皆さん、こんにちわ!
今回は、山形県は酒田の『楯野川 無我 ブラウン』を紹介します。
『楯の川酒造』さんと言えば、吟醸王国山形初の全量純米大吟醸蔵。 そして日本初の精米歩合1%の純米大吟醸酒『光明』を発売して話題となった酒蔵さんでもあります。
それでは早速ご紹介しましょう。 酒田の『楯野川 純米大吟醸 無我 ブラウン』どんな味わいなのでしょうか?
『楯野川 純米大吟醸 無我 ブラウン』は、山形県産米美山錦を使用したシャープで新鮮味溢れる美味しさ
フルーティーな吟醸香と、若々しくジューシーで新鮮味溢れる旨味
『楯の川酒造』さんの酒米は、地元庄内町の農家さんとより高品質で安全な酒米を追及しようという方針から全量契約栽培・特別栽培米(減農薬・減化学肥料)となっています。
また2020年の『出羽燦燦』や『美山錦』の栽培契約農家さんは23名、作付面積も当初の13町から70町を超えるまでに増加しています。
さらに兵庫県産の山田錦についても、全量契約栽培・特別栽培に切り替える方針だそうです。
《原料米》山形県産美山錦100%
《精白歩合》50%
《酵母》K601酵母
《日本酒度》-2 《酸度》1.4
《アルコール度》16度、無濾過生原酒
《お値段》720 ml 2035円
《製造年月》2020年11月
この『楯野川無我ブラウンボトル』の酒米は美山錦です。 美山錦は一般的に香りが穏やかですが、この酒は生酒でありフルーティな吟醸香があります。
そして、美山錦らしいシャープな味わいと発酵由来の微炭酸が仄かに感じられるます。 味わいは米の旨みが感じられ、やや甘口と言ったところでしょうか。
また仕込水は、日本百名山である鳥海山の伏流水がつかわれています。 そもそもの楯の川酒造の創業は、上杉藩の家臣に水質の良さから酒造を薦められたというのも肯けますね。
『楯野川無我』シリーズは究極の新鮮さと臨場感を追求した生酒、6つの無をコンセプトにして出来上がっています
R1BYからシリーズ構成が一新され、『楯野川』の生酒は『無我』に集約されました。
六代目蔵元佐藤淳平さん曰く、今時の日本酒が求められているニーズは『究極のフレッシュさ』であり、それは槽口の位置にあると見立てたんだそうです。
そこで『楯野川無我』は、6つの「無」をコンセプトとして造られています。
かいつまむところ、『乳酸無添加』『無濾過』『無加水』『無加熱』『泡をたて無い』『時間をおか無い』『無我夢中』と言うことなんだそうです。 皆さん理解できましたか?
言ってみれば、蔵人だけが知っている生まれたまんまのお酒を届けようって発想なんだけど、これって結構大変だよなー 無がちょっと多すぎるかな?
そして少し造りの補足すれば、酒母用の櫂棒も木製からプラスチックへ変えるなど、酒母の育成環境をよりクリーンな状況にして腐造を防ぎ、 酵母も多めに添加しているそうですよ。
『楯野川無我』シリーズの特徴を簡単に紹介しますと、以下の通りになります。
楯野川無我シリーズ | 出荷時期 | 特 徴 |
ブラウンボトル | 例年11月 | 山形県産の『美山錦』を100%使用。洗練されたシャープな味わいの中に、米の旨みが活きています |
ブラックボトル | 例年1月 | 山形県産の『出羽燦々』を100%使用。輪郭がくっきりとした甘味・旨味が口の中で躍動します |
クリアボトル | 例年2月 | 兵庫県産『 山田錦』を100%使用。王様と讃えられる酒米で醸されたリッチで深奥な味わいです |
精米技術の確立とはいえ、1%精米は何処もできないよな。 乳酸無添加で生酒の味わいがマイルドになって、技術も味もブレイクスルーしたような気がするな・・・
山形の日本酒『楯野川 無我 ブラウンボトル 生』と今夜の肴
出羽富士、『鳥海山』の清冽な湧水で仕込まれた『楯野川 無我』。 生まれたてのピュアな味わいは喉を鳴らします。
そうそう、今夜は北海道旅行で買ってきた『鵡川ししゃも』で、柔らかでトロトロの脂と合わせてお酒を頂きましょう!
楯の川酒造の紹介
六代目蔵元佐藤淳平さんは東京農大卒。 お定まりの問屋営業を経験して蔵に戻ったのが2001年。 帰ってみれば陳腐化商品や借金の山、関連会社も赤字垂れ流しの状態だったそうです。
まずは、勝手知ったる流通経路の開拓から身を粉にして取組み、ようやく500石程度に売り上げを回復します。
そして世の動きは『焼酎ブーム』となり、粕取り焼酎に乗り出しますが鳴かず飛ばず。 そこでの在庫解消策が梅酒でした。
これが大当たりとなり、さらに山形県産の果物をリキュールで売り出しますと、なんと屋台骨にまで成長します。 今もリキュールが大人気ですね。
そこからが、いよいよ日本酒への本業回帰です。 『TATENOKAWA 100年ビジョン』を定め、純米大吟醸酒のみにすることを宣言したのが2010年。
また杜氏の退社を機に、社員蔵人制の組織へ移行。 酒造りは人づくりとばかりに、ビジョンを定め、世界中の人々を魅了するSake造りに邁進することとなります。
まとめ
全量純米大吟醸を醸す酒蔵は、全国でもごく僅か。 勿論、トップはあの『獺祭』を醸す旭酒造さん。 『楯の川酒造』さんのベンチマークはグッドですね!
酒蔵に帰って六代目は、経営の立て直しや酒米の調達、農醸一貫体制の確立、造りや組織改革など、まさに『阿修羅のごとく』だったのでは?
そして、輸出など販路を拡大するなかで、相当な量の酒米を確保しなければなりませんが、一方でこのコロナ禍の販売の減少。
一端の足踏みはやむを得ないのでしょうか。 でも、きっと新しい展開が待っているに違いありません。 そう願っています!
それでは皆さん、今回はこれで失礼します。