 無濾過生』と今夜の肴
今夜の取り合わせは、『焼き鳥』と『エシャレット』です。
『悦凱陣 赤磐雄町 純米酒』は濃淳旨口系ですので、こってりした焼き鳥が進みますね。
丸尾本店の紹介とまとめ
『悦凱陣』を醸す丸尾本店さんは、香川県琴平市、金毘羅宮の参道沿いにあります。 古くは勤皇の志士たちが出入りしたという、由緒ある蔵元さんです。
今でも本宅の床の間のからくりや、密談室跡が残っているそうです。
そう言えば、司馬遼太郎先生の『世に棲む日々』で、高杉晋作が命を狙われ、関西の一大侠客といわれた日柳燕石を頼ったことが描かれていたっけ。
その晋作らをかくまった長谷川佐太郎旧宅なんです。 長谷川家は後継者が絶え、酒番頭さんが酒蔵を買取り、今日に至ってるそうです。
丸尾本店さんの仕込み水は蔵内の井戸水、空海ゆかりの満濃水系の伏流水が使われています。
仕込み期の前半は軟水なので生系、後半は硬水と変わるので熟成系と、仕込むお酒の種類をかえているそうです。
ところで丸尾本店さんでは、木製の甑と和釜を使用する少量生産のために、この日本酒の入手は困難を極めます。
この蔵の代表銘柄は、酒米にこだわった味わいのある『悦凱陣』がほとんどとなっています。
ちなみに『悦凱陣』とは、日清・日露戦争の勝利を祝ったものだそうです。 古えにちなんだ『燕石』ブランドもあります。
このお酒の深い味覚、そしてこの酒蔵に絡まるディープな歴史。 日本人ならば、その昔に思いを馳せたくなります。
偉人たちは、どんな思いでこのお酒を飲み心の飢えと哀しみを諫め、そして明けてくる時代の大望をどう抱いていたのでしょうか。
皆さんも金毘羅さんに行った際は、お酒を買って帰りましょう。
それでは、今夜はこの辺で失礼します。