皆さん、こんにちわ!
今回は、長野県は上田市にある岡崎酒造の『信州亀齢 純米吟醸美山錦』 を紹介します。
岡崎酒造さんと言えば、ご夫婦で醸す小さな蔵ながらも関東甲信越の鑑評会で最優秀賞を受賞、今や長野県を代表する酒蔵さんです。
それでは早速ご紹介しましょう。 『信州亀齢 純米吟醸美山錦』どんな味わいなのでしょうか?
『信州亀齢』純米吟醸美山錦は、フルーティーな味わいと綺麗な飲み口のバランスが秀逸
『信州亀齢』は、菅平水系の清冽な仕込み水で醸され口当たりがいい
上田盆地は長野県東部にあって、全国でも年間降雨量が少ない地域です。 『信州亀齢』の仕込み水は盆地の北側、菅平水系の軟水が使われているそうです。
まず第一の特徴は、清冽な仕込み水で醸されているせいなのでしょうか、とても口当たりがいいです。 気品あふれる香りとなめらかな舌触り、甘さの調和は秀逸ですね。
酒蔵のある柳町通りには『保命水』という井戸に湧水が湧き、近くにはお蕎麦屋や味噌蔵、発酵パンのお店などが。 まさに『水は命を保つ』ですなあ・・・
《原料米》美山錦100%
《精米歩合》55%
《酵母》18号
《日本酒度》不明 《酸度》不明
《アルコール度》16度、無濾過生原酒
《お値段》1800 ml 3140円(税込)
《製造年月》2020.12
そして、『信州亀齢』の2番目の特徴は、限定吸水・箱麹・小仕込でコツコツ手造りで丁寧に造られていることです。
圧力を掛けずに手作業で絞られているので、雑味のない澄んだ味わいがよくでています。
『美山錦』はスッキリと軽快な味わいを演出
『信州亀齢』のもう一つの特徴は、地元長野県産の酒米を積極的に使っていることです。
酒米の『美山錦』は、昭和53年『たかね錦』の突然変異により育成された比較的新しい酒造好適米です。 醸されるお酒の特徴は、スッキリと軽快な味わいとか。
フレッシュで華やかな香り、舌の上に転がる新酒らしい微炭酸が心地よく、フルーティでキレイな余韻が素晴らしい仕上がりを演出しています。
実は岡崎酒造の純米吟醸は、美山錦以外にも『ひとごこち』でも醸されています。 その味わいは美山錦よりも淡麗で味に幅のある酒ができるそうです。
『信州亀齢』は『ひとごこち』『美山錦』に加えて、新しい酒米『山恵錦』もラインナップされていますので、酒蔵にを訪ねる機会があれば、是非飲み比べしたいところですね。
また、酵母は長野県開発のアルプス酵母などを使用しているそうですが、350年の蔵の『住み付き酵母』と合い交わっていい味わい出していますね。
今年の新酒の中でも出来映えは優秀、脳細胞にまで染み込んでいくような旨さというか、美味しいお酒が飲める幸せを感じるなあ・・・
長野の日本酒『信州亀齢』と今夜の肴
長野県は『信州そば』の里。 ここ上田も信州そばの名店が沢山あります。 そして、蕎麦屋さんのお酒のお伴の定番は『いたわさ』や『ちくわ』。
岡崎酒造さんは、なんでもおそばに合うお酒を目指しているとか。 さすが、そばどころの長野県の酒蔵さんですね。
そんな今夜は、信州の蕎麦屋さんでよく出てくる『馬刺し』にしてみました。
岡崎酒造の紹介
『岡崎酒造』さんがある上田市柳町は、かつては北国街道の宿場町として栄えた処。 上田駅からも近く、白壁造りに格子戸が続く街並みが古の栄華を今に伝えています。
そんな街並みにある酒蔵を継いでいるのは、12代目蔵元の岡崎美都里さん。 三姉妹の末っ子として生まれ、親や蔵人の酒造りの背中を見て育ち、蔵を継ぐことを決意したそうです。
美都里さんは東京農大を卒業後、大手酒販会社で修行。 その後蔵に戻り、蔵の杜氏の元で酒造りを学び、2003年に杜氏に就任します。
その後、美都里さんは東京農大のサークル仲間であった現代表の謙一さんと結婚。 謙一さんはしばらく勤め先の都庁まで新幹線通勤、ようやく酒造りに加わったのは退職後の2013年から。
当時は試行錯誤の連読、廃業の瀬戸際だったそうです。 そこで謙一さんが頼ったのが東農大時代の先輩、南部美人の5代目蔵元久慈浩介さん。
『設備は足らなくとも美味しい酒はできる、今できることを最大限にやろう』というアドバイスのもと、丁寧な酒造りに邁進します。
そのかいあって、2015年の関東甲信越国税局酒類鑑評会にて最優秀賞(1位)を受賞。 さらに2019は特別賞(第2位)もいただきます。
この受賞を契機に県内外から『信州亀齢』の引き合いが増えてきて、さらなる品質向上と200石ほどの製造石数の増加が急務となります。
そのため、仕込み用の大きい冷蔵庫やステンレスタンクを導入。 さらには火入れ作業の瓶燗機、和釜からコシキへの切替えなど、品質向上のための設備投資が行われています。
また岡崎酒造さんは、地域の観光資源である棚田を後世に残すために、棚田の保全活動にも取り組み、低農薬・低化学肥料で『ひとごこち』を自ら栽培しています。
収穫した酒米は、同じ『ひとごこち』でも棚田産の米は味わいが違うそうです。 信州の新しい酒米『山恵錦』も話題となっており、信州亀齢の人気はますますうなぎのぼりですね。
発芽玄米の日本酒には「芽生(めい)」と「双葉(ふたば)」、梅酒には「太樹(だいき)」とそれぞれ3人の子供の名前だって。 お母さん杜氏の愛情仕込ってことかな!
まとめ
最近の年末年始に飲むお酒の定番は『大信州』『黒龍』『くどき上手』『寫楽』『No6』『而今』『赤武』『十四代』、そして『信州亀齢』。
今年はブログレビューのために、他にもちょこまか飲んでいますが、この『信州亀齢』の味わいは格別ですね。 でも一番はトラマサの日本酒銘酒番付の横綱かな。
でも、手作り感といいますか、丁寧に仕込まれた味わいがこの『信州亀齢』にはあります。 近隣の棚田で育てた酒米を丁寧に洗い、蒸して、そして醸す。
わが子の成長を愛おしむかのように搾られた雫は瓶に詰められ、盃に注がれる日を今か今かと待っているに違いありません!
それでは皆さん、今回はこれで失礼します。