世界一の米を生む村の日本酒『廣戸川 秋あがり』は円やかで旨みのある味わい

廣戸川 純米秋あがり

皆さんこんにちは!

今日は、金賞受賞数日本一連続8年を続ける福島県は天栄村、『廣戸川 純米秋あがり』を紹介します。

『松崎酒造店』の若き蔵元杜氏、松崎祐行さんが醸すお酒に、今とても注目が集まっています。

なぜならば、杜氏に就任以来9年連続(2020は選考なし)で全国新酒鑑評会金賞を受賞しているんです。

さて『廣戸川 純米秋あがり』、一体どんな味わいなんでしょうか?

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『廣戸川 純米秋あがり』は円熟した旨みとすっきりした飲み口

『廣戸川 純米秋あがり』の仕込み水はミネラルたっぷりな中硬水

天栄村は福島県の南部にあって、古くから中通りと会津を結ぶ交通の要衝として栄えたところ。 西側には1500m級の山々がそびえ、東側はのどかな農村風景が広がっています。

その山々から清冽でミネラル豊富な水をはこぶ釈迦堂川と、川沿いに広がる肥沃な大地は、米や長ネギなど多くのブランド農産品を生み出しています。

酒銘『廣戸川』はその釈迦堂川の旧名で、仕込み水にはミネラルを適度に含んだ中硬水の井戸水が使用されています。


《原料米》福島県天栄村産『夢の香』100%

《精米歩合》65%

《酵母》-

《日本酒度》- 《酸度》-

《アルコール度》16度

《造り》純米/火入れ

《お値段》1800 ml  2640円  

《製造》2021年9月

この『純米秋あがり』は、瓶詰めしてから冷蔵庫で氷温貯蔵による熟成が行われています。

これによってじっくりと味の熟成が進み、円熟した旨みとすっきりした飲み口の両立ができていますね。

食味コンクール国際大会で9年連続金賞の農家さんと連携して酒米づくり

さて特筆すべき点は、この酒の酒米は近郊で作られる県オリジナルの酒米『夢の香』で醸されていることです。

『夢の香』の特徴は、軟らかくて砕けやすいコメで扱いにくいそうですが、雑味のない味で香りの良い酒になるとか。 

実はこの『夢の香』は大吟醸にまで使われており、もちろん鑑評会出品酒にも使われています。 金賞を取った出品酒は、すべて『夢の香』で醸されたお酒なんです。

本当にこのお酒には、地元の酒米のポテンシャルが最大限に引き出されて、山田錦にもまったく引けを取らない品質が創り出されているのです。

トラマサ
トラマサ

そういえば、岩手の『赤武』も地元米『吟ぎんが』で鑑評会金賞を取っているね。これから日本酒業界がワインのようなテロワールを目指すなら、一部で始まっているけど鑑評会も含めすべてのコンクールは、特定名称酒別でなく酒米別の部門で審査すべきだね!

そして2017年からは、地元『天栄米栽培研究会』との協力で、酒米『夢の香』づくりがスタートしています。

日本酒『廣戸川』が9年連続の鑑評会金賞なら、地元の『天栄米』は『米・食味分析鑑定コンクール国際大会』で9年連続金賞を受賞している、世界一美味しい評価のブランド米なんです。

筆者も5年間郡山に住んでいましたが、この辺りの水とコシヒカリ米の包み込むような優しい旨味が記憶に残っています。 

北那須連峰を望む美しい田園地帯

さてこの『廣戸川 純米秋あがり』は、透明感がありながらも芳醇でふくよかな味わい

立ち香は穏やかですが、熟成によって幾分コクが感じられ、含むと滑らかで柔らく、スルスルぐいぐいと飲めます。

『廣戸川 純米秋あがり』の感想と評価
  • まろやかさと米の旨みがしっかりと感じられる秋あがり、常温でも楽しめます。     淳酒やや辛タイプ
  • 1800ml  2640円 まさに普段飲みにふさわしい、コスパ抜群のお酒です。 
  • 総合評点 8.5  ※あくまでも私個人の感想です。
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福島の日本酒『廣戸川 純米秋あがり』と今夜の肴

天栄村はその昔馬の売買の市で賑わい、三日東京と言われたそうです。 この地は、会津の文化が色濃いのでしょうか。

そして、会津との境界にはとても優美な双耳峰をもつ『二股山』があります。 地元のシンボルの山は、過去にブナの原生林が伐採されるやいなや、反対運動で中止になったそうです。

その渓谷にある二岐温泉は、開湯1200年の歴史のある温泉。 その昔の名残りでしょうか、宿では馬刺しもでるそうですよ。

会津産馬刺し

『松崎酒造店』の紹介

『松崎酒造店』さんの創業は1892年、創業129年になります。 この天栄村にはかつて20軒もの酒蔵がひしめいていましたが今や2軒のみ。

ところが、この蔵で長年酒を造ってきた杜氏が2011年東北大震災の心労で倒れたため、蔵に戻ってきたばかりの松崎祐行さんが急遽、6代目杜氏となりました。

祐行さんは26歳で蔵に戻り、震災直後の4月に福島県清酒アカデミーを卒業したばかり。 

南部杜氏がいなくなった段階で職人さんも全部引きあげて、造りの体制は蔵元杜氏と地元の蔵人のみ、どちらも若葉マークでの再スタートでした。

廣戸川 純米秋あがり

はじめの造りは見よう見まね、他の酒蔵の見学をしたりアカデミーで学んできたことを試したりと、その苦労は並大抵ではなかったとか。

そこで祐行さんはさらに踏み込んで、品質安定のための情報の共有化と、経験不足を補うために仕込みを揃えて再現性を高め、シンプルな造りを目指します。

そして使う酒米は『夢の香』と、酵母は『うつくしま夢酵母』に絞り込み、さらに普通酒から純米酒をメインにした酒造りへと舵を切るのです。

失敗を恐れず試行錯誤の連続ながら、なんと就任1年目で全国新酒鑑評会でいきなり金賞を受賞します。 しかも今年まで途切れずに、9年連続で受賞し続けるという快挙を遂げています

トラマサ
トラマサ

なぜ9年も連続金賞を取っているかって? それは『日々新たな心』で、去年出来なかったことを、今年は出来るように切磋琢磨しているから。 その真摯な姿勢と、丁寧な酒造りがあったればこそかな!

 『松崎酒造店』の概要
  • 1982年の創業、社長松崎淳一さんは5代目。蔵元杜氏は松崎祐行さん。社員は8名。
  • モットーは『飲み手に寄り添う酒を醸すこと』。
  • 全量純米仕込み、『廣戸川』は特別純米がメイン。 サブブランドはないが、地元産コシヒカリで醸した『石背(いわせ)』も秘かに人気。
  • 2017SAKE COMPETITIONで、後援のダイナースクラブから『若手奨励賞』を受賞。2019 純米酒部門ではGOLD 7位。
  • 全国新酒鑑評会は、2012年から2021年(2020は決審無し)まで連続9年金賞受賞。
  • 試飲・販売なし。

まとめ

松崎祐行さんは、2008年入校の福島県清酒アカデミー職業能力開発校17期生。 

祐行さんは、アカデミーで酒の仕込みや出荷管理、販売戦略など、酒造りだけではなく酒蔵経営のノウハウを一から教わったそうです。

もちろん、同期生とも互いの蔵から持ち寄った酒を飲んで意見を交わすなど研さんも重ねました。 その同期生には『一生青春』『東豊國』『笹正宗』らの30代蔵元杜氏がいます。 

共に東北大震災で様々な苦労を経験しながらも、ぶれずに原点回帰を目指し、福島の連続金賞受賞日本一を成し遂げています。 

そしてその目線は、さらにその先を探っているかのようです。 期待していますよ!

それでは皆さん、今回はこれで失礼します。

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