日本酒ファンの皆さんこんにちは!
先日親戚の結婚式が仙台であり、宮城の銘酒を近辺の酒屋さんで色々と試飲・購入をしてきました。
今回紹介するのは、中でも近年コンテスト上位の受賞歴を誇る『勝山酒造』さんの『勝山 縁』です。
さて『勝山 縁』、一体どんな味わいなんでしょうか?
『勝山 縁』は味わい綺麗で、さらりと飲み続けられる旨口酒
地元の食用米『ひとめぼれ』と、泉岳の伏流水のテロワールで仕込む
仙台市の北西部に位置する泉ヶ岳は、ミズバショウも咲く仙台平野を潤す水源の山。 そしてスキーに登山に、仙台市民の憩いの山なんです。
この一帯はお米を中心とした穀倉地帯であり、泉ケ岳から湧き出る水は長い年月をかけて軟水となっています。
勝山酒造さんはその伏流水を仕込み水として深井戸より汲み上げており、その水質は酒造りに適した硬度35度の軟水。 美人成分の天然シリカを多く含んでいるそうです。
《原料米》仙台産『ひとめぼれ』100%
《精米歩合》55%
《酵母》-
《日本酒度》±0 《酸度》-
《アルコール度》15度
《造り》 特別純米/火入れ/無濾過
《お値段》300 ml 660円
《製造》2022年6月
このお酒の酒米は、地元仙台市泉区産食用米の一等米『ひとめぼれ』を使用。 以前には宮城米の代表格『ササニシキ』も使われていましたね。
その昔江戸の食用米の3分の1は宮城米だったそうです。 そこで宮城の酒蔵さんは長年食用米で技を磨いてきた伝統・歴史があります。
でも造りは特別純米といいながらも、純米吟醸と同等の55%精米のスペック。 そして槽搾りを行っています。
そんな手間暇かかる精緻な造りのお味わいは、お米の旨味と風味がしっかりと舌の上に乗りながも、さらりと飲める旨口タイプのお酒です。
なだらかな山の雪解け水と伏流水でふくよかな米を育み、そして清冽な仕込み水で透明感のあるお酒を生み出した技のテロワールに、ストーリーが感じられるお酒ですね。
『勝山 縁』の仕込みは、1週間に1本ずつの丁寧な造り
さて地元のお米に拘った『勝山 縁』ですが、造りも徹底的した精緻な造りとなっています。
温度管理の行き届いた環境での贅沢な仕込みを行い、搾りは酒袋による槽しぼり。 1週間に1本という『週一仕込み』で醸されています。
そしてしぼりたての鮮度を保つパストライザーによる火入れと、酒質を安定維持させるマイナス5度氷温貯蔵による品質管理が徹底されています。
『勝山 献』は山田錦50%、『仙台驛正宗』はひとめぼれ50%で共に綺麗な味わい。 一方『勝山 縁』はひとめぼれ55%の違いながら、輪郭が浮き出て旨みがでていた。 勿論こちらが買いだね!!
上位ランクの『勝山 純米吟醸 献』はIWC2019 チャンピオン・サケ
もう日本酒ファンの皆さんならよくご存じの、上位ランクの『勝山 純米吟醸 献』はIWC2019 チャンピオン・サケです。
でも『トラマサの日本酒銘酒番付』は4,000円(1.8ℓ/税抜き)以内でランク付けをしていますので、これは対象外となります。
今回は300mℓ1,320円で購入したので、旅のお伴として紹介! 磯自慢など高級路線を追及する酒蔵さんも最近は増えていて、本音はチョット心苦しいところ。
『勝山 縁』と今回の肴
仙台に来たりならばのグルメは、お定まりの『牛タン』。 でも若い人たちとは離れて、仙台駅3Fにある『仙令鮨』に向かいます。
三陸沖は暖流と寒流が交わり、日本でも有数の新鮮で豊富な魚介類が取れるところ。 中でも生鮮メバチマグロの水揚げは日本一なんだそうです。
今日のお勧めを見れば、鮪のホホ肉と頭だそうです。 右の『頭』の方が少し和らかいでしょうか、ほんのりとした脂乗りで、美味でした。
実は、お店のお酒は900円と高め。 お寿司は締めて2000円強であり、ならば2階にある角打ち併設の『むとう屋』さんで一杯飲みながら、今夜のお酒選びといきましょう。
『勝山酒造』の紹介
『勝山酒造』さんは、元禄元年(1688年)伊達家の城下町において初代伊澤八内氏によって創業した酒蔵です。
江戸末期安政4年(1857年)には、伊達家から御酒御用酒屋を拝命し、現在の仙台市青葉区上杉山通り北五番丁角に御用蔵を建てます。
そんな歴史と伝統と受継ぎながら、先代の11代目蔵元伊澤平一氏は1970年代には特定名称酒の製造に舵を切り替え、82年には宮城県で初の全量純米酒蔵としています。
そして2005年(平成17年)には、仕込み水の水源地である泉ヶ岳の麓、泉区福岡に酒蔵を新築移転。 1500石から300石の高級酒専門蔵へと大きく舵を切ります。
それまでの一日一タンクから一週間一タンクの仕込みとして、精緻な酒造りを追求。 温調設備を備えた3期醸造の体制を整えました。
2010年(平成22年)には、会社名を仙台伊澤家勝山酒造株式会社と変更。 ANAの注文に応えるべく850石の生産体制に拡張されています。
翌年の東北大震災ではライフラインの切断で大きな損失を出しますが、2015年・2016年とSAKE COMPETIONで『勝山 純米吟醸 献』が2年連続日本一となります。
さらに『勝山 純米吟醸 献』はIWC2019 チャンピオン・サケ、また同年Kura Masterで『伝』もプレジデント賞受賞と、初の2冠に輝いています。
世界で認められた『勝山』の酒は、世界中のあらゆる料理とのマリアージュを狙った次世代型とも言うべきもの。 これまでの常識を打ち破る『高級酒』の価値観を提案し続けています。
多角経営を行う伊澤家だが、コロナ禍にあっては歴史ある迎賓館の『仙台勝山館』を昨年売却している。 旧酒蔵をレストランにリニューアルして再出発するようだ。
まとめ
このお酒の銘柄『勝山 縁』には、皆様との素敵なご縁がございますようにという、蔵元さんの願いが込められているそうです。
そんな願いが通じたのか、酒蔵の近くのホテルに到着すればコロナ禍でなかなか会うことも叶わなかった親戚一同の顔がほころんでいます。
そして挙式前夜のディナーを終え、若い世代も交えた部屋飲みでは『縁』『献』『政宗』の飲み比べの『祝い酒』となりました。
心地よいお酒の余韻の翌日は、良縁に結ばれた悦び一杯の新郎新婦の笑顔と、両親への感謝を込めて弾く新婦のピアノの調べに魅了された幸せな時間が待っていましたよ!
それでは皆さん、今回はこれで失礼します。 今回も、最後までお読みいただきありがとうございました。