秋田の日本酒『雪の茅舎 山廃純米生』は綺麗で雑味のないお酒

雪の茅舎山廃純米ラベル
雪の茅舎山廃純米生

皆さん、こんにちわ!

今回は、秋田県の『雪の茅舎 山廃純米生』を紹介します。

齋彌酒造店さんと言えば鳥海山を望む由利本荘市にある、秋田を代表する酒蔵です。 高低差のある地形を利用した酒蔵は国の登録有形文化財。 

造り手は秋田を代表する名杜氏高橋藤一さんで、自然の力を活かした酒造りを大切にされています。

それでは早速ご紹介しましょう。 秋田の『雪の茅舎 山廃純米生』どんな味わいなのでしょうか?

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『雪の茅舎 山廃純米生』は、綺麗で雑味のないお酒

酒米は蔵人が作る『秋田酒こまち』と『兵庫山田錦』『山田穂』

齋彌酒造店さんで使用される契約米は兵庫の「山田錦」「山田穂」、そして地元の蔵人たちが作る「酒こまち」があります。 

この『雪の茅舎 山廃純米生』は「山田穂」で醸されていますが、前に紹介した『龍力』も「山田穂」を使っていましたね。 ちょっとトレンドなのでしょうか?

名杜氏の高橋さんも酒米にはこだわりがあるようで、毎年現地入りして酒米の出来を確認、意見交換を経て米造り技術を向上させているそうです。

ところで、齋彌酒造店さんの酒蔵は傾斜地を利用した11棟の建物が連なり、通称『のぼり蔵』と呼ばれています。 

一番上が精米所になっており、三基の精米機によって平均精米率は52%へと磨きをかけています。 

仕込み水はこの傾斜地の中ほどの湧水を利用し、水質は意外や中硬水。 

そしてここからが他の酒蔵と違うところ。 洗米は手間を掛けてなんと洗米機とシャワーで都合4回。 浸漬時にはもう糠が出ないそうで、蒸米の捌けがよく逆に作業効率が良いそうです。 

雪の茅舎山廃純米2

《原料米》山田錦、秋田酒こまち

《酵母》自社培養酵母

《精白歩合》65%

《日本酒度》表示なし

《アルコール度》16度

《お値段》1800㎖ 2530円

齋彌酒造店の酒造りの方針は『三無(三内)主義』でオーガニック環境で醸す

前回紹介した山本酒造店さんは、様々な酵母を使ったお酒を醸しておられましたが、齋彌酒造店さんはさらに上をいっているのではないでしょうか。

杜氏の高橋さんは、11種類の酵母を20年以上前から自家培養し、長年にわたって選抜した酵母で独自の香味を生み出し、日本酒の酒質をより安定化しています。 

なんと、100年分の酵母をマイナス85度で保存してあるそうです。

さらに特徴的なのは、『加水無し・濾過無し・櫂入れ無し』の三無造りです。 微生物の働きにまかせ何も手を加えず、無垢のお酒を味わってもらいたいとの方針なんだそうです。

綺麗に清掃された蔵内で微生物の自然の力を活用。 酵母の働きを生かしながら低温で長い時間をかけてじっくりと醸されます。

トラマサ
トラマサ

実は齋彌酒造店では薬剤を使用した蔵内殺菌を行っておらず、酒蔵としては日本で初めてオーガニック認定を受けたんだって!

雪の茅舎 山廃純米生

『山廃もと』で豊かな風味ある酒質を醸す

杜氏高橋さんは、自然の乳酸菌の力を借りて醸す『山廃もと』を復活させ、豊かな風味あるお酒を醸しています。 勿論、『雪の茅舎 』純米吟醸生も魅力的なのですが、今回は山廃純米生を頂きます。

なぜならば、生なので山廃酛の重さはそうでもなくて、飲みづらさはありません。 

むしろ口当たりはシルキーで、新鮮な旨味と上質な酸味など、山廃酛の良いところを感じられるおすすめの純米酒ですね。

香りは穏やかで、仕込み水由来の柔らかなテスクチャのなかに綺麗な米の旨味と、引き締まった酸味のバランスがとてもいいです

 雪の茅舎 山廃純米生の感想と評価
  • 香りは穏やか、綺麗な米の旨味と引き締まった酸味のバランスがとてもいいです。 淳酒旨口
  • 『雪の茅舎 山廃純米生』2530円はコスパよし。食中酒としておすすめ。
  • 総合評点 8.3点   ※あくまでも私個人の感想です。
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秋田の日本酒『雪の茅舎 山廃純米生』と今夜の肴

『雪の茅舎 山廃純米生』は山廃酛造り、自然の乳酸菌の力を借りて醸すせいか、とても豊かな味わいですね。 

今日は暑い毎日を乗り切るため、冷やしトマトとジャガイモにニンニクを効かせた夏サラダをマリアージュしてみました。

トマトとジャガイモの甘酢かけ
トマトとジャガイモの甘酢サラダ

齋彌酒造店の紹介

雪の茅舎純米吟醸
雪の茅舎純米吟醸

秋田の西南部、南に出羽富士『鳥海山』を望む由利本荘は、藩政時代は秋田米や秋田杉の集積地だったそうです。

北前船で大阪や江戸に運ばれたそうで、まさに出羽の国の港町に齋彌酒造店さんはあります。 

齋彌酒造店さんの蔵や家屋は傾斜地に建てられ、国の登録有形文化財に登録されています。 

特徴的なのは『のぼり蔵』と呼ばれる構造で、斜面をうまく利用した先人の知恵には驚かされます。

また長年の風雪に耐えた蔵も風格があり、入口の佇まいや2階の洋風デザインも見応えがあります。 是非訪れてみたい酒蔵ですね。

 齋彌酒造店の概要
  • 1902年創業。社長は齋藤浩太郎氏、杜氏高橋藤一氏は三内杜氏組合長。29BY生産石数4800石。従業員は40名。
  • 酒造りは三無い造り、純米造りや山廃酛を復活後、現在は9割が特定名称酒。
  • 「雪の茅舎」「美酒の設計」は全国展開。瓶貯蔵庫は3000石の容量があり、海外は多方面に輸出。
  • 全国新酒鑑評会は平成だけでも19回の金賞受賞。秋田県No.1の実績です。
  • IWC2012年:トロフィー(純米吟醸)
  • 酒造見学は平日のみも、現在は休止中。

まとめ

『雪の茅舎』は、とある作家さんが帰路に見た茅葺屋根を見て進言したそうですが、茅葺屋根も今はもう昔日の如しですね。 

雪深い秋田の冬景色と、のぼり蔵を守っている大樹の凍てついた姿は、一度見たら忘れない風景です。 

雪の降る町を 雪の降る町を
  想い出だけが 通りすぎてゆく
   雪の降る町を 遠い国からおちてくる
    この想い出を この想い出を
     いつの日か包まん
  あたたかき幸福の ほほえみ

少しは涼しくなったでしょうか? 音楽付きでないのでイメージ湧きませんよねー

それでは皆さん、今回はこれで失礼します。

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