皆さん、こんにちわ! 今回からいよいよR2BYの新酒になりますよー。
さて今回は、青森県は八戸の『陸奥八仙ヌーボー直汲み』を紹介します。
八戸と言えば、陸奥と言うよりは東北を代表する港町。 新鮮な海産物などを扱う市場が、市内にいくつも存在する賑わいの街で、まさに酒と肴がデュエットしているんです!
それでは早速ご紹介しましょう。 青森八戸の『陸奥八仙ヌーボー直汲み』どんな味わいなのでしょうか?
『陸奥八仙ヌーボー直汲み』は、出来立て新酒の甘い香りとまったりとした味わい
『陸奥八仙ヌーボー直汲み』は搾り口から直接瓶詰した新鮮な果実感あふれる生酒
『陸奥八仙』を醸す八戸酒造さんの酒造りの特徴は、原料米はすべて青森県産米を使用していることです。
2000年頃から十和田市の篤農家らと『華吹雪』などの契約栽培を始め、2004年には自社田にて有機米栽培に取り組んでいます。
「華想い」『レイメイ』、そして青森県が15年の歳月をかけて開発した悲願の酒米『吟烏帽子』は、純米大吟醸に使用されています。
一方定番の特別純米赤ラベルは、『華吹雪』で醸されています。
この『陸奥八仙ヌーボー直汲み』は、定番の『火入れ赤ラベル』と同じ酒米、磨きで華やかな香りは変わりませんが、直汲み原酒のフレッシュ感が深い味わいをもたらしています。
《原料米》華吹雪 麹米:55% 掛米:60%
《酵母》不明
《日本酒度》±0 《酸度》1.8
《アルコール度》16度、生酒
《お値段》720 ml 1870円(税込)
《製造年月》2020年11月
低温発酵させたもろみを搾り、そのまま直詰めした原酒は飲み応えがあり、開栓後のピチピチしたガス感や、2日目以降の微妙な酒質変化が楽しめますよ。
『ヌーボー直汲み』とは、伊達ではありませんね!
港町ゆえに仕込み水は郊外の湧水を使用、会員組織で里山の生態系を守っています
お酒の仕込み水は、八戸市蟹沢地区の湧水『がんじゃの水』を使用。 この八戸台地の湧水は「藤助の水」とも呼ばれ、上流の地下石灰岩洞窟を流れて湧き出したものだそうです。
八戸酒造さんではこの里山の豊かな生態系を残すために、「がんじゃ自然酒倶楽部」を設立。 この湧水で育てた酒米で会員限定の日本酒を造っています。
環境と健康に配慮した、安全で美味しい酒造りに挑戦する。 これが今時の酒蔵が目指すビジョンなんだね!
青森の日本酒『陸奥八仙ヌーボー直汲み』と今夜の肴
青森県八戸は新鮮な海産物が豊富、中でも鯖が名産。 冬は特に脂がのるそうですね! 八戸に行けば『サバの駅』で鯖料理のフルコースが頂けるのですが、我が家の今夜は文化干しが肴です。
新酒のフレッシュな味わいと原酒の深い味わいが魚の脂身とうまくマッチして、今夜は盃が進みました。
八戸酒造の紹介
1888年、四代目庄三郎氏が湊浜通りで酒造店を開業。 その後、戦中の1944年に政府の企業整備令によって地域の酒蔵16社が合同会社化され、戦後もしばらくその状況が続きます。
そして1997年、八代目庄三郎氏が品質重視の酒造りをめざして合同会社『八戸酒類』から離脱、『八戸酒造』として独立することになります。
ところが、伝統的な銘柄『陸奥男山』や、酒蔵など施設の権利も合同会社が手放さず、止む無く休業した近隣の蔵元施設を借りて世に送り出したのが『陸奥八仙』でした。
なんの特徴もない無名のお酒をさげて長男の秀介氏が売り込みますが、東京の酒販店からは全く相手にされません。 そこで醸造専門家を招いたり、ビール会社勤務の次男を呼び戻して醸造責任者に据えます。
青森県産の有機自然米と酵母にこだわり、品質管理の徹底と環境に配慮した酒造りをすすめ、ようやくその華やかな香りと爽やかな甘口のお酒が全国で人気となります。
現在は、『陸奥男山』の商標権も八戸酒造のもとに戻り、両銘柄を2本柱とした酒造りを続けています。
地元の皆さんとの自然保護と地産地消はグッド。 ところでV1116、『ライスワイン』っぽいのはいいけど、マークが小さくて八仙って解らないよ? ワイン酵母もちょっと口に合わずオサガリだったんだけど・・・
まとめ
明治以来、戦争経済と国税の徴税政策に翻弄されてきた酒造業界。 八戸酒造さんは、まさにその歴史を深く刻んできたのでしょうか。
合同会社では目指す酒造りもできずにじり貧、自前の設備も取り戻せずにゼロからの再出発。 やはり有能でやる気のある後継者がいればこそ、新しい酒造りの道が開けるのでしょうか。
今は国内販売や輸出もままならず、新型コロナと国税が当面のカベかな?
それでは皆さん、今回はこれで失礼します。