日本酒ファンの皆さんこんにちわ!
さて、今回は様々な日本酒サイトでも人気上位の『新政陽乃鳥』と、『寒菊OCEAN99青海』を飲み比べての感想をお伝えしたいと思います。
これまで、当ブログでは基本的に基本的に1酒蔵・1銘柄を基本として紹介してきました。 新政なら『ラピス』、寒菊なら『電照菊』です。
もちろん代表酒でなくてちょっとユニークなお酒の紹介もありましたが、そんな時は二の矢を放っています。 力のある酒蔵さんは3つも4つも人気銘柄がありますから。
またブログ以外にも、飲んですぐの感想をツイッター記事を発信しています。 そんな中、久しぶりの来客があってお酒を飲んで、新企画記事『飲み比べ』に気づきました。
さてそんな次第で、第1弾の記事はお盆休みに来客を交えての試飲レポートとなりました。
飲み比べ準備編
飲み会や飲み比べに便利なワインセラーでストック!
ところで、人気銘柄の飲み比べとなると中々機会に恵まれません。 先ず、お気に入りのお酒のストックが必要となります。
それには、専用の冷蔵庫が必要となりますが、我が家は古い小型の冷蔵庫がオシャカになり、冷凍庫とワインセラーに置き換わりました。
ワインセラーは、縦置きが必要な発泡酒もあるので横置き用の棚を外して縦置きとし、一番下はワインを横置きです。 温度帯は5度~20度、チルドはできません。
4合・縦置きで20本位はいけそうですが、あまり在庫過多となると季節感がなくなりますね。 結局10本チョットがいいところです。
飲むのはほとんど生酒なのでほんの少しの期間、長期ストックするのは火入れで丁度位です。
さあこれで4合瓶を2本~3本ずつ開栓して、1週間は飲み比べを楽しめるでしょうか。
ワインセラーは中国製で5万円、一般の冷蔵庫と同じ5度の設定まで。 日本製では、マイナス5度まで設定できる日本酒クーラーがあるけど10万と高いし、これで十分。
お酒の仕入れは、品揃えの豊富なお店と希少銘柄を置いている店で
ところで皆さんは、どんなお店で日本酒を購入されていますが?
これまでトラマサは、余り迷うことなく都内でも3本指に入る地酒屋さんで購入しています。
ところが『聖地』呼ばれる酒屋さんでも取引がない酒蔵さんもあり、飲みたいと思ったお酒がそこで揃うわけではありません。
そこでもう一つ近くの地酒屋さんに行きますと、品揃えの数は少ないものの『光栄菊』『ソガペールエフィス』『宮寒梅』『東洋美人』『みむろ杉』などの銘酒が揃っているんです。
またどうしても飲みたい銘柄は、東京駅地下の酒店に行けば揃います。 そうして手に入りにくい銘柄をストックするといいですね。
ご存知のとおり居酒屋での飲み比べは、開栓後の味変の可能性があるね。 仙台の酒屋さんのコインサーバーは瓶に開栓日が書いてあって、感心しましたね!
飲み比べならワイングラスか、ガラスの酒器で
さあ、あれこれと準備もしたので飲みますか? いや、ちょっと待って!
名酒には、お酒の味や香りが一番ダイレクトに伝わるワイングラスを用意しましょう。
今回準備した『新政』と『寒菊』は、お酒の分類で言えば『淳酒』または『薫酒』タイプ。
なので、洒落た香りを楽しめるワイングラスを揃えてみました。 縦長のタイプは純米大吟醸などに、横広タイプは純米酒や熟成酒に向いているようです。
ところでワイングラスって、脚つきは卓上の肴やお皿とぶつかりそうで怖いですね。 洗浄が楽な脚なしタイプも、百均ショップでリーズナブルに手に入りますよ!
甘さと酸っぱさの両雄『新政陽乃鳥』と『寒菊OCEAN99』の感想
『新政陽乃鳥』の紹介と感想
『陽乃鳥』は、仕込み水の代わりに日本酒を使用した『貴醸酒』。 この製法は、1973年(昭和48年)に国税庁醸造試験所にて開発されたものです。
少し詳しく説明しますと、3回に分けて原料を投入する『三段仕込み』の最後『留添え』の際に、水の代わりに日本酒を用います。
これによってお酒がもう一度もろみの中で発酵作用を受け、より甘口で味が濃厚なお酒に仕上がるそうです。
さらに新政酒造さん独自の造りとして、木桶生酛造り、留添えの日本酒をミズナラの樽で1年間熟成。 そして今年は『押し槽』による絞りがプラスされています。
《原料米》秋田県産米『美山錦』100%
《精米歩合》麹米55%、掛米60%
《酵母》協会6号
《日本酒度》- 《酸度》-
《アルコール度》13度
《造り》 生酛貴醸酒
《お値段》720 ml 2480円
《製造》2022年4月
酒米は秋田県産米『美山錦』が使われ、酵母は蔵元発祥の6号酵母です。 アルコール度数は、今年とうとう13度になりました。
比較でいえば5年前は16度、昨年が14度。 今年は濃淳さが少し抑え目ですっきりとした甘酸っぱさになった感じです。 少し『亜麻猫』寄りとなったでしょうか?
さて瓶詰と出荷の期間(熟成)をみますと、昨年は20年7月から21年3月で9か月、今年は22年3月から22年4月と1か月しかなく、大きな変化ですね。
昨年あたりの実験成果から、今年はレザレクション(瓶内二次発酵)が用いられている情報がありますが、表示はありません。 なので1か月で出荷・・・?
裏ラベルには、自家熟成3年が推奨されています。 低アル・2次発酵でワイン的な深みと甘酸っぱさを強調されたのでしょうか?
濃密な甘みのあとに爽やかなジューシーさがきて、甘酸っぱさがきれいに切れていきます。 甘重たくなくて、何杯でも飲めます。
10年くらい前は甘すぎてポートワイン! 亜麻猫のほうがよっぽどワイン的で、エキゾチックだった。 今年は飲みやすくていいです! 生酛・木桶・押し槽などの古典回帰で、新政らしい味が確立されてきたかな。
『寒菊OCEAN99 青海』の紹介と感想
一方の『寒菊OCEAN99』は、『寒菊銘醸』さんが醸す季節限定酒シリーズのお酒です。
このシリーズの夏酒は3本あり『空海 -Inflight-』『青海 -Summer Sea-』『星海 -Starlight Sea-』。『青海』はその第2弾となります。
酒米は『出羽燦々』、山形県オリジナルの酒米です。 特徴的なのは日本酒度が-15で、酸度が2.1。 つまり、チャートで見ればコテコテの『濃淳甘口』なんです。
《原料米》『出羽燦々』100%
《精米歩合》55%
《酵母》-
《日本酒度》-15 《酸度》2.1
《アルコール度》14度
《造り》 純米吟醸/無濾過生原酒
《お値段》720 ml 1650円
《製造》2022年6月
でも『ROCコシヒカリ90』のように、お米が解けすぎて甘過ぎということはありません。 定番の『ROCふさこがね60甘口純吟』よりもスッキリしています。
確かに瑞々しいリンゴを想わせる香りがします。 そしてフレッシュな炭酸ガスが爽快感を演出し、ミネラリーでふくよかな旨みは白ワインを思わせます。
アルコール度数も14度で飲みやすく、夏酒らしい軽快なキレがあります。
これまでブログで紹介してきたお酒は『Occasionalシリーズ』の『電照菊』。 ナント当ブログでは累計で4位のアクセス数を誇り、とても人気があります。
冷房設備の完備した仕込み・貯蔵施設で3季醸造の小仕込みの強みを生かし、フレッシュな甘旨味をバランスよくすっきりとした飲み口にまとめていますね。
飲み比べとまとめ
真夏の夜の飲み比べ実況
さあ、お待たせしました。 いよいよトラマサの『2022夏の名酒相撲』実況中継です。
本日の解説は、日本酒歴30年の『毎飲海(まいのうみ)』さんです。
いやー今日の取り組みは、ますます円熟の境地にある『新政陽之鳥』と、進境著しい『寒菊OCEAN99青海』となりました。 『毎飲海』さん、とてもワクワクしますね!
そうですね。 『陽之鳥』は数年前に比べてボディのアル度15度から13度とスリム化、『押し槽』の絞りとして、爽快さを出してきましたね。
一方の『99青海』も、台風被害で酒蔵を改装し仕込み蔵を冷蔵化してから、フレッシュな甘旨味と爽快な切れ味を出してきました。
さあ、両者開栓しグラスに注がれましたあ~ まずは立香の勝負だ! 『陽之鳥』はしっとり秋田美人か。 おっと『99青海』は、瑞々しいリンゴを想わせる香りで仰け反らせる!
おお、ここで両者組あって、『陽之鳥』は得技の濃密な甘みでたじろがせ、足早にジューシーな旨味を繰り出し、一気に酸味で土俵際まで持ってきた!
『99青海』はフレッシュで生きのいい突込みですね! また『陽之鳥』は流石、ここまでの運びは横綱らしい洗練された技を繰り出してますね。
『99青海』も負けじと、濃密な甘口を繰り出し押し返した~ フレッシュな炭酸ガスの爽快感を繰り出し、一気に詰め寄ってきたぞ。
おおっと、ここで『陽之鳥』は『99青海』を、懐深い甘酸っぱさで『すくい投げ』を一閃! 決まりました~
まとめ
ちょっと変化球過ぎたでしょうか? 真夏の夜の寝苦しさのせいにしては、いけないでしょうか? これはトラマサの妄想であることをお断りしておきます。
さていよいよ、『トラマサの日本酒名酒番付』もこの冬には2年ぶりの新番付編成を予定しています。
そんな事情で、新規飲みよりも既存飲みが多くなって、頭の中は化粧まわしよろしくお酒の銘柄が上下しています。
新番付編成まで、新たな取り組みも企画したいので懲りずにご期待ください。 今回も最後までお読みいただきありがとうございました。