皆さん、こんにちわ!
今回は、前回に続いて福島県の日本酒『寫楽』を紹介します。
『寫楽』ってとってもインパクトがあるネーミングですね。 皆さんは、何を想像されますか? 役者? 絵描き? 遊び人? 世捨て人?・・・
そう言えば、前に紹介しました山形の『くどき上手』も、戦国時代の天下人からの拝名で、ラベルは浮世絵の美人画でしたね!
それでは早速ご紹介しましょう。 福島は会津の『寫楽』どんな味わいなのでしょうか?
『寫楽』は、地元福島県産『夢の香り』を使用した果実味のあるお酒
フレッシュ感のあるキレイな果実味は、丁寧に手間をかけることから生まれる
《原料米》「夢の香」
《酵母》不明
《精米歩合》60%
《日本酒度》表示なし
《アルコール度》16度、1回火入れ
《お値段》 1800ml 3133円
宮泉銘醸さんは、会津は鶴ヶ城から徒歩3分のほど近い場所に立地、その昔はお武家さんの屋敷があった由緒ある処にあります。
その酒蔵の井戸水が灘の名水「宮水」に極めて近い水質だったことから、「宮泉」と命名されたとか。 会津は全国きっての名水の地、磐梯山からの伏流水が豊富で、市内にも沢山の酒蔵があるのも肯けますね。
『寫楽』の仕込み水も、汲み上げた時と仕込む直前と2回濾過して不純物を取り除いているそうです。
通常は出品酒レベルのお酒の時しかしない作業を、いとも異なげに全力で取り組む熱の入れよう。
洗米・浸漬にいたっては、小分けにしてその一つ一つをタイマーで計り、反転させながら水分をいきわたらせる丁寧な作業が行われています。
つまるところ、「この酒だから力を入れる」「この酒だから手間を省く」といった区分けは一切ないんだそうです。
その証拠に宮泉銘醸さんが醸すお酒は、『SAKE COMPETITION』で『寫楽』『宮泉』の両方が純米酒部門で1位になっているのです。 『寫楽』を呑んでいて、本当に丁寧な酒造りが感じられますね。
それから、お酒が出来上がってから瓶詰め・貯蔵するまでの工程にも神経を注いでるそうですね。 基本的にタンク貯蔵は行わず瓶詰めしたあと、すぐ火入れ急冷をするそうです。
そしてすぐに冷蔵保管をすることで、酒の酸化を防ぎ高い酒質を保持するんだとか。 道理で火入れにもかかわらず、『寫楽』のフレッシュ感が損なわれていませんね!
『寫楽』の味わいは米の旨みがバランス良く口中に広がる
この『寫楽純米酒』は、地元の契約農家にお願いして丹精込めた造られた酒米「夢の香」が使われています。 純米酒の魅力を十二分に引き出した味わいといっていいでしょう。
使われている酵母は不明ですが、とにかく果実系の含み香が特徴的で、味わいは米の旨みがバランス良く口中に広がります。 後口はシュッと切れ、スッキリした純米酒に仕上がっていますね。
ところで宮泉銘醸さんでは、純米酒と純米吟醸の火入れ酒が定番の通年販売となっています。
『寫楽』には他にも季節商品として様々な酒造好適米を使った生酒などが醸されており、季節に合わせた味わいが楽しめますね!
地元米よりも有名処の酒米が多いみたいだね。 播州山田錦、愛山、山田穂、短稈渡船、渡船弐号、赤磐雄町、五百万石、福乃香、酒未来など。
とにもかくにも、旨い酒をってことらしいね・・・
福島の日本酒『寫楽純米酒』と今夜の肴
まだまだ暑い夏が続いていますが、そろそろ秋の気配も感じられ、酒造りの準備も始まりかな。
稲穂も実入りが大きくなりつつあるようですが、未曾有の超凶暴な台風が接近中で酒米の出来具合が心配になります。
夏の疲れを取るには、スタミナ食でお酒を飲みましょう。 今日は豚シャブで頂きました。
宮泉銘醸の紹介
四代目 宮森 義弘社長はシステムエンジニアだったそうですが、26歳で蔵に帰ってみると経営状態は芳しくなく、何年も赤字が続いている状況。
普通酒中心の生産量が僅か180石では、設備更新などは二の次。 酒米に至っては一般加工米や等外米では、売れる由もありません。
義弘社長が帰郷前に、他の酒蔵が醸したお酒に衝撃を受けます。 それは、同じ会津で造られた『飛露喜』でした。
そこで自らが酒質設計を行い美酒を醸す道を志し、福島県清酒アカデミーで3年間学んだそうです。
そして2007年のシーズンから、純米酒と純米吟醸酒を自らの手で造り始めるのですが、ベンチマークしたお酒は『飛露喜』や『十四代』。
しかしそれでは没個性なので、目指したのは甘味と酸味がバランス良く広がるお酒だとか。
そんな折に、本家筋の東山酒造が元々使っていたブランド『寫樂』を別の蔵元から引き取ることになり、新生ブランド名に使用。 これが、東京のイベントで早速ヒット。
自信を深めた義弘社長は、特定名称酒に軸足を据えて、酒の造りの見直しや設備更新をどんどんと進めていきます。
そして2012年、『会津宮泉』を造ってきた杜氏の移籍により、義弘社長が全の造りを統括することに。
これまでの地元ブランドを捨てることなく『寫樂』と同様の造りを敢行し、今ではむしろ挑戦的な酒造りがこちらで試されているそうです。
そして『寫樂』が注目を浴びることになったのは、日本で最もおいしい市販酒を決めるイベント『2014 SAKE COMPETITION』の純米酒部門と純米吟醸部門両方で一位を獲得したことから。
酒造りを始めて僅か10年、『2018 SAKE COMPETITION』の純米酒部門では、今度は『会津宮泉』が1位、『寫樂』が5位とダブル入賞を果たしたのですから、もう見事としか言いようがありません。
寫楽と宮泉は本当に兄弟というよりは双子。最近写楽は地元でも入手困難になりつつあるみたいだけど、宮泉は比較的価格もお手頃。
でも、写楽純米吟醸で4000円超えはちょっとお財布に厳しいかな・・・トラマサは純愛仕込みの『純米酒』を愛す!
まとめ
それにしても、会津には若い造り手さんが多く育っていますね。 作り始めて僅か10年で2度の頂点は中々できることではありません。
写楽のラベル裏書がいいですね。 『米を愛し、酒を愛し、人を愛す。 皆様に愛される酒を目指します。』 これ、純愛仕込って言うんだそうです!
お酒やさんのレシートを見ると、『古典寫楽 純米 純愛』って表示されているので、取引コード名になってるみたい。 会津純米純愛物語ってとこかな?
それでは皆さん、今回はこれで失礼します。