福島の日本酒『奈良萬 酒未来』は上品な甘旨みとスッキリした味わい

奈良萬 純米吟醸 酒未来

日本酒フアンの皆さん、こんにちは!

今回は、福島県は喜多方の『奈良萬 純米吟醸 酒未来』をご紹介します。

会津喜多方と言えば、蔵とラーメンのまちとして全国にその名を轟かせていますね! 豊富な伏流水と冷涼な気候が、酒や味噌・しょうゆの醸造業を育んできました。

さて『奈良萬 純米吟醸 酒未来』、一体どんな味わいなんでしょうか?

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『奈良萬 純米吟醸 酒未来』は、綺麗な香りと豊かな旨みのハーモニー

『奈良萬』の仕込み水は、超軟水の平成の名水百選で醸されている

『奈良萬』の仕込み水は、喜多方北部の山形県境にある『栂峰』から流れ出てくる渓流水が使われています。

この水は硬度13と超軟水で平成の名水百選に選ばれ、喜多方市ではなるべく手を加えずに浄水して、できたての水道水をボトリングし販売もしています。

もちろんこの水は、喜多方のおいしいお酒やラーメンを作り出し、さらに広大な田園をも潤して良質な酒米を生み出していますよ。

また、酵母は福島県が開発した「うつくしま夢酵母」を使用し、本当に喜多方の蔵元にしかできない地酒を目指して醸されています。


《原料米》『酒未来』100%

《精米歩合》53%

《酵母》うつくしま夢酵母

《日本酒度》- 《酸度》-

《アルコール度》16度

《造り》純米吟醸生

《お値段》1800 ml  3630円  

《製造》2021年12月

地元産志向の酒蔵も、最近は酒未来に続き『愛山』でも醸している

さて『奈良萬』といえば、酒米は地元産『五百万石』オンリーにとことん拘り、コクとふくらみで後口を辛みがキリッと締めるのが定番でした。

しかしながら市場を見れば様々な製品が溢れており、他の酒米での要望もあって2016年に『酒未来』にチャレンジしたそうです。

とはいえ、あの十四代を醸す山形の『高木酒造』さんが開発した酒米なんですが、五百万石に比べて米が硬いそうで当初は苦労されたとか。

『酒未来』は早くも今年で7年目の造りとなり、米の旨みが乗ってきたでしょうか。 

『コク』『ふくらみ』『キレ』のバランスがいいと言われる奈良萬ですが、甘酸っぱくて深みある味わいと、米の甘旨みが綺麗に出ていますね。

トラマサ
トラマサ

トラマサお気に入りの酒米を使っているのは、『十四代』『くどき上手』『山形正宗』『榮光冨士』『羽陽男山』『羽陽錦蘭』『惣邑』『東北泉』が山形県、それ以外は『南部美人』『一白水成』『寫楽』『奈良萬』『鳳凰美田』『而今』『花邑』『宝剣』『天青』『東洋美人』『三井の寿』・・・

『奈良萬 純米吟醸 酒未来』感想と評価
  • 最初は辛口の味わいが後口を閉めますが、酒未来らしいスッキリとした旨みが杯を進めるごとに膨らんで、豊かな味わいを出しています。  淳酒旨口タイプ
  • 1800ml 精米53%の純米吟醸3630円は、精米55%の純米2860円とチョット価格差がありすぎかな。 純米酒が勝負なんだね。
  • 総合評点 8.3  ※あくまでも私個人の感想です。
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福島の日本酒『奈良萬 純米吟醸 酒未来』と今夜の肴

飯豊連峰からの豊富な伏流水と、農産物に恵まれた喜多方では、古くから酒・味噌・醤油などの醸造業が栄えてきました。

『奈良萬』は、派手さはなくとも穏やかなほんのりとした味わいが広がる食中酒。 雪国の辛口の味付けの料理によく合いますね。

会津郷土料理

『夢心酒造』の紹介

7代目東海林萬之助氏が1877年に酒造業を創業。 寝食を忘れて美酒の創造に打ち込むある日、夢枕に朝日稲荷が立ち銘醸の秘訣を、後に酒名『夢心』をも授かります。

そんな『夢心酒造』さんですが、1981年に朝日蔵1号、1988年には朝日蔵2号が建設され、近代的な自動製麹機や自動櫂入れ撹拌機付きタンクなどの新鋭設備が導入されています。

御伽話が遠のきそうな話ですが、当時は普通酒専門の酒蔵で11,000石を造り、なんと喜多方の半分のシェアーを持っていたそうです。

夢心酒造

さて11代目現社長東海林信夫さんは青山学院大学を卒業後、異業種の写真業界で2年間働き、1995年4月に帰蔵。 そしてお定まりの醸造研究所で酒造りを学びます。

信夫さんが蔵元に帰った頃の販売は普通酒中心で、ほとんど地元向けだったそうですが、十四代や久保田等の酒質に魅了されます。

バブル崩壊で3000石と造りが落ち込む中で、ベンチマークしたのは朝日酒造さん。 地元密着の『朝日山』と全国にアピールする『久保田』、2通りの流通商品の作り方を参考にします。

そして三倍酒から、『地元の酒米』『地元の水』『福島の酵母』で造る純米酒へ路線変更を進めますが、吟醸造りに不向きな大型設備が足を引っ張ります。 

そこで県ハイテクプラザの指導を仰ぎながら、『奈良萬』は漸く1998年(平成10年)に完成し、特約店ルートで出荷開始されたのです。

奈良萬 純米生おりがらみ

蔵の方針は徹底した地元原料優先の地酒。 YK35の時代にあっても原料米の五百万石に拘り、3年連続鑑評会金賞を受賞し、対外的な評価を獲得していきます。

そしてIWC2015では、なんと『夢心 会津金印』が普通酒部門の最高賞トロフィーを獲得したのです。

さらにdantyu誌2019/3月号では『鍋に合うお燗酒No.1』に選ばれ、旨みのある純米酒として不動の地位を獲得しています。

そんな評価を支えているのは、温度管理を含めた鮮度管理。 瓶詰後の冷却や低温貯蔵の体制が整えられ、万全の状態で出荷されています。

トラマサ
トラマサ

米の浸漬や蒸、糀も機械処理、そして仕込みは大型タンクを使いながらも、温度管理や衛生管理がしっかりと徹底されており、その酒質はコンテストなどで実証済みだ!

『夢心酒造』の概要
  • 1877年(明治10年)に創業、社長は東海林伸夫氏。 杜氏は石川達明氏。 
  • 酒造りのコンセプトは『喜多方の蔵元にしかできない酒』。 酒質は香りを控えめにし、米の旨みを重視した味わいで、冷からお燗までどの温度帯でもおいしい
  • 地元銘柄は『夢心』、『奈良萬』は特約店銘柄。
  • IWC2015普通酒の部『夢心』でTrophy 『dantyu誌2019/3月号』でお燗コンテスト日本一。
  • 全国で初めて「五百万石」で三年連続金賞受賞。

まとめ

日本酒ベテランのお方なら間違えることはありませんが、『奈良』なのでどこか奈良方面のお酒かなと初心者のお方は勘違いされるかも?

蔵元の祖先は平安の時代に奈良の方からやって来たそうで、『奈良萬』は創業当時の屋号『奈良屋』と、創業者の『萬』を組み合わせたものなんだそうです。

聞けば『夢心』とは、創業者が朝日稲荷に詣でた折に『酒に夢心と名づくべし』というお告げを頂き命名したのだとか。

『飲み人の心に夢をとどける酒造りをしたい』・・・ そんな創業者の心が、今に伝わってきますね!

それでは皆さん、今回はこれで失礼します。

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