高知の日本酒『亀泉CEL-24』は酸味と甘味が絶妙、 まるで白ワインの味わい!

亀泉『CEL-24』

皆さん、こんにちわ!

今回は、高知県は亀泉酒造さんの『CEL(セル)-24』を紹介します。 

この日本酒のラベル、手書き毛筆文字でスペック満載です。 どこか、香川の『悦凱陣』とか新潟の『荷札酒』を連想させますが、初期から変わっていないんだそうです。 

高知の日本酒と言えば、淡麗辛口。 でもこのお酒『亀泉CEL-24』の特徴は、仕込み毎に変わる高知では異端の甘口系の日本酒なんです。 

それでは早速ご紹介しましょう。 高知の『亀泉CEL-24』どんな味わいなのでしょうか?

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高知の日本酒『亀泉CEL-24』は香り高く、酸味と甘味のバランスが絶妙

軟水の仕込み水、酒米と酵母は地元産原料にこだわる

亀泉酒造さんは、高知県の中央部、仁淀川の支流波介川がゆったりと流れる土佐市にあります。 

江戸時代から水枯れしたことのない『万年の泉』と呼ばれる泉水を仕込み水としていたことから、その名泉の万をいただき『亀泉』と名付けたとか。

仕込み水は同じ出間山水系の蔵内の井戸から汲み上げているそうですが、『亀泉CEL-24』のほのかな甘味と優しいのどごしを見事に演出しています。

そしてこのお酒の定番酒米は広島産の八反錦ですが、高知県産の『吟の夢』と『風鳴子』の限定バージョンも醸されていますので、飲み比べも楽しいですね。


《原料米》『八反錦』 

《精米歩合》50%

《酵母》CEL-24

《日本酒度》-14 《酸度》1.6

《アルコール度》純米吟醸、原酒14度

《お値段》720 ml 1881円(税込)

《製造》2020年12月

酵母『CEL-24』は、甘酸っぱくも香り高い低アルコールのお酒を作り出す

二つ目の特徴は、発酵力が弱いために日本酒度-15程度で仕上り、そして甘酸っぱく非常に香りの高い低アルコール酒ができる。 そんな『CEL-24』の酵母の特性をうまくとり入れたことにあります。 

この『亀泉CEL-24』日本酒度は-14。 辛口で知られる高知の日本酒は、『美丈夫』で+4、『司牡丹』で+5、『土佐鶴』で+5、『南』で+6、『酔鯨』で+7。 

亀泉酒造さんの他の銘柄では、日本酒度は+4辺りで淡麗辛口。 この『CEL-24』だけが違うんです。 それからロットによっても、『-8』~『-17』まで幅がありますね

本当に異端と言ってもいいくらいに甘口系に仕上がっていますが、思ったほどベタベタではありません。 酸味がきいているのでしょう。 終いはキリッとしています

亀泉CEL-24純米吟醸

香り高くフルーティで、原酒にしては低いアルコール度ながら、しっかり感じる酸味とほのかな甘みのバランスは絶妙。 まるで白ワインです。 

亀泉酒造さんは高知県が開発した酵母を沢山使用していますので、各酵母の香気成分の特徴をまとめてみました。

酵母名  特 徴
CEL-19カプロン酸エチルが多く酢酸イソアミルが少ない。
デリシャスりんごの香りが強く、リンゴ酸が多く爽やかな酸味があります。
CEL-24発酵力は弱く、カプロン酸エチルとリンゴ酸が酵母CEL-19の2倍あり、甘酸っぱく非常に香りが高い低アルコール酒ができます
AC-95カプロン酸エチル、酢酸イソアミルがともに多く、香りが高い。
高知県産開発酵母(亀泉酒造HPより抜粋)
トラマサ
トラマサ

西原会長さんは、なんでも『酵母の魔術師』って評判らしい!  蔵に行けば、会長さんが高知の酒文化宜しく色々とグラスについでくれて、皆さん帰りは4、5本お土産を買うらしいよ! トラマサも高知に酒旅したいよ~

『亀泉CEL-24』の感想と評価
  • メロン、パイナップル様の吟醸香華やかで、甘酸っぱい味わい。 原酒でコクがありますが、アルコール度は低いため飲みやすいです。  淳酒甘口
  • 純米吟醸50%で720ml1881円は、納得の合格点。
  • 総合評点 8.6点   ※あくまでも私個人の感想です。

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高知の日本酒『亀泉CEL-24』と今夜の肴

高知の酒文化は、藩政時代からの淡麗辛口の地酒を豪快に飲み干すのが伝統として受け継がれているそうです。 

その飲み方とは、豪勢な皿鉢料理を前に献杯・返杯を繰り返すのが宴席の流儀。 今はどうでしょうか? 和らぎ水なんて笑われてしまいそうですね。

高知流の『皿鉢料理』とはいきませんが、今夜は『海鮮刺身盛合せ』で、高知のライスワインをいただきましょう!

海鮮刺身盛合せ

亀泉酒造の紹介

『亀泉酒造』さんは、土佐の山あいで、高知県産の米、酵母と水にこだわった酒造りを目指し、バラエティーに富んだ色々なタイプの酒を醸されています。

創業は明治30年、酒好きの同志11人で麓酒店を設立しますが、当初は苦労の連続。 大正6年には、西原(さいばら)家、川澤家が合名会社『麓酒店』を設立します。 その後は、両家の代表が交互に社長を務めてきました。

ところが昭和19年、国策の企業整備令により近隣の6酒造会社が企業統合されてしまいますが、昭和39年にようやく『亀泉酒造』として独立します。 

そしてその後は、再び旧来の両家の代表が交互に社長を務めてきたそうです。

トラマサ
トラマサ

青森の陸奥八仙を醸す八戸酒造さんもしかり。 戦争のため、酒税を搾り取られたあげく統合会社にさせられ、戦前の酒蔵さんはほんと大変な時代を経験されたのかと、感じ入りますわあ・・・

亀泉酒造さんの造りは、特定名称酒は全て低温でじっくりと醗酵させています。 そして上槽後2週間以内に生・火入れともにビン詰めし、冷蔵庫でしっかりと貯蔵しています。 

 亀泉酒造の概要
  • 創業は1897年(明治30年)。 川澤 亨社長は八代目、杜氏は西原一民会長が務めています。 生産高は600石(2020年4月)で、その内半数以上が『CEL-24』。
  • 美味しい、楽しい、面白いがモットーで、高知の酒米と酵母を積極的に使った酒造り。 香り高い端正な酒を醸すことを信条としています。
  • SAKE COMPETITION2019純米大吟醸部門ではGOLD10位。
  • 輸出にも力を入れており、近年は中国で人気を博しているそうです。
  • 酒造見学は予約要、500円。 酒蔵のBarで試飲できます。

まとめ

『CEL-24』の手書きラベル。 美味しい、楽しい、面白いがモットーの亀泉酒造さんの面目躍如といったところでしょうか? 面白いですね。

じつはこれ、20年以上も前に東京の居酒屋さんに持ち込んだ際に、事務員さんが手書きで成分表示を書いたのが始まりなんだそうです。

なんか、新潟の荷札酒とストーリーがそっくりですね。

今時の人気の日本酒は、一に味わい、二にネーミング、そして三にジャケかいな?

それでは皆さん、今回はこれで失礼します。

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